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「聞く」のは難しい!

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「聞く」の重要性


「聞く」ことが注目されています。

コーチング、1on1などでは、
効果的におこなうためのファースト・ステップとして
「相手を知る」ために部下の話を「聞く」ことから
始めましょうといわれます。

いわく、

  • 部下の話をさえぎらず、最後まで聞きましょう

  • 「うなずき」や「あいづち」を入れて、受容・共感を示しながら聞きましょう。

  • 「聴く」の漢字にあるように、耳と心で聴きましょう。

  • 「傾聴」の言葉どおり、身体を傾けるぐらい気持ちを込めて聴きましょう。


みなさんは
他の人の話をちゃんと聞けていますか?


難しい理由


話すのであれば、
何を話すか頭の中で考える必要があります。

一方で聞く場合は、
相手の話しをただ聞くだけなので簡単に思えますよね。

でも実際には、みなさんも実感しているように
相手の言っていることを正しく理解することは
とても難しい


なぜなのか?

ぼくは3つの理由が考えられると思っています。


1. 面白くない


「話し好き」という方は結構いますが、
「聞き好き」という方は滅多にいません

喋りのプロが話す「聞かせる話」ならともかく、
一般人の「普通の話」を聞いているのは正直退屈です。

聞いているような”フリ”はしていても
実際には聞いていないことが多いのではないでしょうか。

そして、もっともよくある聞き方は、他の人の話を聞かないことだ。
つまり、自分自身が話すことにのみ耳を傾け、自分以外の人の話は聞いていないのだ。 

『それでも、対話をはじめよう』アダム・カヘン

 

2. 理解できない


相手の話を理解するには
相手の話の「前提」を理解している必要があります。


「空・雨・傘」とよばれる
問題解決技法のフレームワークがあります。

空(事実)を見上げたら
雨(解釈)が降りそうだ。
傘(対策)を持っていこう。

同じ空を見ても、
雨が降りそうと感じる人もいれば、
晴れそうだと感じる人もいます

この解釈の違いは、
それぞれの人が経験などから培った
「前提」の違いからきています。

たとえ同じ国に生まれたとしても、
生まれた年代や育った環境、
それまでの経験などが違う人同士は
持っている前提が違って当然です。

なので、相手の話の前提を理解しないと
言っていることを正しく理解することができないんですね。


3. 理解したつもりになる


2.の「理解できない」とも関連しますが、
前提が違っていることに気付かず、
「自分の前提」で相手の話を解釈して
理解したつもりになる
こともあります。

上司と部下の例でいえば、
仕事優先で出世と昇給が大切だという前提を持っている上司が、
ワークライフバランス重視の部下の話を聞いて、
「もっと仕事がしたいのに、家庭の手伝いでできないんだな」と
考えてしまうようなものです。


「解釈」が間違っていると、
対策も当然的外れなものになってしまいますよね。

学問を司る大学という場所は、言葉の定義をとても大切にする。
そもそもの前提条件が異なると、議論が初めからかみ合わないからだ。
そのため、その言葉はどのような意味なのかを正確に把握することが必要になる。

『植物に死はあるのか』 稲垣英洋

 

どうすればいいのか?


これらの3つの理由をクリアしてはじめて
相手の話を相手の意図通り正しく理解する
ことができるようになります。

なかなかハードルが高いですよね。


しっかり聞いて正しく理解するためには
どうすればいいでしょうか?

少し長くなってきました。
次回に続きます。


ディアログ合同会社 小川剛司(つよし)
「学びをよろこびに、人生にオーナーシップを」


美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。