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原発処理水の海洋放出

福島第一原発の処理水を海洋放出することの理由、危険性についてまとめました。

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海洋放出計画の概要

2021年4月13日、日本政府が福島第一原発から排出されている処理済みの汚染水を福島県沖の太平洋に放出する計画を承認した。

これは原発の核燃料を冷却するために使われている水で、100万トンにも及ぶ。放出は2年後の2023年から始まり、完了までには数十年がかかる。

どうして海洋放出に踏み切るのか

処理水の保管用タンクが満杯になり、新たに設置する土地が底をついているから。

現在130万トンの水が保存されており、2022年には今あるタンクがすべて埋まってしまう。

どうして処理水がこんなに大量にあるのか

溶けた核燃料を冷却するのに、毎日200トンの水が必要。また、山側から流れ込んでくる地下水も放射線で汚染されている。

処理水(汚染水をろ過したもの)

汚染水→処理水1(放射性セシウムのみ除去)→処理水2(ALPS処理により62種類の放射線量を大幅に低下したもの)→処理水3(有害放射性物質が環境処理可能な水準まで除去されたもの)

三段階の処理を経て、放射線を取り除いて、100倍以上に希釈した処理水が海洋放出される。ここで、放出する予定の処理水3に危険物「トリチウム」が含まれていることが問題である。

ちなみに、2018年の段階では処理水89万トンのうち75万トンには基準値をこえた放射性核が検出され、トリチウム以外の放射線は確実に取り除けているのかという問題もある。

トリチウムとは

水素の一種。通常の水素は陽子が一つだが、トリチウム(三重水素)は陽子一つ、中性子二つの原子核を持っている。不安定な物質で、ヘリウムに変化するときに放射線を発生させる。

天然のトリチウムは10㎝×10㎝で一秒間に20個ほど発生している。ろ過によって取り除くことは不可能。

アンケート結果

福島県民世論調査によると、処理水の海洋放出賛成は30.3%(前回より13.2%高い)、反対は38.4%(前回より15.4%低い)となっている。

安全確認

海水のモニタリングや農水産業の風評被害対策を行う。東電が風評被害の実態に合った賠償を行うこと、風評被害対策などの関係閣僚会議を設置することが決定している。

反対派

地元の漁業団体。中国や韓国。環境保護団体。

海洋放出をする福島県沖で海産物が売れなくなることが懸念されている。

トリチウム分離技術は実用化されていないが、トリチウムの分離は実際にアメリカなどで行われている。トリチウム分離に関して検討すべきである。

賛成派

日本政府。国際原子力機構。

処理水は安全で、海洋放出に問題はない。各国の原発でも海洋放出は行われている。

原発処理水の海洋放出

最も多いのはイギリス、セラフィールド再処理施設で2015年に1540兆Bqのトリチウムを海洋放出している。現在福島第一原発のタンクには全部で1000兆Bqのトリチウムが保管されているため、国際的にはそこまで多くのトリチウムがあるという訳ではない。

他にも、フランス、ドイツ、台湾、カナダ、アメリカなどでトリチウムの海洋放出は行われている。

感想、意見

トリチウムは天然にも多く存在する物質だと分かったので、正しく恐れるのが大切だと思った。処理水をためておくタンクを作るのに税金を使うのであれば少しずつでも海洋放出していった方が将来的にもよい選択だ。今までどれくらいの風評被害が福島県にあったのか分からないが、風評被害を抑える対策を徹底的に行っていけばよい。

参考にしたサイト


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