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個人開発のゲームを2万ダウンロード突破させて夢を叶えた話とその地獄

まずはじめに

はじめまして。note初投稿になります、DAIKI EGUCHIと申します。大学に通いながらプログラミングを独学で勉強し、個人で開発したゲームをリリースしている所謂個人開発者です。

今回は先日リリースした「ステルスミッション 3D潜入アクション」というゲームが現在20000ダンロード突破したことで得た知見や考え方。そしてどういう風に2万ダウンロードを突破させたのか。どんなところがしんどかったのか。そのへんを中心に書きたいと思います。

この記事は

上記のアドベントカレンダーの18日目になります。また、今回記事の内容は私個人の考え方や得た知見になりますことをご了承ください。


ステルスミッション 3D潜入アクションゲーム

まずは私が個人開発したゲームの紹介をしたいと思います。

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「ステルスミッション 3D潜入アクション」という名前でiOS、Androidでリリースしました。内容としてはステルスゲームで、敵に見つからずにゴール(アイテム獲得)を目指したりターゲットを上空から狙撃するゲームになります。

コンセプトは「スマホで本格ステルスゲームを」

敵に見つからずに進む緊張感。その中でコイン(音を出して相手をおびき寄せる)や睡眠ガス(敵をおびき出して周囲の敵を眠らせる)、麻酔銃のどれをどの場面で使うのか、という戦略性を楽しめます。

ストーリーの核は「国家の力よりも企業の力が強くなった世界で」。

世界的に流行した感染症の影響で”人と人”の交流なしに生活費需品を目指した結果、それを請け負った企業が国家よりも強くなってしまいます。国家は企業に口出ししようにも生活必需品や交通の全自動システムを担っているこの企業に口出しができずパワーバランスが逆転したままになっています。

その企業の名はCAT(Cooperation Advanced Technology)。

しかしある時、CAT産の軍事ロボットが戦争に使われていることに気づいた国民の一部は反乱を起こしプロテスタントを作ります。

そのプロテスタントの名は「RAT」。窮鼠猫を噛むから由来するRATは軍事ロボット使用のリークから8年後、支配された国を取り戻すべくクーデターを起こします。そのRATが依頼したエージェントから派遣された男「ゼロ」。ゼロはCATからこの国を取り戻すべく任務を達成していく物語です。

このゼロがプレイヤーが操作するキャラクターになります。

なぜこのゲームを作ったのか

このゲームを作った理由を話すのは少し長くなります。まずこの話をするには大学一年生のときに作ってリリースした「SpaceCombat」というシューティングゲームの話をしなくてはなりません。

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このゲームは大学1年生のときに1年間かけて作ったシューティングゲームです。1人プレイでは敵AIの飛行機を倒しつつ、出てきたボスを倒したらクリアです。あと友だちと遊べるルームマッチングや世界の人と遊べるランダムマッチング機能も実装しており対戦機能も売りの一つでした。

大学1年生の頃初めてUnityに出会い、ゲームを自分で作れることに驚き、Unityの入門書を一冊買いました。その中にクリックすると的に向かって、いがぐりを投げる3Dゲームがありました。ただそれだけのものでしたが、このいがぐりを弾にしてカメラの前に飛行機を持ってきたらシューティングゲームを作れるのでは!?と思ったのが作ったSpaceCombatを作ったきっかけでした。

対戦機能を加えるためにネットワーク対戦システムを学び、実装して、それ以外のこともやってるうちにあれよあれよと一年が過ぎました。

しかしリリースした後、感じたことがあります。

「面白い」の言葉が聞こえてこなかった

リリース後、大学の友達がプレイしてくれて、家族がプレイしてくれて、高校の友達がプレイしてくれました。嬉しかったです。自分の作ったゲームを目の前でプレイしてくれたことが。しかし、その友達の言葉はいつもこうでした。

「すごいね!こんなゲームが作れるんだ!」

嬉しかったです。「すごい」と褒めてくれたことはとても嬉しかったです。でも、僕が本当に欲しかったのは「面白い」の一言でした。ゲームといえば面白いことは必須だと思っていますし「すごい」よりも「面白い」と言う感想を待ち望んでいたのです。

