【ヤクルト】”今”知っておきたいプロスペクトたち
こんにちは。でぃーだ(@Dee_bbyS)です。
”絶対大丈夫”をキャッチフレーズにチーム一丸となって日本一を勝ち取った2021年の東京ヤクルトスワローズ。
しかし、昨年のリーグ後半や日本シリーズの胃がひりつく様な戦いを見ていれば分かる通り、名実ともに日本一のチームと胸を張って言えるような”圧倒的"な戦力と呼ぶにはまだ早いように感じます。
そして、今年はチャンピオンチームとして昨年以上にマークされることが容易に想像される中、それでも昨年のように最後まで勝ちきるには新戦力の台頭が不可欠です。
そこで今回のnoteでは、今までは余り1軍で活躍していなかった選手の中から”一定基準”を満たした選手を一部ですが紹介したいと思います。
その"一定基準"とやらはnoteの最後にでも。
2021年の戸田軍を振り返る
まずは簡単に2021年のイースタンリーグの成績を振り返って行こうと思います。順位表は下記の通り。
この通りイースタンではロッテが頭一つ抜け出した強さを誇っていましたが、2位以下は2ゲームの中に6チームがひしめき合う大接戦となりました。
スワローズ2軍(以下 戸田軍)は3月末~4月上旬に1軍で発生したコロナ感染拡大に伴ってチーム編成が困難になった影響もあり、3-4月は5勝16敗と苦しい戦いを強いられました。
離脱が解消+新外国人選手が合流して戸田軍のチーム編成にも余裕が出始めた5月からは2か月連続勝ち越し、9月は13勝8敗などチームとしても好成績を残すことも出来ました。
チーム全体として人数が増えたことで、今までは考えられなかった”試合に敢えて出場せずに練習に専念する選手”が出てくるなど、2020年オフから育成体制も変わりつつある戸田軍。
そんな戸田軍にて奮闘している選手たちについて、
一部の選手ではありますが取り上げていこうと思います。
飛び立つ準備をするプロスペクトたち
”プロスペクト”の概念は人それぞれですが、せっかくの機会ですので(誠に勝手ながら)あまり世間的には有名ではないと私が感じている選手を中心に取り上げていこうと思います。
また、以下の数値面に関する記載で特段の記述がない場合、成績については2021年イースタン・リーグのものとさせていただきます。
#33 内山壮真
内山 壮真は星稜高校から2020年ドラフト3位で入団したキャッチャーです。
彼は甲子園でも活躍していたこともあって世間的にもかなり有名な選手ではありますが、ここでは敢えて取り上げさせていただきます。
というのも、スワローズの若手事情に詳しい人なら、彼が現状のスワローズにおける超有望株であることに異論がある人は少ないのでは?と私が感じているからです。
昨年は規定打席には僅かに及ばなかった(※戸田軍の規定打席は281打席)ものの、全104試合中74試合に出場して274打席に立ち、
という高卒捕手としては上出来といえる成績を残しました。
また、高卒選手ながら1軍に3度昇格して代打で6打席を経験するとともに、優勝争いの大一番であったGT6連戦(10/5~10)でも4試合にベンチ入りを果たすなど、高卒ルーキーとしては見た目の数字以上の経験をしたのではないでしょうか。
彼の現状のストロングポイントはなんと言ってもバッティング。小柄な体ながら力強いスイングで打球を飛ばす技術は超一級品です。
また、打率より1割以上高い出塁率が示すように、しっかりと四球を取れる選球眼も大きな魅力です。昨年のBB%は12.8%となっており、250打席以上を経験した33選手の中で5位と高い水準を誇っています。
また、奥川恭伸や山瀬慎之助を擁した星稜高校において2年生ながら4番ショートを務め打率.385 2本 OPS1.165を記録して甲子園準優勝に大きく貢献したことや、
イースタンにてサヨナラ打を1シーズン2本放ったり、
昨年出場したフレッシュオールスターで先制HRを放ってMVPに輝くなど、数々の場面で見える勝負強さも魅力です。
一方で捕手としての守備はまだ1軍でレギュラーを務められる程ではなく、また昨年はプロで戦う体力が不足していたこともあってか終盤に打撃・守備ともに調子を落としていましたが、これらは経験を積んでいけば徐々に対応していける課題でしょう。
髙津監督が「古田敦也臨時コーチに会わせたい」と言及して高卒2年目で1軍キャンプ入りをするなど、チームとしても大きな期待を集めています。
1軍の捕手にはシーズンオフに3年契約を結んだ”新背番号27”中村悠平がいるため、(スポット的に1軍起用されることはあるでしょうが)内山壮真の2022年の主な戦場は昨年同様に戸田軍となるかと思います。
まずは出場機会を多く確保しながら走攻守共に着実に経験を積んだ上で、神宮の舞台で先輩・奥川恭伸とのバッテリーを組み、
ゆくゆくは昨年1軍で多くの試合に出場して優勝に貢献した古賀優大と共に”次代の背番号27”を争ってほしいですね。
#35 杉山晃基
杉山 晃基は創価大から2019年ドラフト3位で入団したMAX156km/hの速球が武器の右腕です。
ルーキーイヤーである2020年は、シーズン延期前の3月のOP戦で好投したものの、実際に6月にシーズンが開幕すると制球難にも苦しみ1軍登板は0で2軍登板も9試合に留まる悔しい1年になりました。
そして迎えた2021年はイースタンリーグの開幕から4試合連続無失点と好投して自身初の1軍昇格を果たすと、1軍初登板で3回無失点、2試合目も2回無失点と1軍でも結果を残すことが出来ました!
