#4 空間と作品(前編)
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今回は東京のアーティゾン美術館で7月27日〜10月14日まで行われている「空間と作品」の感想をまとめました!
※前後編の記事です
↓展覧会の概要(長くてすみません!)
満足度は★★★★★で、普段美術館に行かない人でも楽しめるスポットに違いありません!
<こんな人におすすめ!>
・購入者が実際どのように作品を見ていたかを
知りたい人!
・額縁と絵画の関係性を理解したい人!
・マティス、ルノワール、ピカソなどの世界的に
有名な作家の作品を見たい人!
<料金>
一般:1200円、学生:無料
<アクセス>
東京、京橋、日本橋駅から徒歩5分
ここからは、作品に対しての感想と解説をしていきます!
6Fー空間と作品の見事な調和
まあまあ長い廊下の奥を進むと、まさかの畳!と
襖! 実際に畳に座ることもできましたよ。
特に日本画は和の空間で飾られると、作品の良さが引き立つと感じました。
ちなみに≪竹に狗子波に鴨図襖≫は紙本墨画淡彩というカテゴリです。
(紙本墨画→紙の上に墨で描いた絵、淡彩→水墨画に部分的に色を施したものという意味)
イランでガージャール朝の時に作られたようです。(ガージャル朝は、19世紀の列強の国々による進出に巻き込まれた少々可哀想な王朝です)
↓このサイトでは、イラン製のタイルがたくさん見れますよ!
お金で見るのはあまり好きではないですが、写真の椅子(Artifort製のF976)を調べたら、中古でも17〜20万で取引されていて驚きました。
Artifortはオランダの家具メーカーで、F976はジェフリー・ハーコートという人がデザインしたそうです!
この絵は、佐伯祐三が亡くなる1年前に描かれた作品で、その時彼は2度目のフランスにいました。
屋外制作も積極的にしていたそうで、鮮やかなタッチや雰囲気の捉え方の上手さにも頷けます。
↓佐伯祐三の作品がもっと見たい方は、ここから
どうぞ!
では彫刻家のフランソワ・ポンポンの方から。(名前が可愛い)
ポンポンを語る上で、切り離せないのは≪考える人≫を作ったオーギュスト・ロダンの存在です。
ポンポンは35歳頃からロダンの助手として働くようになりますが、今回の展示品である≪しゃこ≫は
その合間に作られていたようです。
※シャコ(しゃこ)はヨーロッパにも広く生息している鳥で、ポンポンの時代にも身近だったのでしょう。
ポンポンは若い時も昼間は仕事をして、夜に美術学校に通うという生活をしていたそうです。
それだけ彫刻への熱意があったのでしょう。
続いて、建築家兼デザイナーのエットレ・ソットサス≪二段組のサイドボード(Model MS.120)≫
私はこの家具を最初に見た時、なんてかっこいいチェストなんだ!と感動しました。
そして帰ってきた後、展示品リストを余韻に浸りながら見ていたのですが、なんとチェストではなく、サイドボードと書かれてありました。
私はそこで壁にぶち当たります。
そもそも「サイドボード」って何だ?
調べるとこんな情報が…
なるほど。飾り棚…なんと豪華な棚の使い方なんだ!
ソットサスは他にも、玩具のような面白さと奇抜さを兼ね備えた唯一無二の製品を後世に残しました。
5Fー影響を受ける画家たち
5Fは、影響を受ける画家たちのようなテーマがある作品が数点並べてありました。(普通に展示されてある作品が大多数)
この≪素描≫だけ私が紹介しても何のこっちゃって
話ですが、隣にはパブロ・ピカソの彫刻が置かれていました。
どういうことかというと、この作品の作者である
海老原喜之助はピカソの彫刻を過去に持っていたそうです。
この展示方法で、西洋文化に影響を受ける日本人画家の姿を見せたかったのではないでしょうか。(モチーフの選び方が西洋っぽい)
≪風神雷神図屏風≫でお馴染みの俵屋宗達!
初めて宗達の作品を見ましたが、精巧という言葉がぴったり合っていて、隙がないなという印象を受けました。
これは私の推測ですが、この図色紙は
ひこ星に恋はまさりぬ天の河へだつる関をいまはやめてよ
現代語訳 一年に一夜しか織姫に逢えぬ彦星よりも私があなたを恋する気持ちはまさっている。
天の川のように二人を隔てる関所のような仕切りを今はやめてくれ。
という伊勢物語に収録されている和歌の一場面だと思われます。
↓出典
ここまでいかがでしたか??
文字数がこのままいくと4000文字は軽く
超えそうなので、今回は一度切らせていただきます。
後編も一週間以内には書き上げるので、楽しみに待っていただけると嬉しいです!
それでは。
↓横浜のそごう美術館に行ってきました。
宜しければどうぞ。