この時点で私が後悔した点・気づいた点が2つあります。

「このゲームの何が面白いのか」を考えていなかった

本末転倒過ぎです笑 今作っているゲームの何が面白いのかを全然考えていなかった。企画書なんて書くという発想すらなかった、それがこのときの自分でした。今、私はゲームプランやゲームデザインの本を読むようになりましたが、やはり面白さと新奇性の2つは自分なりにしっかりと決めていかなければいけないと感じています。

当時の自分はUnityを触り始めた頃で「こんな事もできるんだ!」「自分のプログラムで飛行機が動く!すごい!」や「ネットワーク対戦システムの機能を追加した!すごいだろ!」のような感情を持っていました。そしてその「すごいだろ!」という感情がいつか「このゲームは面白いはずだ」という方向に変換されていました。今思えば「すごい」=「おもしろい」ではありません。また、ユーザーは自分がゲーム開発1年目ということは気にもとめません。まして学生がつくっていることなんて「すごい」とはなるかもしれませんが「だからプレイしよう」という思いにはならないかもしれません。企画の段階でもっとこのゲームの「面白さ」に目を向けていかなければいけなかったのです。

リリースしただけでは遊んでもらえない

悲しいかな。リリースしただけでは自分のゲームはダウンロードされません。自分のゲームを知ってもらう努力をしなければいけなかったのです。当時の自分はSpaceCombatに日本語・英語・中国語(簡体語)という言語設定をすることで一定のユーザーを獲得することができると踏んでいました。しかしもっと大事なのは言語の追加よりも、そもそもこのゲームを知って貰う機会を増やすということです。対戦機能を実装したというお話をしたと思うのですが世界の人とランダムマッチする仕組みを作ったところで遊べる相手がいなかったら意味がありません。まあ、技術的に自分が成長したことは大いにありましたが。

悔しかった一作目

上記を踏まえた次の作品を作りたいと感じたのはリリースした2日後でした。あまりに早い気がすると思うのですが、それだけ悔しかったのです。何より悔しかったのは「ダウンロードした人に申し訳なく感じた。」ことです。この世の中には素晴らしいゲームがいっぱいあります。その中で自分のゲームを選んでいただいたのに、こんな遊び方しか楽しんでもらえない。いっぱいのバグが有る。動画広告を見ていただいているのに、、、、。そもそもこれはゲームなのか?こういった感情をリリースしてからすぐ感じました。

ゲームを楽しんで作られている方がいらっしゃるということは存じておりますが、自分のゲーム制作の殆どはしんどい時間になっています。次の一作を作るとしたらまたそれを味わうことになりますが、そんなことより自分はこの悔しさをなんとか返してやろうと思ったのです。

「ステルスミッション 3D潜入アクション」企画

前置きが長くなりすぎました。

SpaceCombatの失敗を踏まえて、ステルスミッションを企画しました。大学2年生のことです。

まず、このゲームを企画する際に絶対考えなければいけない事がありました。もちろんこれから作るゲームの「面白さ」のことです。しかしこの「面白さ」を考えるというところでリリースするまでずっと悩まされることになりますが笑

まず、自分はゲームの「面白さ」がなにから起因するものなのかをいろいろ調べてみました。Google検索で調べてみるとゲーム業界のすごい方やプランナーの方、個人製作者の方がnoteで書いてくださったり、YouTubeで対談動画があったりと本当に勉強になりました。ありがとうございました。

その後、いろいろなゲームをプレイすることで自分の実感として何が面白いんだろうということを勉強しました。昔好きだったゲーム、昔はあまりはまらなかったゲーム、最近はやっているゲーム。自分はゲームは好きだったけれどゲーマーではないということを作っている最中に申し訳なく感じることがありましたがプレイを重ねていくことでなんとかその感情を克服したりしました。

しかし、理論を学んでも自分のゲームをいざ企画して見ると「で?」っていう感じで全然にアイデアが降ってきません笑 何日間もかけていろいろと考えた後、もともと好きだったステルスゲームを自分でも作ろうと思いました。このステルスゲームというジャンルは中学校の時にゲームにはまった要因で自分としても思い入れがありました。しかし、その「自分が好きだから」という思いだけでは結局「面白い」ことが何なのかに目を背けているだけだと感じた自分は、自分なりの面白さの核を3つ書き出すことで対処しました。

①敵に見つからないように進む緊張感

②アイテムをいつ、どう使うのかという戦略性

③オリジナルの重厚なストーリー

この3つを面白さの核として掲げることで、この3つだけは絶対にぶらさないようにしました。この3つをどう出したかは既存のステルスゲームをプレイしてその面白さをノートに書き出すことで共通する部分、そして自分が面白いと感じた部分を抽出したような感じです。

