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年々短くなる『滞在時間』

年々、滞在時間が短くなっているように思う
場所やスポットでの滞在時間ではなく
ものごとに対する、ものごとに費やす「滞在時間」

ひとつのものごとに対しじっくり見つめたり
これってどういう事?調べよう、や
どうして作られているのだろう、や
これをこうしたら別の事に活かせるかも、など

子供の頃若い頃は
ひとつのものごとに向き合う時間が多かったから
そうやってあれこれ考えたり
アイディアを巡らせたりしていたと思う

高校生までは漫画や詩を書いていたというのもあるけど
あれこれぐだぐだ考えていたし
だから本来の使い方以外の方法を思いついて試したり
ちょっとこれやってみよう…というその先の動きもしていた
それに、標語や採用されたり、自分的ナイスアイディア!な
ひらめきもよくあって、アホなりによく頭を使っていたと思う

例えば手ぬぐいがあって
ただ手ぬぐいとして使う以外に何かできるかな、と考え
東袋を手縫いで何枚も作ってみたりとか

それが今は時間がない、めんどくさいなど理由をつけて
買い求めることがほとんどになってしまった
何でも買える時代だし、買えば経済が動くから悪いわけではないけど
ふと、ひとつのものごとにかける時間が減っているなぁと思い始めた

大人になればなるほどしなければいけない事が増え
こういう時代なので時間や情報があっという間に流れ
それについていくので精一杯になってしまっている

だけど子供の頃のように、じっくり腰を据えて見つめて
あーでもないこーでもないと考える時間も大事にしなければ
感性がセンスが思考が退化してしまうだろう

それでなくても加齢による老化が始まっているのだから
今まで以上危機感を持ち、ひとつのものごとへの「滞在時間」を
長く持つようにし、大事にしなければと思う

それは今年のテーマ「余白」にもつながる事でとてもシンプル
行き急ぐ事をやめて、ひとつのことにじっくり滞在し
「滞在時間」を長くする努力をしよう

そこから得られるインスピレーション、考え、ひらめきを
もっと深く大事にしよう
まだまだ魅力的なもの、自分の中から生まれるはず、と信じて

*文中イラストは、黒川ツナコさんの個展のもの
(撮影許可いただいております)

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