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ツインアックス〔マキシム〈ブッダ〉【金言の再現】5〕

生まれたときには、実に口の中には斧が生じている。愚者は悪口を言って、その斧によって自分を切り割くのである。

『ブッダのことば』

『原文対照 古典のことば -岩波文庫から-』p153 (岩波文庫編集部編 岩波書店)

思うに、ここでいう「斧」は大きく"二形態"。

①ブーメラン形態

例えば「お前は頭が悪い」と言ったなら、自分は非の打ち所がないほどの賢人でなければならない。単純に「お前に言われたくない」となるからだ。

「お前は、想像力のないダメなやつだ」と言う者は、人が簡単に想像力を持てないという点に想像力が及んでいない。

言葉はすべて汎用性がある。ある人に向けた言葉は、当然自分自身にも当てはまる。そのことをスッポ抜かせば、自分の斧で自分を傷つけることになるのは必然である。

俗に言う「ブーメラン」というものである。

②サイレントリーブ形態

例えば、Aが友人のBにB以外の人間の悪口を言ったとする。

たまになら、流してもらえるだろうが、あまりに度重なって悪口を言われると、Bは

「この人、自分がいないところで自分の悪口を言ってるんではないだろうか」

と思われることになる。

そうなったら、Bは自分にとって重要なことをAに語らぬだろう。

自分が大事にしていることを、嘲笑のネタにされては気分が悪いからだ。

こうして、静かに味方が去っていく。

なお、Bに直接悪口を言うことも含めてよいが、この場合は"言わずもがな"。

サイレントではなく、ダイレクトに関係性を断ち切ることになるだろう。

どちらの形態でも、悪口は「自分の"信"を削る斧」という点で変わらない。

悪口など言わぬに越したことはない。

(参考図書)

『原文対照 古典のことば -岩波文庫から-』(岩波文庫編集部編 岩波書店)

※すみません、Amazonになかったです。

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