スマホでステルスゲームを

プラットフォームの選定ですがiOS、Androidで出すというのは割と早い段階で決めていました。PCやPS4でリリースするとなってもその市場には圧倒的なステルスゲームの王者たちがいます笑 まさに私が好きなゲーム達が。圧倒的なビジュアルクオリティ。重厚なストーリー。操作性の良さ。大企業や圧倒的な技術力を持っている方たちが出している市場の中に自分のゲームがポンとあったとしてもダウンロードはされないだろう。自分では勝てるはずがない。そう感じたのです。

ステルスミッションを出す2年前、AppStoreに「ステルスゲーム」と検索するとあまり自分の思っているステルスゲームが出ていなかったという状況でした。どっちかっていうとステルスゲームというよりFPSが出てきたり、スナイパーゲームが多く出てきた印象です。今では2D調のステルスゲームも出ているかと思いますが2年前はなかったと思いますし(?)、この市場に3Dの本格ステルスゲームを出したら目立つということは確信していました。

開発期間2年。あまりに長い開発期間の原因

ここまで聞くと順調というか、割とうまく行っているような雰囲気です。しかしゲーム開発は順調のままうまく行ってくれません泣

大学2年生で始まった開発は大学4年生まで続き、結果2年という開発期間を費やしました。その間、ゲームを作っていない日はありません。個人開発としては長い?ような印象を自分は持っているのですがその原因を述べていきたいと思います。

1.企画書の詰めが甘かった

題名のとおりです。企画書の詰めが甘かった。もっというと仕様書がかけていなかったというところです。ゲームを作る前に企画をしっかり考えなければいけない、と前の作品で思ったのにも関わらずまだまだ考えが甘かったという、、、、

ステルスミッションは個人制作なので使用させていただいた3DモデルやUI、アニメーションはAssetStoreなどから持ってきたのですがそれ以外のプログラム、シナリオ、ゲームデザインすべてを一人で行っていました。そのため「面白い」がなにかわからなくなってしまうことは多く、何がユーザーに刺さるのか。このゲームは何が面白いのかということが日に日にわからなくなってしまいます。チームでないためにだれかに相談ということもなかなか頻繁にできませんでした。

そのため仕様変更を何度も繰り返し、あーでもない、こーでもないと迷走してしまいました。ここで言いたいのは仕様変更が悪いというわけではありません。インディーゲームですので自分の好きなゲームの方向を目指して試行錯誤を重ねる事はいいことだと思うのですが、自分の場合はその変更の仕方が悪かったのです。

自分の場合、とりあえず作ってみて技術的に可能なのかを検証してから企画の詰めを行っていました。このやり方だとプログラミングの方に時間を圧倒的に取られてから企画を考えるので、あとの企画の段階で「ん?おもしろくないかもしれない」と思ってしまうとプログラムしたところを初めからやり直していました。この時間ロスはかなり痛手です。はじめから企画をしっかり考え、そのシステムは妥当なのか。そのシステムの面白さはどこにあるのか。それをしっかり考えてから技術的に可能なのかの検証を行えばもっと時間ロスを減らせたのではないかと思います。

またこの時に仕様書や詰められた企画書があれば、「面白さ」に迷った際にそれらを振り返ってみることで「うん。この面白さの軸を考えればこのシステムは必要だ」と確信を持ちながら開発をすすめることができます。企画書を書いているうちに、頭の中にあったシステムが面白くないことに気づいたりすることも多いです。自分もこれまで個人開発者だから頭の中に仕様書があるから大丈夫。思っていましたがこれからはしっかり詰めて書こうと思っています。

また、UIの位置や操作を文字やビジュアルで書き出すことでプログラムすることが浮き彫りになったり、スマホは基本2本指でプレイするから、、、と操作の幅まで決めることで頭の中にある仕様が現実的にできるのかを直視することができます。頭の中のゲームはいつだって素敵で、いつだって神ゲーですが、はたしてそれは実際に操作できるのか。ということを見ることでゲームシステム自体の見直しにも繋がります。

