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果物だよりと父の愛

初夏と冬、年に2回実家がある青森から果物が届く。
地元でとれたさくらんぼとりんごだ。

一人暮らしを始めてからだからもうかれこれ6.7年くらいだろうか。
さくらんぼは南部町産で酸味が少なくとても甘い、大粒の佐藤錦。
りんごはJAつがるのさんふじと、年によっては王林が入っている時もある。青森のりんごは蜜がたくさん入っていてジューシーでとても美味しい。過去に一度、興味本位でスーパーで買って食べてみたりんごは、私が幼少期から食べてきたそれとはほぼ別物のような味がして、以来りんごは地元産しか信用していない。(きっと地元愛が強すぎるのよね)海も陸も、自然豊かな青森の食べ物は平均値が総じて高いと思う。

さくらんぼもりんごも、国宝級の果物達を送ってくれるのは父だ。
仕事の合間を縫ってわざわざ信用のおけるところから買ってきてくれて、それを娘の私に送ってくる。ある日突然、「さくらんぼ送ったから」と簡素なメッセージだけが入ってきて、今年も夏が始まるな、と思うのと同時に、深くは追求しないながらも気に掛けてくれている想いが伝わる。

送られてきたさくらんぼには何も書かれていないけど、まるで「ちゃんと元気でやってるか。ご飯はしっかり食べろよ」と言われてるようだ。
とても優しい人だと思う。
こんな父を持てたことが誇りだ。

週末にでも電話かけようか、と考えながら冷えたさくらんぼを摘むのである。

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