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この世は魂強制修練地獄【じごくトニック】

ロングコートダディの単独との出会いは、じごくトニックのDVDだった。

お笑いの単独なんて見たこともなかった頃、ロングコートダディに強く惹かれてAmazonでポチった。発売が2021年末で、ポチったのは2022年の4月か5月だから、だいぶ経ってはいたけどネットは便利だ。

もう衝撃を受けた。お笑いって、コントって、馬鹿げた設定でおかしい人が出てくるものじゃないんだ。。そして何より『死』を扱ってくれているのが嬉しかった。しにたい気持ちはなかなか表に出せないし、出してはいけないと思って封じ込めてしまう。

そんな気持ちを持っててもいいかもと思わせてくれた。まさか、お笑いコントで自殺する人が出るとは思わなかった。表題コントじごくトニックは、堂前さんの役が自殺し、暗転とともに音楽が流れて始まる。始まり方がおしゃれだった。

先日、あらコズミックが始まる前に再配信があり、それを観た。DVD収録回とは別会場のものが配信されていたからだ。配信回では、生ならではのアクシデントが起きていて、兎さんがうまくコントに落とし込んでいた。それが見れただけでも満足だった。

前に、そんな何回も同じネタ見るの?と言われたことがある。その時は、歌手のコンサートだって、同じ曲聴くでしょ?と返したのだけど。ロングコートダディは特にただセリフを言ってます感がない。同じネタでも毎回雰囲気が違う。間が違ったり、アドリブが入ったり、兎さんが噛んだり、堂前さんが笑っちゃったり。だから、何回見たって飽きないし、何度だって見たい。

話はずれたが、じごくトニックは主人公が作家で書けなくなって辛いというような設定。ロングコートダディの単独の表題コントでは、だいたい辛い人が出てくるのだけど、これは特に堂前さんと重なる。かなりの堂前さんの長セリフがあるのだが、役なのに、堂前さん自身の心の声のように聞こえて、なんだかすごく辛かった。

DVDを買った当初に観たときよりも、2年くらいも2人を見てきて応援してきた今見ると、なんだかより考えてしまった。堂前さんの本来の意図とかそういうものは分からないけど。

わたしはまだ、たのしいしんどさに辿り着けていないなと思った。このまま、ただ苦しいしんどさのまま、死ぬのかもしれない。最近はもう、魂を鍛えるフェーズとかではなく、今世は魂鍛え人生で、来世でどうにかなるのかな、とかそんな風に思ってきてしまっている。

魂といえば、私が好きな土門蘭さんも魂ちゃんの話をしている。ロングコートダディも、土門蘭さんも、探して好きになったわけではない。でも、すごく惹かれるものがあって好きになった人たちは、どこかふとしたところで繋がったりする。それがたまに出てきた時、すごくおもしろいなと思う。

卑屈が想像を止めるなんて無駄な話さ
堂々巡り考える

変な声も廃れた街も思い通りにならない事も
武器にできる術がある

腐ってしまったら直滑降で
谷底まで落ちる

疑って憎しむより
最高な妄想で埋め尽くしたい

結局自分を愛するよ
今変わらない俺をさらけだして

I'm/DENIMS

エンディング曲、めちゃくちゃ堂前さんのことやん、と思った。だし、改めて歌詞見るとよすぎる。そして泣きそうになる。『堂』が入っているのもいいな。

堂前さんのnote必読!


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