これに関連して、個人的にやってしまうことに気づきました。

あとに追加したゲームシステムのほうが既存のものよりも良く見えてしまう

このゲームは面白いのか?という自問自答を繰り返しながら、「いや、このゲームシステムにこれを足したらこのシステムの面白くないところをカバーできる!」と気づいた時、あとから作るシステムがどうしても面白く見えてしまいます。ここで言いたいのは自分の場合、前に作っていたシステムの面白さがそんなに良くなく、それカバーしようと新たな仕様を入れたのですが結局新しい仕様を入れたことによるゲーム内のちぐはぐが生まれたり、前のシステムの悪さをカバーできないということで前のゲームシステムを作り直すということが多かったです。

ステルスミッションでは最初ゲーム内のビジュアルが良くなく、ポストプロセスをかけてもうまくいかない、、、ここで悩んだ自分は思い切って三人称視点から一人称視点に切り替えたのです!ステルスゲームで一人称視点!?と思ったあなた、そのとおりです。ステルスゲームなら周りを見ながら状況判断をし、戦況を見極めながら進んでいきます。そのためにカメラは三人称のほうが周りの状況がわかりやすいのですが自分は安直に一人称視点に切り替えてしまいました。

なんなら「一人称視点のステルスゲームなんて新しいじゃないか!」なんて思って仕様変更に飛びついてしまいました。ユーザーのことをしっかり考え、ゲームができたあとのプレイ感を考えれば間違っていることはすぐわかったかもしれない。結果的には三人称視点から一人称視点、そこからまた三人称視点に切り替えることで膨大な時間を取ってしまいました。

2.技術的な障壁

これは単純にプログラミングを学ぶ時間といったところです。自分は新卒としてプログラマー入社するということから、例えばRPG Builderなどのあまりに素晴らしすぎてこれを使ったらもうプログラムしなくてもゲーム作れるんじゃね?というツールはプライドから使用できなかった、ということがあります笑

そのため、いちからゲームシステムを作り、参考書を広げ、、、などを繰り返す時間があったということも一つの要因だと思います。

3.アセット選定

アセット選定という時間は個人開発者なら莫大な時間がかかることはお分かりいただけると思います。無料で、そして商用利用できるもの、そしてクオリティの高いものを探していると選定に半日かかるときも多かったです。

また、このアセット選定で気をつけたいと思うことがありました。

アセットストアのセールに惑わされすぎるな

Unityを使っている方なら待ち遠しいアセットストアのセール。セールが終われば次のセール、と財布を空にしていくようなイベントですが、このセールによって少し開発が遅くなる時もありました。

どういうことか。

アセットストアはそれはもう素晴らしすぎるサービスです。AAA級のアセットが高くて買えない、、、そんな時に見るセールの画面。思わず飛びついてしまいます。買ったからには使わなきゃ。

いやいや買わなくても「このアセット使えたらあんなステージができて、あんなギミックができて、、、、」などと発想が膨らみます。しかし、いま一度考え直してほしいです。そのギミック、そのステージ。本当に必要でしょうか!笑

ゲームの規模的にそんなに大規模な町のアセットいるのか、モデルはいるのか。自問自答して買うことで、しっかり仕様を固めてから買うことで、そのアセットを最大限使うことができると思います。これは皆さんに言っているというより、セール画面を見ている自分自身に言っています笑

アセットを買ってから仕様を考え、プログラムを組み、その後「ん〜このギミック、このステージいるかなあ」なんて言ってその部分を白紙に戻す。そんな時間を省けたら、、、

アセットストアは発想力を掻き立てられる場所です。しかし、ゲームを作る前ならまだしも、作っている後半に惑わされることのないよう、最大限に活用していきましょう。

4.ゲームのテストプレイがおそすぎた

ゲームのテストプレイはある程度システムができてきた1年後に初めて行いました。ここでいうテストプレイは他の人にやってもらうという意味で、自分がプレイするということではありません。

開発をはじめて1年後に初めてテストプレイしてもらうなんて遅すぎるよと思うかもしれません。本当にそうです。この段階でもう3ステージ?くらい出来ていて詰めに入る段階でした。

テストプレイはこまめに頻度を多く、恐れずに

自分が今思えばはじめのテストプレイはもっとミニマムなシステムができてから行えばよかったと思います。開発者の自分のゲームプレイは誰よりも、うまいです。プレイヤーが何がわからないかが分からない。そんな状態で進めていてもユーザーの楽しさを自分で見つけることはできませんでした。

1ステージ、それも大雑把に作って、UIはしょぼくて、SE、BGMはついていない。でもゲームプレイがスタートからゴールまでできる。こんな状態で一回プレイしてもらえれば開発途中にマイルストーンを打て、確信を持って進めれていたかもしれません。

