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ハギワラシンジ
2021年6月18日 21:24
硝子は歩いて地面を啄む。せっかく夜が編み込まれた翼があるのに羽ばたかない。 僕は家から帰ったあとに散歩に出かけるのだが、彼女はいつも散歩先にいる。「なんで飛んで餌を取りに行かないの」 と僕が言うと硝子はつん、と済まして言う。「私の翼は虫けらを啄むためにあるんじゃなイ」 おお、なんて盛大な自尊心だ、と僕は思う。その時はそのままその場を後にした。 次の日も彼女はそこにいた。てくてくと歩いて
2021年6月14日 17:14
お母さんと話したあと、彼が石だったのに気付いて、呆然としたわたしはコーヒーも飲めなくなって。 だんだん開きっぱなしの扉の気分になったからさぁ。だめだ。 気付いたらこうして彼とはおさらばして、ずっと考えてて、でも駄目。だめ……。しばらく経って、うーん、別つ。 ずっと屈んで腰がいたいよ。大腿骨が一番太かった。「じゃあ一つずつ、こう考えていきましょう?」 あんだれぱっ、と鳴く妖精さん。とうと