法学ラウンジ Day 15
こんばんは。今回は2020年の予備試験憲法の研究答案とその振り返りをザっとやってみようと思う。
きっかけはやはりR4予備試験の問題や同年度以降の司法試験の問題が表現自由という典型的な自由権の出題をしなくなってるということ。どうにも予備校の答案なるものを潰しているのか、将又判例をちゃんと読んで理解しろ、ということなのか、どういう目的狙いが司法試験委員会にあるのかは色々考えられるのだろうが、いずれにせよ、確実にモデル判例から出発させること、判例が考慮した事情や事案の内容をしっかり想起させることを明示的に求める問題へ移行しつつあるように感じている。ただ、表現の自由だと、おそらく自己実現や自己統治をプログラム的に出す一方で、モデルとなった判例との比較をしない答案が続出してしまう虞があるのと、花形人権ばっかじゃなくて憲法としか出題範囲分かってないんだから全分野しっかりやれや、演習の量で誤魔化せばよいのではなく網羅的に学習してきやがれ、という怒りをこめているのかな、と勝手に妄想というか憶測というかそういった生得領域内での思考を試みているところではある。
そういうかんじであるなら、現在ある少しマイナーと思われる人権を出しまくる、という傾向を終えた先のことも少しは想定しておくのは面白くないわけではないのかもしれない。表現の自由がいずれまた出題されるなんてことはないわけで、そうなったときに果たして自己実現/自己統治、とか書いたり、何も考えずに重要性と規制態様を漫然と審査してしまうという事態が受験生の中で一人二人いてもおかしくはなく、それは去年からの新時代の幕開け的な奴と少々合わない気もする。おそらく今後では憲法に関しては予備校の指導方法も変わってくるというか変えざるを得ないのではないかとか勝手に思い込んでるんだけど。てか個人的には大島先生と伊藤建先生がコラボして独壇場、なんてのも十分あり得そうな未来なんだがそんなことは一旦置いておこうかw
まぁグダグダ喋りやがってさっさと終わらせろ、というもう一人の俺もいるので茶番なる茶番的サムシングはここらにして。
ここ数年の傾向からしてモデル判例を想起してその事案との違いを比較して違憲審査基準を立てなさい、ということが求められている気がしたから今回その研究として2020を実験として扱ったということ。だから研究答案と名付けたわけ。
本問はかれこれ6回くらい問題読んであれこれ考えてみたことある問題なんで愛着あると言えばあるかな。
上記が研究答案の写真。
恐らく出題趣旨では全く触れられてなかったけれど、本問の基幹判例は北方ジャーナル事件。勿論、取材の自由が表向きには問題となってるから博多駅事件が問題になるのはそりゃそうなんだけど、それはあくまで保障段階でメインとなる判例に過ぎないのかなって。
蔑ろにするわけではないけれど、憲法答案で一番重視されるのって違憲審査基準の定立と当てはめの2つだと思っててそこをどうするか、なんだろうけど、
・基準→北方ジャーナル事件
・あてはめ→囚われの聴衆判例?
の2つがそれぞれあるのかな、と考えてメインは北方ジャーナル事件だろうと考察。公共の利害に関する事実については多くの判例があるけど、極めつけは逆転事件か。まぁ世間一般の正当な関心事に当たるということから公共の利害に関する事実にあたるっぽいな、というのを想定。この想定はあながち間違いじゃないのかもしれない
参考までに次の記事をどうぞ。
令和2年憲法再現、なんかをキーワードに掛けて偶々見つけた。
あとはあれだ。北方ジャーナル事件だけじゃなくて、取材が報道のための手段/前提行為として考えることになれば、屋外広告物条例判決の伊藤裁判官補足意見も使えるかもしれないな。当該方法であることに意義があったり、代替手段が事実上ないような場合とかに規制態様の重さを主張することは出来るかもな。
さて、こんな感じで研究してみてはいるんだけど、本番では何回も考えて書き直しなんてことが出来るわけじゃないから、問題文のキーワード見た瞬間にモデル判例をいくつか想起できるようにしとかないといけないっぽいんだが、これをどうするか…
ここは演習量でカバーするのかそれとも、判例同士の相互関係や事案の相違をより立体化して押さえることで代替するのか…
まぁここは事例研究憲法とかもあるしいろいろやってみてアウトプットの経験値は積んでおいた方が良いのだろう。
ただ、法律基本7科目+経済法+実務基礎あるから憲法ばかりやってるわけにはいかないんだけれど。