その後2試合で打ち込まれて2軍降格するとその後は1軍昇格なくシーズンを終えましたが、2軍成績を見ると昨年との差は歴然。
1イニング1つに近いペースで三振を奪えるようになったと共に、与四球も大幅に減少させたことが大きな成長でしょう。
WHIPも2.14→1.19と大幅に改善させたこともあり戸田軍のクローザーを務めて7Sをマークするなど、こちらも見た目の成績以上の成長を感じた2年目となりました。
また、2020年は143.5km/hまで落ち込んでいたストレートの平均球速も2021年には147.1km/hまで上昇するなど、本来の持ち味である速球が徐々に戻ってきました!
去年は優勝の大きな原動力となったリリーフ陣ですが今野龍太・清水昇・マクガフらの投手たちがフル回転したため、オフが短かったこともあり今年への影響も少なからず心配されています。
他にも期待したいリリーフ投手は沢山いますが、同世代で同期でもある、昨年ブレークした大西広樹に負けじと杉山晃基もその争いに食い込んできて欲しいですね!
#017 丸山翔大
丸山 翔大は2020年育成ドラフト4位で西日本工業大から入団した、192cmの長身から投げ下ろすストレートとフォークのコンビネーションが武器の右腕です。
同じく西日本工業大で翌年のドラフト上位候補であった隅田 知一郎(2021年西武ドラフト1位)らを視察に行った際にスカウトの目に留まったことや、丸山翔大も当初は普通に就職をするつもりであり大手自動車メーカーから内定を貰っていたことも示す通り、ドラフト会議の時点では所謂隠し球とも言える存在でした。
プロ入り後は同期の高卒投手(嘉手苅浩太・下慎之介)らと共に身体づくりからスタートするも、4月中旬にイースタンリーグでデビューすると、リリーフとして登板数は多くないものの安定した投球を見せました。
イニング数を大きく超える三振数を奪っていることや、イースタンリーグ15試合で三振を奪えなかった試合は1試合だけというデータが示す通り、三振が奪えるのが良いですね。
長身から投げ下ろす切れ味の鋭いフォークは大きな武器の一つですが、今オフは同じく絶品のフォークが武器である我らが清水昇と共に自主トレをしたとのことで、さらなる進化も期待できそうです。
加えて、シーズン通算被打率0.148も優秀という他ありませんし、育成選手の1年目という点ではかなり良い成績と言えるのではないでしょうか!
また入団時はストレートの最速148km/hでしたが、昨年のイースタンでマークした最速は152km/h,”平均球速”が146.6km/hと球速面でも大きな成長を遂げていることが分かりますね。
課題としては被HR数(3本)の多さでしょうが、橿渕デスクも言う通りスワローズにはいないタイプの長身投手ですし、まずは支配下登録を目指してアピールしてほしいですね。
#023 赤羽由紘
赤羽 由紘は2020年育成2位でBC信濃グランセローズから入団した、右投右打の強打の内野手です。※2022年で高卒4年目の年齢
早速ですが、シーズン成績(73試合出場 258打席)は下記の通り。
決して悪くはない数字ですが、特段これだけでは素晴らしいと言える数字ではないように見えます。しかし、赤羽は開幕してから34打席(31打数)ノーヒットとかなり苦しんでいたことをご存知でしょうか。
このボテボテの当たりでようやく公式戦初ヒットが出ると肩の荷が下りたのか、今まで以上に良い当たりが出始めるようになりました!
