「首尾一貫性」にこだわる (2022/9/12)
記事の長さはおよそ1,100文字。2〜3分程度で読めます。
こんなふうに考えた
政府が9日に物価高への追加対策を決めました。
追加した物価高対策の主なポイント
新型コロナウイルス対策と合わせて3兆円半ばの予備費支出。
低所得世帯に5万円給付。
ガソリン価格抑制の補助金を年末まで継続。
地方創生臨時交付金を6000億円増額。
輸入小麦の売渡価格を10月以降も据え置き。
畜産農家が払う飼料代を12月まで維持。
急激な物価高で困っている人への対策が必要なことは理解できますが、
対策の「有効性」や他の政策との「首尾一貫性」に疑問を感じますね。
低所得世帯への5万円給付
給付対象の「低所得世帯」とは、住民税が非課税の世帯です。
(給与収入が100万円以下、合計所得金額45万円以下)
2022/9/10付の日経新聞社説によると、
日本全体で約1600万世帯。
全世帯の4分の1程度で、
約7割が高齢者世帯なのだそうです。
住民税非課税の低所得世帯と聞くと、
生活に困っている印象を受けますが、
多くが高齢者世帯であれば、
所得は少ないもののある程度の資産があり、
生活に困るほどではない世帯も多い可能性があります。
ガソリン補助金
「毎月3000億円余りを投入し、本来1㍑200円を超えていた価格を170円程度に抑制してきた」
と首相は強調されたそうです。
需要と供給の基本的な関係からすれば、
価格が上がれば需要は低くなり、
価格が下がれば需要は高くなります。
今回の政策によって価格上昇が抑制され、
ガソリン需要の低下が限定的になるのは、
温暖化対策やCO2削減の政策と相容れない
のではないでしょうか。
輸入小麦価格据え置き
小麦の価格が上がれば小麦を使って作っている製品、
たとえばパンの値段が上がります。
パンの値段が上がれば、
代わりにお米を食べようと考える人が増えるかもしれません。
そうすれば国内で生産される米の消費拡大にもつながる
のではないでしょうか。
物価高対策
そもそも「デフレ脱却」、「2%のインフレ目標」を目指して、
日銀がずっと異次元緩和を続けています。
各国が金融引き締めに動いているなかでも緩和策を続けているため、
急激な円安を招き、さらなる輸入物価の上昇を招いています。
物価高を促進する政策をとりながら、
同時に抑制する政策も取っているように見えますね。
国の政策に限らず企業の戦略を考えるときにも、
目の前の事象への対策に目を奪われるのではなく、
戦略全体の「整合性」や「首尾一貫性」にはこだわりたいですね。
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。