そして何より大事なのは恐れてはいけなかったということです。率直な意見を怖がったりしてはゲームは良くなりません。真摯に受け止めて改善するその勇気を出せたら、、、、!そして自分の場合、このアイデアを誰かに真似されたら!なんておもって開発の後半にテストプレイを始めてしまいました。実際に真似されるかどうかはわかりませんが、思い込みすぎていたのか、、、もっと早い段階で始めていれば、、、

「面白さ」がわからなくなる。

そして自分の目指す作品vs売れる作品

面白さ、、って一体何なんだろうとまだ考えています。おそらくこれはこれかもずっと考えていくものなんだと思います。本当に面白いのかというのはリリースしてからわかるものなのかもしれません。そしたら開発段階でどうやって見分けるのか。ましてや経験がない自分に。あーだこーだ考えてわからなくなる。なんでこんなしんどい思いしているんだろうと思ってしんどくなって作業が止まっていく。こんな日々の繰り返しでした。

インディーゲームなんだから自分が描くゲームをつくればいい!と始めてみてはいいものの、日にちが経てば、売れなければいけない!という思いにかられ、ある日また自分の描くゲームを目指す。自分の描くゲームって何だっけ?なんて思いながらまだ無名の何者でもない自分のゲームをプレイしてくれる人なんているんだろうか。なんておもってモチベーションが下がる。これが2年続きました。

なぜ2年もかけてリリースできたのか

この質問が一番この話をした時に聞かれるものです。なんでか。うーーん、わからないです笑 承認欲求と言ったらそれまで。楽しんでもらいたい。そういう思いももちろんありますが、なんというか2年間このゲームのことばっかりを考えて、朝起きたらステルスミッションのことを考え、寝る前も考え、紙で仕様を書いてはクシャクシャに丸める毎日を繰り返して、こんだけしんどい思いをしているのにリリースまでいかない。なんてことはありえない!という思いがあったのかもしれません。

感謝

リリース直前、バグ修正に追われている自分。本当に面白いんだろうか、これを世の中に出していいのだろうか。あのバグは取っていない。ステージはもうちょっと増やしたほうが。ここをもっとこうしたら、、、最後になってもずっと考え続けていてリリースするのをずっと迷っていました。

途中で「面白くない!」と開発をやめたくなった回数なんて数え切れません。

しかしそんな中でも「面白いよ」と言ってくれたり「ここ難しかったけどなんとかできた!」といってくれた方。この人達のおかげで私はリリースまで開発を続けることが出来ました。私の大切な人。友人。最後まで応援してくれた人がいたから続けられました。あなたたちが救いでした。

本当にありがとうございました。


最後は自分が電車の中でステルスミッションをプレイしていて「くそ〜!!失敗した〜!」と悔しがっていたら電車を降りることを忘れていたことがきっかけで、「このバージョンでもこんだけ遊べる」と思って、リリースに踏み切ることが出来ました。

ゲームをダウンロードしてもらうためにしたこと

これは初めに話していた改善点の2つ目になります。作っても、どんなすごいことをしてても知ってもらわなければ、、と思った自分はいろいろと自分なりに調べてみました。

個人開発者としてお金がない自分はプレスリリースを活用しました。実際にゲームレビューやゲーム紹介をしている会社さんのHPからプレスリリースメールをお送りしました。

いろんな方がこのnoteでもプレスリリースについて書いていらっしゃり、とても参考になりました。ありがとうございました。

本当に掲載されるのかなあ、と半信半疑の自分でしたがまさかまさかの殆どの会社さんが自分の記事を取り上げてくださいました!

4GamerさんやGameWithさんまで自分の記事を取り上げていただき、ここに記載した以外にも様々なゲーム情報サイトさんが取り上げてくださいました!もう、本当に本当に感謝です!