あの苦しみがあったからこその成長という側面もあるでしょうが、仮に開幕からの連続無安打がなかったら…と仮定するとこのような成績になります。
(※成績は手計算)
こう見ると、出塁,長打のどちらの観点からも優秀な数値だと思いませんか?
ちなみに、OPSは規定到達していればリーグ2位相当になる成績です。
(参考:1位は.867でS太田賢吾、2位は.854のS奥村展征)
また、赤羽のストロングポイントは内外野の複数ポジションを守れるユーティリティ性にもあります。
元々はサードを主に守る想定で獲得されたと思いますが、イースタン公式戦とフェニックスリーグでバッテリー以外の内外野7ポジション全てを守っております。特に、あまり経験がなかったであろう外野手にも取り組むと、このようなダイビングキャッチや、
持ち前の強肩を生かした好返球などの素晴らしい守備を見せております。
こういったように起用の幅が広い選手は役割を見つけやすくなり、更には右内野手の絶対数が少ないというチーム事情も相まって、
昨年多くかった三振を減らしつつ、期待されているパワフルな打撃を維持・向上させることが出来れば支配下登録の日も近いのではないでしょうか。
強打の右打内野手と言えば我らがキャプテン・山田哲人。
彼が入団当時に背負っていた背番号23に0を付けた023を赤羽が背負うのは、きっとチームからの期待の表れでしょう。
そして、同じくスワローズの強打者番号として知られているとある背番号が昨年3月より空き番号となっています。もしかしたら今シーズン中にその背番号を背負う日、来るかもしれませんね…!
最後に
ここまでスワローズの一部プロスペクトの4選手を取り上げてきました。
さて、冒頭で書いた”一定基準”とは、「明後日から始まる1軍の浦添キャンプ組に”抜擢された”」という点です。
彼らには浦添の地でアピールをし、是非神宮の舞台に上がって欲しいなと強く感じております。
また、先ほどの4選手以外にも浦添の1軍キャンプでアピールが期待される選手が沢山います。
成績こそ振るわなかったもののイースタンで1年間投げ続けて最終戦に1軍登録された2020年ドラ1木澤尚文や、昨年ソフトバンクから加入してサイド転向で支配下登録を目指す小澤怜史もそういった期待を背負っているでしょう。
そして、プロスペクトといえば、着実に成長を続ける高卒3年目 長岡秀樹・武岡龍世の”長武コンビ”も忘れてはいけませんね。
長岡秀樹は昨シーズンのイースタン打率4位.261を記録すると共に日本シリーズの40人ロースターにも登録されましたし、
武岡龍世は同じく打率3位.263をマークするなど、まさに成長著しい同級生内野手コンビです。
彼ら2人も(結果的に…ではありますが)浦添キャンプに抜擢されました。そんな"長武コンビ"について詳しくはシュバルベ(@love_uni31)さんのnoteで!
加えて、こちらは2軍の西都キャンプスタートですが、昨年のOP戦で猛アピールするも怪我でシーズンはほぼ全休となった濱田太貴や、
ルーキーながら開幕ローテ入りを果たすも初登板以降は怪我で全休となった2020年ドラ2山野太一、
1軍経験も多いためプロスペクトという枠からは外れますが、イースタン首位打者・太田賢吾や同打率2位・奥村展征らの活躍にも期待したいですね。
そして、これまで記載してきた(紙幅の関係上記載できなかった選手も沢山いますが…)選手たちに加えて今年はルーキーが6人加わりました。
それぞれの現在地は異なりますが、今から楽しみが止まりませんね!
さて本日、2022年の東京ヤクルトスワローズのスローガンが「熱燕-NEXT STAGE-」と発表されました。
スローガンの中にある"Next Stage"は池山隆寛2軍監督のブログの締めの言葉でもあり、1軍や2軍に囚われずチームスワローズとして全員が一体となって今年も戦うことの表れとも言えるのではないでしょうか。
こういったご時世なので健康には出来る限り留意しつつ、
2軍で力を付けた選手が1人でも多く1軍の舞台で活躍し、
今年も”熱燕”な戦いが観れることを楽しみにしております!
<Special Thanks>
※本note内の写真は全て筆者撮影
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