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イラストを楽しく描けない。そんな時はどうすれば?

「イラストは楽しく描こう」
プロのイラストレーターのSNSや教本を眺めていると、こういう言葉を聞いたことはありませんか?
自分はこれをよく目にするのですが、正直見る度に冷めた気持ちになっていました。

「描くのが楽しいって、そりゃ人気もあるし収入も安定してる身なら楽しいでしょうよ」
「こちとら苦労して描いたイラストを投稿しても全然反応貰えないし、一個も楽しくないんだわ」
「自分の才能をひけらかしてるんか?」
「所詮は成功してる人間の自慢話だべ」

…去年思うようにイラストが描けない時期があり、心がすさんでいた頃の正直な感想です。
この通り、本音です(
不快に思われる方がいるかもしれませんが、あえて書きました。こういう悩みはリアルでもSNSでも言い辛いと思うので。

それから少し落ち着いた頃、ふと考えてみました。楽しく描くことができる理由は、人によって違うんじゃないか?と。
つい「楽しく描く」と一言にまとめがちですが、楽しく描ける理由はその人の経験によって千差万別で、むしろ世の中で全く同じ楽しみ方ができる人はまずいないんじゃないかと思いました。

その上で出た結論が「自分なりの楽しみ方を見つける」です。
楽しむことができる理由は細分化していくと非常に複雑で、その種類も様々です。いくつかの理由が合わさることで「楽しい」という気持ちに繋がると考えました。
なので今回は、自分の思いつく限りの絵描きの楽しみ方を並べてみます。描くのが楽しくない方の、なんらかのヒントになれば幸いです。


①イラストを描くのが楽しい

描くことそのものが楽しいタイプ。「イラストは楽しく描こう」と聞くと、真っ先に思いつくのがこれではないでしょうか。
一概に「描く」といっても、その内容は結構細かいです。絵を描く時に身体を動かすのが楽しい、思い通りの線を引けるのが楽しい、絵がどんどん完成していく様子を見るのが楽しい…等々。子どもの頃からずっと絵を描いてきた人に当てはまりやすいタイプだと思います。
●オススメ?…まず第一に、絵描きを習慣化する必要があります。「暇だしとりあえずゲームでもするか…」のように「暇だしとりあえず絵でも描くか…」って思える人は、習慣化ができていると言えます。要は行動に移すまでの心理的ハードルが低いかどうかですね。ちなみに自分は習慣化が安定するまで丸3年かかったので、これからお絵描きを始める完全初心者の方にはハードルが高い楽しみ方かも。
ただ、一度習慣化ができてしまえば描くことへの心理的ハードルが劇的に下がり、作業効率が桁違いにアップするので、将来的にはできるようになりたい楽しみ方ではあります。

②描いたイラストを見せるのが楽しい・人に喜んで貰えるのが楽しい

リアクションを貰えるのが楽しいタイプ。
過去に誰かへイラストを描いてあげて、凄く喜んでもらえた経験があるとこれを楽しみにしやすいと思われます。幼少期にラクガキを家族に見せて喜んでもらえた記憶なんかも、強いモチベになりそう。
●オススメ?…他人からのリアクションで承認欲求を満たすタイプになります。理解のある家族や友達がいるならまだしも、ネット上の見知らぬ人に喜んでもらうには相応の画力が求められるので、少しハードルが高いです。また、モチベーションを他人に依存する形になるので、リアクションが薄かったりなかったりするとやる気が無くなるリスクも考えられます。総じて、完全初心者にはおすすめしにくいかも。
ただ、他人の希望どおりにイラストを描けるようになると、コミッションサービスの「Skeb」や「SKIMA」が使えるようになります。特にSkebはやりとりがほとんど無い上、喜んで貰えればブーストでメッセージをいただける可能性もあるので、承認欲求を満たしつつ収入を得ることができます。また、依頼どおりにイラストを描く力は将来仕事で描くとなった時にも役立つので、将来性のある楽しみ方と言えるでしょう。

③モチーフを観察するのが楽しい

文字通り、観察することに楽しみを見出すタイプ。
自分が今回の一覧で最も当てはまる楽しみ方がこれです。モチーフをじっと観察して、新たな発見が得られたときや、理解が進んだ瞬間に楽しみを見出すタイプです。
●オススメ?…小さい頃、空を流れる雲や小さい昆虫をずーっと眺めてた経験はありませんか?その経験がある人は、この楽しみ方が向いているかもしれません。かくいう自分も、アリの群れや水の流れを飽きずにずーっと眺めてたタイプです(
ただ、観察が楽しいから楽しく描けるかとなるとそれは別の話になるので、最初の頃は「観察は楽しい!けど見た通りに描けないから描くのは辛い…」となるかも。
それでも個人的にはオススメできる楽しみ方です。他人に左右されるリスクもないし、楽しんだ分はそのまま自分の力になる。資料を効率的に使うことができるほか、必要となる前提条件もほとんどありません。総じて、大人になってから絵を描き始めたい人には丁度いい、ハードル低めな楽しみ方です。

