「会社が家族」でなくなる日 (2022/9/16)
記事の長さはおよそ1,100文字。2〜3分程度で読めます。
こんなふうに考えた
記事の概要
サントリーホールディングスが、
地方自治体への社員の出向をはじめています。
制度の仕組み
・対象者:年齢が45歳以上の希望者
・期間:原則2〜3年
・賃金:自治体が負担(差額をサントリーが補填し水準を維持)
・利点:
・サントリー:ESG関連等公益的視点の吸収
中高年社員のキャリア選択肢の拡大
・地方自治体:広報、マーケなどの専門知識の吸収
職員の意識改革への期待
これまでに9人が出向し、成功例も出始めていることから、
今後は年間20人程度に増やしたい考えだそうです。
従来から自治体での民間人材の受け入れニーズは高かったものの、
民間企業側に社員を送り出すメリットがなかったため、
進んでいませんでした。
ところが近年、SGDsなどの要素を取り入れる企業が増えたことで、
自治体がもつESGs関連のノウハウへのニーズが高まり、
出向が具体化したという背景があるようです。
民間企業だけでなく政府でも、総務省や内閣府が制度を作って
民間人材の自治体への紹介を進めています。
私の考え
7/7の投稿「『会社は家族』ではない」で、
堺屋太一さんの著書『組織の盛衰』を引用して
こんなお話しをしました。
組織には2種類ある。
・「共同体」
・目的:構成員の満足追求
・理想:終身、安住、内的評価
・「機能体」
・目的:外的な目的達成
・理想:最小の負担で目的達成
本来、企業は後者ですが、
日本では前者の要素が強くなりすぎたことが、
企業競争力を弱めた大きな原因のひとつかもしれない。
自分を必要としてくれる場所があったとしても、
転職するのではなく出向する。
終身、安住を理想とする「共同体」の意識が強いんですかね。
7/7投稿へのリンク:
私は適材適所で人材が流動化することが、
各組織のみならず国の活性化にとっても不可欠と考えています。
そのためには、意識面と制度面での改革が必要だと考えます。
意識面:「会社は家族(共同体)ではない」ことを自覚する
制度面:組織間の賃金格差を少なくしていく
今回の記事で紹介されている制度では、
出向者の給料の不足分は出向元か国が補填しています。
同じ仕事をするのに給料が下がるのであれば、
いくら生活費が安くなるといっても、
地方の自治体に転職しようと考える人は少ないでしょうね。
人材の流動性を高めるためには、
所属する組織ではなく、組織内で担う役割によって
賃金が変わるようにする必要があります。
実現のハードルはかなり高そうです。
「会社が家族」でなくなるまでには、
もう少し時間がかかりそうです。
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。