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SMとHYBEが展開するワンソースマルチユース

昨日のHYBEの説明会を聞いて記事を書きたいなと思っていたのですが、何について書いたらいいかわからず…思うことはたくさんあるし、自分の意見について書こうか、現役コンテンツ学科生の乏しい知識と関連させて話そうか、色々悩みました。

HYBEの説明会に関してのわかりやすい記事やツイートはたくさん見たので、四ヶ月ほど前に行われたSMの説明会と一緒に見てみようという結論に至りました。

もっと理解を深めて事業展開の比較ができたら面白いのですが、IPとか新技術に関して知識が浅すぎたので諦めます。

今日は二つの企業に共通するワンソースマルチユースについて書くことにしました。

①ワンソースマルチユースとは

前置き長くなりました。初めにワンソースマルチユースを簡単に説明します。

新しく登場したものでもなんでもなく、以前から利用されてるものなので知っている方も多いと思います。代表的な例としてハリーポッターやディズニーがあり、日本のアニメ市場ではおそらく1970年代頃から使われていたものです。

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一つのコンテンツをさまざまな媒体で使用すること。マンガ原作をアニメ化,ゲーム化,ドラマ化,キャラクターグッズなどに展開するなど。ワンコンテンツ・マルチユースともいう。『(C)イミダス・集英社』

このマーケティング方法を利用したSMとHYBEの事業展開を簡単にまとめていきます。

②SMエンターテインメント’CAWMAN’

SMが展開するワンソースマルチユースは’CAWMAN’といいます。

イスマン代表のニックネームにちなんで名付けられた’CAWMAN’という総称を、商標までとって今後の事業展開を示してくれているのはわかりやすくてありがたいです。

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CAWMAN:
C
artoon (カートゥーン)、Animation(アニメ)、Webtoon (ウェブトゥーン)、Motion Graphics (モーショングラフィック)、Avatar (アバター)、Novel (小説)

CAWMANとは上記のメディアの頭文字を取った略として説明されています。

SMにおいてのワンソースマルチユースで一番注目したいものがAvatar (アバター)です。アイドル産業に限らずエンタメ全般で見ても、とあるコンテンツをアバター化するのはあまり聞いたことないですよね。きっと探せばあるかもしれませんが。

代表がロボット工学を専攻してただけあり、KPOP界で革新技術と融合してコンテンツを展開するのはSMが一番優れているんじゃないかと思ったりもします。

事例がないためアバターがどんなコンテンツとしてわたし達消費者に届けられるのか想像しづらいですが、後半部分の説明でなんとなくイメージが湧きました。

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SMCUという巨大な世界がSMのメタバースであり、その背景となる場所がKWANGYAです。

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アバターを使ったコンテンツの一つとして展示会観覧があるそうです。これもアバターコンテンツの第一歩に過ぎないですが、もっともっと進化すると私たちが今Twitterで’会話’のみを通じて行なっているファン同士の交流も、近い将来KWANGYAで行っているかもしれませんね。

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こういうグラスをつけながら!(笑)

スマホやPCなどの今普及している端末で考えてしまうと想像しづらいです。理解深めたい方は是非aespaのショートドラマをご視聴ください。世界広がりますよ。日本語字幕付きです。

③HYBE LABELS

HYBEは[新コンテンツ部門]で発表されていたワンソースマルチユースを見てみます。HYBEには総称がないのでひとまず並べてみます。

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ウェブ漫画、ウェブ小説、アニメ、ゲーム

SMのCAWMANとおなじく、ストーリーをさまざまな媒体を通じて届けるようです。

ウェブトゥーンに関しては早速公開予定日も決まっているようで、スタートを切るのが早い。韓国はウェブトゥーンコンテンツにかなり強いので楽しみです。

[追記]

先ほど見つけた記事が面白かったので補足です。そもそもNAVERが“WEBTOON“という言葉を商標登録しちゃっていました。
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唯一ゲームがSMと被っていないメディアになりますが、ストーリーを伝達する上でゲームが重要視されているわけをご存知ですか?

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※左から小説、漫画、映画、ゲーム

ゲームは、小説・漫画・映画に含まれる要素を満たしながらも、インタラクティブというその他メディアには無い大事な要素も満たしてくれる優れたニューメディアなのです。このインタラクティブが’没頭’を生み出してくれます。

インタラクティブはさまざまなコンテンツで注目されていて、視聴者の選択によって展開が変わるインタラクティブドラマなども開発されています。

小説・漫画・映画で私たちができることは、与えられたストーリーを読み取って解析することだけである反面、ゲームは私たちが選択をしたりアクションを起こすことでストーリーが変わっていくため、消費者も創造者となるのです。

専門的な用語を用いて話すと、小説・漫画・映画のストーリー、ゲームの背景やルールは開発者ストーリーテリングに該当し、開発者ストーリーテリングの穴埋めをすることはユーザーストーリーテリングに該当し、これら二つが融合した時にデジタルゲームストーリーテリングが誕生します。

しつこいほどストーリー、ストーリーと連呼しましたが、これほどまでにストーリーに執着してるのがHYBEなんです。

④ワンソースマルチユースはアイドル産業にも

冒頭でも申し上げたようにワンソースマルチユースは以前から存在するマーケティング戦略です。日本のアニメ産業でも成功事例が多数存在します。

ただ、アイドル・音楽産業においてのワンソースマルチユースはあまり聞いたことがありませんし、革新技術を含んだものはほぼ無いに等しいのではと思います。

このコンテンツ多方面化は企業ブランドのイメージから音楽が遠ざかるのではないか?という心配があったのですが、それに対応して、音楽に集中したBighit musicという所属事務所は残しつつも、総合エンタメ企業HYBEレーベルという形で再誕生したのは賢明な選択だと思いました。

SMも10年後にはアバターを販売していそうですが、企業イメージから’音楽’がかけ離れないのか懸念されます。私の勝手な懸念ですが。ただSMも歴史の長い企業で、人々の認知度を考えるとそう簡単に企業イメージから音楽が薄まることはないのも確かですね。

今回同じワンソースマルチユースという観点に着目して、どちらも事務所・代表らしい案だなと思いました。個人的にワクワクするのはSMですが、HYBEの方がスタートが早いためKWANGYAに行けるようになるまではHYBEのコンテンツをしっかり楽しむ予定です。

感想

ここからは私の感想です。適当なこと言っているかもしれません。

大きな挑戦の発表に戸惑いを隠せないファンもたくさんいたかもしれません。私もデジタルトレカなかなか衝撃でした。

でも、KPOPはいつもこうして挑戦しながら成長してきたという過程を見ているから私は信じているし、既存のやり方に安住するほうが危険だと思っている立場なので、上手くいくことを願いながら見守ってます。失敗したらまた他のことに挑戦すればいい。

出発地点はアイドル・音楽産業だったというのに、どんどん膨張して巨大総合エンタメ会社となっていくのを見ると素直にスゴ…ってなる。これからは資本が全てになりそう。中小企業はこの巨大事務所に食われる未来しかないんじゃないかとも思ったり。

あとKPOPに全身全霊を捧げている身分で申し訳ないのですが、日本の音楽産業にもこういうの取り入れられる日がくると嬉しい…日本の歌をKPOPテイストにしてほしいと申し上げているのではなく、世の中の行く未来とエンタメの本質を見つめ直して、日本の音楽も多方面から楽しめるそんな日が…

⑹SM・HYBE コングレス動画のリンク




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