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米とそば麦のパン

最近、小麦アレルギーを患う人が増えてきたのか、
グルテンフリーの米粉を使ったクレープや、パンの話をよく目にしたり、聞いたりする。

自分でもやってみようかと思っていたが、インドの長粒米は日本の米のように粘りがない。
パサパサしていて、パンのように膨らむのだろうかと疑問に思っていた。

一方で、南インドのイドリやドーサのように、米で作る蒸しパンや薄いクレープ、ホットケーキ状のものもある。
米でできていると聞いてはいるものの、
『本当に米が姿を変えて、気泡の入ったイドリなどになるのだろうか?』と、こちらも不思議に思っていた。

今回は数日前に米を頂き、更にそば麦も別の方から頂いたので、
『そばが混ざればパンの生地のように気泡を保ったまま上手く膨らむのではないか』と、何の後ろ盾も無い希望を持ってパンを作ってみることにした。

作り方は動画やSNSのうろ覚えで、非常にアバウトであった。

先ず、昨夜そば麦と米を合わせて1カップ強、洗って水に浸けておいた。
アバウトさは、最初計った穀物の量では少ないかと思って、1カップ洗った後で更に米を足してまた洗う、という工程にも現れている。

一晩水に浸けて、翌朝水を切り、
水を吸って膨らんだ米とそば麦をミキサーに入れる。

斜めにしたら水が少し見えるくらいに水を入れ、ミキサーにかける。
インドのミキサーは力強いので、少しくらい水が少なくとも止まることはない。

もともと米も脆いし、更に一晩も水につけてあったので、
米もそば麦も結構簡単に攪拌されて、白いゆるめのクリーム状になる。

その中に、イースト:中スプーン1杯、黒砂糖:中スプーン2杯強、塩:小さじ半分くらい、ごま油:中スプーン1杯くらい入れて少し匙で混ぜ、
その後ミキサーで1~2分攪拌する。

出来上がりは、ホットケーキ生地ぐらいの硬さになる。

それを別の容器に移し、20℃以上の場所に置いておくと、だんだん発酵して膨らんでくる。
生地の底からプクプクと小さな気泡が上がってくると、何だか可愛らしくて、とても嬉しい。

というのも、今回使ったドライイーストは、10年以上前に買って冷蔵庫の隅でずっと冬眠していたものである。
永久凍土の中から発見されたハスの種が発芽し、花をつけるようなイメージで、
『おお、まだ生きてたのか』
と、追加の驚きと喜びを味わわせてくれた。

10分ごとに覗きに行っては嬉しい気持ちを味わっていたのだが、
ついに仕事を始める時刻になってしまった。

仕事が一段落してどうなっているかと見に行ってみると、
膨らんでいた部分がぺシャンとつぶれて、絶好調を見逃したことに気付いた。
残念であった。

それでも発酵は完了しているのだろうと判断して、
一部はチャパティ・パンで焼いてみた。
(チャパティ・パン:インドの非常にシンプルなパン、チャパティを焼く丸い鉄板。フライパンの親戚。)

残りは電気釜にお湯を張って、蒸しパンのように蒸した。
オーブンがあれば、そちらで焼いた方が美味しかっただろうと思う。

驚くべきことに(当たり前かもしれないが)、パンはちゃんと膨らんだ。
モチモチはしているものの、パンの食感も本当にある。

気になるお味であるが、
これは確かに美味しい。

小麦粉のパンの味とは別であるものの、
ご飯がパンの食感を持っているような味ではない。
ハッキリした酵母の味はないけれど、小麦粉の味でもなく、
白っぽいクセの無い味をしている。
今回はそば麦が入っていたので、ほのかに納豆に似たそばの香りもする。

南インドの米蒸しパン、イドリはイーストが入っていないのだそうだ。
石のすり鉢でゴロゴロ丁寧に米を潰し、しばらくそのまま置いておくと発酵するらしい。
そういえば、僅かにすっぱいような気がする。

今回の米とそば麦のパンはすっぱさも無く、黒砂糖が多かったせいか少し甘い。
初回にしては上手くいったと、
ビギナーズラックにホクホクしている筆者である。

お腹も空いていたので、1人で全部食べてしまった。


DECHEN
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