④自分だけのイメージを表現できるのが楽しい

ノートに自分だけの独自設定を楽しんでまとめちゃうタイプ。
皆さんも学生時代にやったりしませんでしたか?自分はやりました。今では黒歴史です(
●オススメ?…そもそも出来る人は言われる前から既に始めていると思います。内から湧き出すイメージを描き起こすので、何を描けばいいのか悩む人には不向きかも。
自分だけの物語を作るのが楽しい人や、数字や他人の評価に興味がない人は向いていると思います。もしもネットに公開してヒットすれば、唯一無二のクリエイターになれる可能性も。自分だけの世界を追求し続けたい人にはオススメの楽しみ方です。

⑤実績が得られるのが楽しい

「富・名声・力」の「名声」。実績や何らかの賞を受賞することに楽しみを見出すタイプ。
作品のスタッフロールに自分の名前が載ることに誇りを感じる人もこのタイプですね。
●オススメ?…大会やコンテストで賞が貰えるほどとなると、相当の画力は必須です。少なくとも、初心者のうちに目指す楽しみ方にとしては不適かも。「将来はプロ野球選手になる!」と同じ感じで、長期的な目標としてはいいですね。
熟練者向けの楽しみ方と言えるでしょう。

⑥「いいね」が貰えるのが楽しい

反応を貰えることが楽しいタイプ。「②描いたイラストを見せるのが楽しい」タイプも承認欲求が基になっていますが、こちらは数字に重きを置いています。
●オススメ?…承認欲求は誰にでもあるので、無意識にこの楽しみ方を目的にしやすいです。初めのうちはいいけども、苦労して描いたイラストに大した反応が無いとかなり凹んでしまうかも。また、Twitter(現在はX)でシャドウバンされると露骨に反応が減るほか、ユーザーは上手いイラストを沢山見ていて目が肥えているので、最初の下手な時期は全く反応が貰えないケースもザラにあります。有名イラストレーターのようにちやほやされたくて始めたものの、何年苦労しても反応が貰えず自然消滅 or いつの間にかAI絵師に…どこかで聞いたことのある話ではないでしょうか。総じて、他人やプラットフォームに左右されやすい楽しみ方と言えます。
ただ、どうすればより反応を貰えるのか調べるクセがつくと、マーケットを調査する力が身につき、ユーザーの需要に合わせた絵作りができるという独自の強みもあります。他人の需要に合わせられるという点では、絵描きを仕事にしたい人には向いているかもしれません。

⑦収入を貰えるのが楽しい

収入を得る手段としてイラストを描くタイプ。
●オススメ?…収入を得ることが主目的なので、肝心の収入が手に入らないとかなり厳しい。イラスト界は実力至上主義で、下手くそなイラストには一銭も落とされないのが現実です。自分は最低限の食費を賄えるようになるまで、完全初心者として始めてから丸3年かかりました。正直この楽しみ方は、短期的に稼げない焦りからAIに手を出して、AIで生成したイラストを「自分で描きました」と公言してしまうリスクも考えられるので、あまりオススメはできません。
※社会は「信用」で回っています。仮に将来イラストレーターを目指しているとして、一度でも嘘をつくと絵描き以前に人として信用されなくなるので要注意。個人的には、趣味でAIを使う分には別にいいと思ってます(元データのいざこざはありますが)。

・まとめ

以上、自分が思いつく絵描きの楽しみ方はこんな感じです。
結局どの楽しみ方がオススメなん?と聞かれたら……正直どれでもいいです。
「い~や、他人に左右されてもいいから自分は承認欲求のためにイラストを描く」でも「今は何も楽しくないけど、将来絵描きで生計が立てられるように頑張る」でも、何でもいいんです。

色々話してきましたが、ぶっちゃけ楽しくなくてもイラストは描いていいと思ってます。自分も絵描きを始めて2年間はずっと辛かったですが、それでもイラストを描き続けました。
楽しくなくてもイラストは描いていいんです。
自由にやりましょう。他人にやり方を縛られる道理なんてありません。
あなたが見つけた楽しみ方で絵描きと付き合っていった方が、よっぽど長続きします。

もしどこかで自分なりの楽しみ方が見つかったとき、もし良ければコメントで教えてもらえると嬉しいです!
私の知見が広がるほか、多くの悩む方々の参考にもなりますので、よろしくお願いします。

この記事は以上になります。
もし良ければスキ!やフォローをしてもらえると、モチベに繋がるので是非お願いします🙇
ではまた、別の記事で…₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾

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