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発達障害をオープンにして働くか、クローズにして働くか、それが問題。

私は約8年前、発達障害の診断を受けました。手帳を交付された後に、発達障害に特化した就労支援施設で、自身の転職活動について相談したときのことです。

「オープンとクローズ、どちらで就職しようと思っていますか?」

相談員の方からそのように質問されて、きょとんとしてしまったことがあります。

  • 障害を企業に開示して就職する(オープン就労)

  • 障害を企業に秘密にして就職する(クローズ就労)

障害がある場合、働き方には以上の2つの選択肢があると、話の流れから気づきました。

確かに発達障害がある人にとって、勤め先に障害をお伝えするかしないかは、重大な問題です。

  1. オープン就労のメリットとデメリット。

  2. 就職活動の過程において、どのタイミングでオープン就労とクローズ就労を選べばいいか。

今回はこの2点について、話を進めていきますね。

障害者雇用のメリット・デメリット


まずは前提条件として、オープン就労は障害者雇用制度を利用するものと考えた方がいいと思います。

一般雇用で障害を開示して求職する場合だと、よほど能力や人柄を見込まれない限り、採用通知をもらうのは難しいです。(ちなみに一般雇用で就職した後、障害が判明して、職場に配慮を求めて働き続けるケースもあります)

障害者雇用制度を利用するメリット・デメリットについて、『発達障害に気づかない大人たち<職場編>』(星野仁彦:著)では、以下のことが指摘されています。

―メリット―
①会社から特別な配慮が得られたり、上司や同僚などからの理解も得やすい
②必要に応じてジョブコーチなどの支援者に職場に入ってもらうことができる
③税の控除や交通運賃の割引制度が利用できる

―デメリット―
①障害への理解が足りない職場だと差別や偏見の目で見られることがある
②障害への配慮や理解が得られる反面、仕事が簡単すぎて物足りない
③通常雇用に比べて給与水準が低い

発達障害に気づかない大人たち<職場編>

このメリット・デメリットは、就職先によってさまざま。悲しいことに、全ての会社が障害に対して理解を示すとは限りません。それに障害者雇用であっても、ハイレベルな仕事が求められて、給与が高いケースも有り得ます。

人間はメリットよりもデメリットを気にする傾向があります。(経済用語でいうところの、損失回避性ですね。利益を得ることよりも、損失することを避けてしまう心理のことです)

なのでデメリットを恐れるのは、すごくすごく自然な心理だと思います。

オープン就労かクローズ就労か決めるとき


では、就職活動の過程において、どのタイミングでオープン就労とクローズ就労を選べばいいか。

冒頭で述べた就労支援施設の相談員の方に質問したところ、こんな答えが返ってきました。

「自分が働きたいと思える職場から、採用通知をもらうまででいいと思いますよ。オープンかクローズかよりも、自分に合っている職場かどうかが問題だから。一般雇用でも障害者雇用でも、就職活動を進めていって、決断するのは本当に最後のギリギリのときで、いいんじゃないかな……」

これを聞いて、ちょっと安心しました。オープンにするかクローズにするかは、ギリギリまで迷っていいんだって。最初から決断することじゃなくて、就職活動の過程において考えていいんですね。

確かに、差別や偏見の目で見られるのは嫌です。
でもその前に、自分が発達障害のことを軽んじていないかって……
人って不思議と、自分を嫌っているときは、周りからも嫌われてしまうんですよね。

まとめ

1.オープンで働くか、クローズで働くかは、就職活動の過程において考えること。
自分が働きたいと思える職場から採用通知をもらうまで、ギリギリまで悩んでいていい。

2.オープンで就職するとき、差別や偏見を気にするのは自然なこと。
まずは自分のことを、ありのまま認められるように心がけよう。

これはあくまで私の経験から思ったことなので、誰にも当てはまるとは限りません。
もしよかったら、さらっと参考にしてみてください。

やっぱり、自分で自分の価値や生き方を大事にするのが、一番ですよね。



※すみません。先週までの投稿と比べると、今回の記事はいきなり文体が変わりましたが……実はこれ、8年前に書いた記事を、今年の5月にリライトしたものなんです。noteの下書きフォルダに保存したままだったので、年が改まる前に蔵出ししました(笑)

次回は今年(2022年)の振り返りを簡単に行って、今年の書き納めとしたいと思います!


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