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めっけもん

激しい雨がざっと降っては、コロリとやんで、なんなら陽射しまでもが差してきて、むわッとした熱気がアスファルトから昇る。またいつどしゃ降りの雨がやってくるか分からない。
ここ大阪も、亜熱帯の気候に近づいている。

仕事帰りの駅のホームはさらに人いきれで蒸し暑く、マスクが顔にへばりついた無言の人々が並ぶ。

行き先の違う電車をやり過ごして、やっと乗り込み冷たい空調で生き返るものの、吊革にもありつけない車内にホッとするような安息はなく、これでは自律神経がおかしくなるのは当然だろう。

このような生活をなんとなーくしていると、知らぬまに流されて幾らかの年月が過ぎてゆく。

1日に玄米と味噌と少しの野菜を食べるだけで、銀河鉄道の夜を思い描くように、無限の生産性を弾き出すエネルギーの塊である私たちは、けれど鶏舎に詰め込まれた鶏のように、目に見えない何かに何かを抑えられている。
もちろんそのことに、みずから甘んじて従っている。



自分はなにを求めているのか。
人生でやりたいことはなんなのか。
なにをすれば幸せで、満足がいくのか。
死ぬときに後悔しない裏技は誰が教えてくれるのか。
自分はまだ本気出してない。
流れが来たら波がきたら…

なんとなく
良い成績や勝利が望ましく
なんとなく
男らしく女らしくが求められ
なんとなく
お金がある方が幸せなような
そうやって自分の価値観が見えなくなる社会なので、わざわざ自分の価値観を探る手間をかけねば、徒労をまねく『犬の道』だ。

今の私が価値を感じているもの、惹かれるもの、望むものを80個、ペンで紙に羅列する。
腰を据えれば書くのに10分もかからない。

思い付くままに、とにかく80個書き出す。
80もひねり出せば、自分が興味を持っているものが多岐にわたって並び、壮観だ。
それらが自分の求めているものなのだから。

それを半分に厳選する。
自分の大事なことが視覚化される。

40個から、さらに価値あるもの、望ましい状態、欲しているものを、20個選ぶ。
20を10にして、捨てがたい大切なものを更に磨いて5つにする。

その5つはなんですか。

きっと、人と違うことでしょ。
でも、納得するでしょ。
自分らしいでしょ。

自分がいま、本当に興味があること、時間を使いたいこと、成し遂げたいこと、たどり着きたいこと、手に入れたいもの、これが、私がいま生きてる意味なんだ、使命なんだと思える。

のんびり寝ることでも
立派な人生の使命です。

80から5にするだけで

もしも覚悟がきまったら、めっけもん

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