自分が友達やTwitterでダウンロードを呼びかけたり拡散を呼びかけたりして10日ぐらいで500ダウンロードぐらいだったのがゲーム紹介サイトさんにプレスリリースが乗ってから徐々にあがってきて、1000ダウンロード行くか行かないかぐらいで4GamerさんのHPにプレスリリースを載せていただき、どかーんと2000ダウンロードにたどり着きました。そこからはGameWithさん、アプリゲットさんなどいろんなサイトさんに乗せていただき、順調にダウンロードが増えていきました。

また、大手のゲーム紹介サイトさんに取り上げていただくと、メールをお送りしていなくても取り上げてくださるサイトさんが続き、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

ゲームタイトルをわかりやすくした

個人ゲーム制作者ならほぼ全員知っているのでは。とおもっている、ひろはすさん。YouTubeで個人のゲームを売るために。だったりとかストア画面を添削している企画だったりと勉強になることしかない方なのですが、この方の動画で「スマホゲームのタイトルの付け方」をお話している動画があり、ずばりタイトルはわかりやすく。ということをおっしゃっています。

ステルスミッション 3D潜入アクションという名前で今はリリースしていますがリリース直前までは「Hollow World」という名前でした。この名前には由来や思い入れはありましたが思い切ってわかり易い名前にしました。

きっかけはある技術イベントに参加した時、Hollow World(ステルスミッションの旧名)が賞を頂いたのですが、司会の方がHollow Worldという名前を読みにくそうにしているところを見て、「変えよう」と思い立つことができました。

スマホゲームのAppStoreで、例えば家計簿を探している人は検索窓に「家計簿」と入れると思います。しかし、ゲームを探していてステルスミッションを知らない人が「ステルスミッション」と自然に検索することはほぼ0に近いと思います。そのために自分のゲームを検索にヒットさせやすくするタイトルの付け方や、ストア画面の作り方。タグの設定はしっかり行っていきたいところです。

10000ダウンロードを超えた時思ったこと

目標にしていた(無理だと思っていた)10000ダウンロードを超えた時、想像していたのはやった〜!!!!って叫んで泣いて喜ぶ。みたいなものでした。

しかし実際は「よかった」とホッとしたことを覚えています。

これでよかったんだ。色んな人に認められたのかな。とホッとした。自分のゲーム面白かったのかもしれない。と胸をなでおろした、そんな感情でした。

リリース後に思うこと

様々な方がステルスミッションをプレイしてくださりました。本当に嬉しく、自分の人生で最も記憶に残る出来事の一つです。しかし、当然リリースしたあとこうしたら良かったことや、悩みは出てきます。

レビュー評価:星1

インディーゲーム開発者さんをフォローさせていただいた際にTLに頻繁に流れていた「無料ゲームに星1をつけるのはどうなのか」という議論。TLに活発に流れていた当時、自分はまだステルスミッションをリリースする前で「そんな事があるのか」と驚いていた反面、「星1をつけられるということは友達や関係者の人以外がダウンロードしてくれた。っていうことでもあるな」とおもってそんなに重く見ていませんでした。実際、SpaceCombatの星は5に近いですが、レビュー数は少なく、ほぼほぼ身内の人がレビューしてくれた結果だと思っています。

しかし、ステルスミッションがいろんな方にプレイしていただいた際、レビューで星1をつけられたときの虚しさ。悔しさ、、、、。どれほどの思いがあったでしょう。レビューを直視できなかった。「こんなクソゲーやらないほうがいい」。そんなことを書かれていたと思います。あまりの辛さに完全に覚えていませんがそんなことを書かれました。

メンタルがきつすぎる。ステルスミッションは2年間かけて作ったゲーム。しかもそれを完全無料で広告もなしにリリースしている。そんな中、こんなことを書かれたときの心境は開発者の方はわかってくださるかもしれません。

たった一つのレビューに負けるか!とバグを取って、新ステージも用意して。などと進めてアップデート。

そこに来る、また別の星1のレビュー。

しんどかったという思いが強かったです。アップデートをするのも馬鹿らしくなって、自分のお金儲けでもないのに頑張って、リリースして星1をつけられる悔しさを感じていつの日か、開発をやめてしまいました。

そんな中、自分を救ってくれたのもまたレビューでした。

「〇〇がこのゲームでは改善点。応援してます星5」

「ここのバグが酷い。改善してほしい星3」

どれだけこのレビューに救われたか。ステルスミッションにバグが有ることはわかっていました。自分の技量不足、設計ミスによるスパゲティコード。それらからくるバグは自分でもなかなか取ることができませんでした。そんな中もう一回頑張ろうと想ったのは、そんなステルスミッションに応援の声をかけてくれた方。レビューをくださった方です。

