見出し画像

リモートの相手が粗品に似てた日

夜中にNHKで流れる動物番組のアーカイブを見るのが堪らなく好きだ。理由はいくつかあるが、シンプルに珍しい野生動物の生々しい生態が興味深い。昔の再放送だからか懐かしい感じがしてほっとする。テレビの中で動物を飼ってるみたいでおもしろいなど。
水槽の中で熱帯魚が泳ぐ映像がひたすら流れる番組があるがあれの動物バージョンのようなイメージだ。というかこの感覚は動物番組に限らずドラマやお笑い番組、スポーツ、ドキュメンタリー、ニュース番組など人間を主役にした番組でも同じだ。
テレビを付けている間、僕は水槽の中を泳ぎ回る熱帯魚を愛でるように人間を飼っている。さすがに画面に向かって話しかけたりはしないが中で行われている行為に対して感心したり笑ったり、悲しくなったりする。
テレビが消えると中にいる人間は沈黙する。そのまま放っておいたら眠りについてしまうだろう。メジャーリーガーも高校球児もニュースキャスター、コメンテーター、街頭インタビュイー、若手俳優、漫才師、落語家、政治家、みんな一様に四角い箱の底にへたり込むだろう。
僕はそんな光景を想像しながら部屋の電気を消してやがて彼らと同じように深い眠りにつくのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?