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#4 インドネシアの島嶼はすごい❷


#3のおさらい

 フローレス島の人類近縁種は閉ざされた環境の中で、かなりの長い期間を過ごし、独自の進化を遂げた。というお話をしました。
 今回も妄想複顔を添えて、H.filresiensisのことを書いていこうと思います。何せこんな絵を描いていると、思考が止まらないのです。 

人類系統樹
系統樹と言っても、連続性が確定している部分は少ない。

今回のらくがき

H.floresiensisの頭骨 / 色鉛筆、鉛筆
すごく綺麗な骨格をしていると思う。現代人と比べ顎がだいぶ丸い。綺麗な丸顔だったろう。今回は鼻を高く描いてみた。前歯から鼻、左目の周りまでが欠損していたため、鼻へつながる形は想像するしかない。
左H.habilis 右H.erectus / 色鉛筆
これを下地に顔を描いていく。H.habilisの方がH.floresiensisに印象が近いようにも思う。

Homo habilis と Homo erectus

 左のHomo habilisはタンザニアのオルドヴァイ渓谷で見つかったヒト属(Homo)の絶滅種。アウストラロピテクスから分岐したと見られていて、現在発見されている範囲では最も古いヒト属であるとされる。
 右のHomo erectusは以前はピテカントロプス・エレクトスと呼ばれていた絶滅種。現在はヒト属に含まれている。アジアに広く拡散したとされる種。
 この2種に関して、以前は連続性があるとされていたが、現在では同時期に存在していたとされている。フローレス島の近く、ジャワ島のトリニールで見つかった“ジャワ原人”は、H.erectusの亜種とされているため、地域的に見てフローレス島のH.floresiensisもH.erectusの亜種と見る考えもある。

アフリカ由来の古い特徴

 足の親指の向きが他の指と同じ方向を向いていて現生人類に近い(ものが掴めない形)が、その他の指の比率…特に小指に向かって比率が長くなっている。足が大きく、大腿骨と脛骨の長さとのバランス的に、類人猿に近い特徴だとされ、H.habilisと共通の祖先を持つ可能性があると示唆されている。
 土踏まずがなく平坦な骨格をしているため、オランウータンのように足の外側を地面につける形で、走行や歩行には向いていなかったという見識もある。
 まだ見つかっていないアジア進出種である可能性もある。

左からChimpanzee、Orangutan、Gorilla / 木炭、鉛筆
みんなものを掴める足。H.floresiensisは、親指もまっすぐ前を向いているので、ものが掴める足ではないが、小指側の指の比率が長いのは類人猿にも似た雰囲気。ここはH.floresiensisの想定の足を描くべきだろうけど…気が向いたものを書くのが趣旨なので、あしからず。

 発掘地リアンブアではステゴドン(古代の小型の象)や大型の齧歯類の骨が見つかっているが、ペタペタとぎこちない歩き方をしていたのだとしたら、狩りなどはどうしてたのかな…と思う。
 もしこの頃の人類が泳ぎに長けていたとしたら、近隣の島との交流や他種の流入など全くなかったのだろうか。

H.floresiensis 一旦まとめ

  • 1mという身体の小ささ。脳要領は400ml(現代人1,400ml)。

  • 火や石器の使用が認められる。

  • 手足の特徴が近隣の島で見つかっているH.erectusよりも古いアフリカ由来である。

  • H.habilisと共通の祖先を持つ可能性。

  • 6万年前まで生存していた(石器は5万年前のものが出ている)。

 人類起源の中でも、特に気になっているH.floresiensisに注目してみました。今後ルーツが窺い知れる、新たな種が発見されることを期待している。

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