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色男

9月29日(水) 庵洋亭のオムライスセットがなぜか無性に食べたくなったので、午前中の仕事を早めに切り上げ店に向かうと、上下黄色い服を身にまとった金髪の男がカレーを食べていた。あまりにも原色に近い黄色だったので、子供の頃観ていた戦隊モノの特撮を思い出した。オムライスセットの付け合わせのサラダがちょっと小さい皿に変わっていた。 10月3日(金)  会社の飲み会を早々に抜け出して駅前を歩いていると、この前庵洋亭でカレーを食べていた男が酔っ払いと話していた。今日は髪の毛が隠れる

    • ( ・∀・)「流星と0時40分のようです」

      andropの楽曲、0:40より スマートフォンの待ち受けに表示された数字は0:40、約束の時間から40分も過ぎていた。 小高いこの丘には街の光が届かず、周りには吸い込まれそうなくらいにシンとした闇と、 憎たらしいくらい綺麗な星空が広がっていた。 ( ・∀・)「帰ろう、かな」 40分も待ちぼうけだった俺はズボンに付いた土をポンポンと払いながら、最後になるであろう星空を目に焼き付けようと空を向いた。感慨に耽ろうとしたその時、待ちくたびれた声が聞こえてきた。 从 ;゚

      • 三題噺:明日は来るのか

        数年前に書いたやつを他のサイトから掘り返して来たので、投稿。 ____________________ お題:①夕焼け ②原チャリ ③焦燥感  焦げ落ちてしまえばいいのにと思いながら燃え盛る空を眺めていると、経年劣化で輪郭がぼやけた姿のあの子は言う。「明日になれば、奇跡が起きるよ」と。記憶の中で微笑むあの子へ向けて、俺はポツリと聞き返す。「明日は来るのか?」    編入試験の不合格通知が来て、迫る焦燥感の炎に身を焼かれそうになる俺は、とりあえずどこかに行こうと原付を走

        • つらつらつらら

           肌を刺すような寒さが街を訪れると、街中の家々は屋根から透明な牙を生やすようになる。まるで厳しい寒波が俺たちに大きな口を開けて噛みついてくるかのように。今俺が住む街では相当低い気温にならない限りそんなことは起こらないけど、たまにサメの歯みたいな氷柱が姿を見せた日には、昔住んでいた退屈な雪国を思い出すのだ。  小学生だった俺たちの遊び場を雪が覆い尽くしてしまうと、ただでさえ何もない田舎町では殆どの娯楽が凍りついてしまう。  子供たちは降り始めこそ雪遊びをするのだが、長い冬の途