こういったレビューを書いてくださった方、この記事読んでいらっしゃるかなあ。届いてほしい。あなたのおかげで頑張れました。本当にありがとうございました。

完全無料。やっぱりちょっと収益化は必要か

上に述べたようにステルスミッションは完全無料で広告も載せていません。それは広告が入ることで下がるUXを思って、、、というのもありますが自分はこんなことを思っていました。

今作品で得た知見、そしてファン(?)を次のゲーム制作につなげていく

本当に売りたいゲームは次の作品で、次回作は有料で出す。その次回作につなげる導線としてステルスミッションを用意しているということです。そのためにちょっとでもCMは出さない。課金機能はこのゲームに合わない。などとプライドが入り込んで完全無料になりました。

自分が好きなゲームは広告が入らない。なんて言って誰からの広告をいれるというアドバイスを聞かずにリリースしました笑

でも今思えば、収益化はやったほうがよかったかなあとちょっぴり思ったりします。なんでかっていうと

アップデートのモチベーションになる

収益化というのはそのまんまモチベーションになります。お金があれば次の作品に投資できるし、これからのゲーム制作の資金になります。こんだけダウンロードされるんならCM入れたほうが次の作品に使えたのになあ、なんて思ったり。

メモリ不足、カクツキによるUXの低下

プレイしていただけるとわかりますが、かなりのメモリを使っています。対策として負荷処理はガッツリやりましたがそれでも及ばず、アップデートした際iPhone7の方でクラッシュがありました。ご不便をおかけしました。現在は修正されていると思います。

Androidでは解像度の問題でiPhoneよりも負荷がきつく、カクついたりしています。これに関しては自分がiPhoneユーザーでAndroidを買ってテストプレイしたのが開発後半だったということが原因でしょうか。どの企業さんのお話を聞いてもまずスペックを決めてAndroidの一番低スペック端末でテストする。というお話があったのに、私はなにをしていたのだろうか、、、。

このカクツキに関しては頑張っていますがiPhoneと違って様々な種類があるAndroidではなかなか追いつかず難しい現状となっています。そのためAndroidの方でレビューが、がくっと下がっているというのが見られます。(言語対応してくれというレビューも多いですが、これに関してはアップデートが入ります。)

というより、やっぱりプラットフォームを決めた際にできるゲームプレイを分析してステージを作っていかなければいけませんね。いくらきれいでもゲームが落ちたりカクついたら元も子もありません。スマホならこのスペックだからフィールドはこれぐらいだよね。だからこのサイズ感で一番楽しいゲームシステムを考えよう。という流れがいいのでしょうか。

それでもリリースしてよかった

ここまで読むとゲーム制作しんどそう。とこれからゲーム制作を始める方に思わせてしまうかもしれません笑

こんなにしんどかったことをつらつらと書いて言うのもあれですが

「リリースして、作って、よかったです」

いろんな方がプレイしてくださる嬉しさ。YouTubeで実況の方がプレイしているのを見て「これ自分が作ったゲームなのか。」と思ったりします笑

自分の作品をプレイして楽しいです。ってメールが来たりとかダウンロードしたよって教えてくれる友達がいたりとか、お金じゃない嬉しさがあります。自分が作ったコンテンツで喜んでくれている人がいる。と感じれることは人生で何回あるかわかりません。そういったものを自分の手で作れたことが嬉しいです。

これからのお話

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。拙く長い文章でしたが読んで頂き大変光栄です。

現在自分は次回作のゲームを製作中です。

ゲームをリリースしてちょっと一休みしたいと思っていたのに、リリースしたらまた次のゲームの企画を書いています笑 病気ですね笑

次のゲームはステルスミッションの反省を活かしながらもっと面白いものを作りたいと思います。先程も申しましたが次のゲームは有料です。しかし、それに見合ったゲームを出したいと思います。しかもプラットフォームはスマホではなくPC、もしできたらSwitchでも。

私のことですからリリースまでに年単位の月日がかかると思いますががんばりますので応援いただければ幸いです。

直近ではゲームクリエイターズラボさんに応募させていただき、予備選考を通過しました。これに関しましても応援していただければ幸いです。

最後に

最後になりましたが、もしよかったらステルスミッション 3D潜入アクションゲームをお楽しみください。

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Twitterでも新作ゲームの進捗やステルスミッションのアップデート告知もしています。気軽にフォローしていただければと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。これからも死ぬ気でゲームを作っていきたいと思いますし、会社に所属しても個人でのゲームを出せればな、と思っています。

応援よろしくお願いいたします。

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