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最近、表紙買いしたマンガ『東大の三姉妹』が深い!

マンガが好き過ぎて、マンガの貯蔵量が60,000冊を越えながらも、毎月新しいマンガを買い漁る僕が、2024年1月に思わず表紙買いしてしまったマンガである『東大の三姉妹』(©磯谷友紀/小学館)を紹介させていただきます。

東大の三姉妹 概要・感想

『東大の三姉妹』は、ざっくりとした概要でいうと「東大出身で外資金融系企業に勤める長女の世利子、同じく東大出身でテレビ局にてドラマのプロデューサーを務める次女の比成子、現役東大生でカビの研究をしている三女の実地子を東大に落ちた末っ子長男の一理の視点から、姉たちの一筋縄ではいかない恋と仕事の様子をみつめるちょっと風変わりな高学歴女子たちの物語」です。

個人的にこの作品を読んだ感想としてテーマをつけるなら「高学歴(高学歴女子)ならではの周囲の反応や自分たちが感じることに、折り合いをつけながらも自分らしく生きていく」でしょうか?不遇な環境を乗り越えるというのは少し違う印象です。

きょうだい構成は長女:世利子 (34歳)、次女:比成子(32歳)、三女:実地子(22歳)、長男:一理(18歳)で、姉たちは全員が東大卒(現役東大生)という一家の中で唯一の末っ子男子である一理が東大受験に落ちる場面が第1話で描かれますが、「落ちる人っているんだね」とか「私立に行くの?浪人だよね?」といった言葉を姉たちから投げかけられる場面は、個人的にちょっと心が苦しくなりました…。

この1巻では三女:実地子の話はピックアップされていませんが、長女:世利子の完璧主義で過度に合理的な性格ゆえに、他人と上手く付き合えない様子や少し発展してちょっとドロドロした恋愛が描かれていたり、次女:比成子の頭が良い人の苦悩というか学歴だけで見られる社会で仕事をする人間関係の大変さが描かれています。

東大卒の姉たちと一緒に住んでいる一理がそれぞれの生活に関わっていくストーリーで、姉たちに振り回される役というか、どちらかと言うと僕を含めた一般人の気持ちを代弁する感じのようにも思えます。

世利子が中学生時代に作った自分の人生スケジュールに合わせて人生を送っている話の中で、『自分でなんとかするべき所は全部実行できるんです。他人が関わってくる所のみが上手くいってない。人に自分のことをゆだねるのが苦手なんです。』という言葉は、まさに完璧主義を体現しています。

僕も学歴に関係なくこのような思考の方と出会ったこともありますが、結婚している年齢や出産している年齢で当てはまらないことは、精子バンクで妊娠するという行動をとるような方ではなかったので、完璧主義が極限になるとこのような行動に行きつくこともあるのだろうなと感じました。

比成子はテレビ業界で働くも「東大卒」という括りで若くしてプロデューサーを任され、周囲は彼女の実力や性格ではなく学歴で彼女を見ていますし、意地悪というか無意味な対抗心、学歴だけでしか見てもらえない感じはつらく感じる部分がありました。

それでも同期入社で年齢は比成子の5つ上の美大卒ディレクターと「いい作品をつくる・いい仕事をする」ことに奮闘している姿は、いつの間にか応援していた自分がいて、彼氏や同僚から「あいつ意外とものを知らないんだよ」とか「誰にでも好かれようとして仕事しがちなんだよ。」と言われても、バリバリ働く自分が好きであることを見出している比成子を応援というか支えたいと思う自分がいました。

また、忙しそうにしていていたり、それでも成果に見合わず怒られている姉を見て一理が言った『勉強だけが全てじゃないんだし、お金だけあれば生きてけるの?東大に行ったら幸せになれるの?』の言葉がパワーワード過ぎて、この言葉を受け取らないといけない彼女たちも辛いだろうなと感じつつ、凡人からしたら羨ましいかぎりでもあるなとも思ってしまう、なんとも捉え方が難しい作品でもあるかと思います。

僕も東大に行った友人が1人だけいて、かなりの変わり者だと思っていますが彼も勝手な先入観というか固定観念で苦しんでいる部分があるのかもな…と、考えさせられましたし、今回は女性に焦点が当てられている部分でもあるので、リアルに東大女子に失礼に当たる・映るところもあるかもしれませんが、東大は大学ランキングで世界28位、日本では頂点なので、超高学歴女子というフィルターが存在するのだろうと考えさせられます。

隣の芝生は常に青く見えますが、どんな方にも必ずその人にしか分からない苦悩はあると思いますし、東大に在籍・卒業して優秀というか、勉強ができてしまうがゆえの凡人にはない悩みや葛藤にどう向き合っていくのか楽しみです。

学歴に関係なく、人生はいろいろと生きづらいことが多いと思いますが、僕は男なので異性の場合はどう感じるのだろうか、さらに東大に通える学力とその学歴があったらどうなるのだろうかと新たな世界を見せてもらえますし、「頭さえ良ければどんな夢でも叶えられそうな気がしちゃうけど、それは楽観的な僕個人の主観なんだろうな」と感じさせられる、読み応え抜群&次巻がとても気になる作品ですので、ぜひ興味のある方は読んでみて損はないと思います!

東大の三姉妹 名言一覧

ダメだ…、東大に受かって当たり前みたいな人たちといつまでも一緒に暮らせない……。お金貯めて…、家を出たい!!

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P25/小学館」坂咲 一理

勉強だけが全てじゃないんだし、お金だけあれば生きてけるの?てかーー…、東大に行ったら幸せになれるの?

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P33/小学館」坂咲 一理

世利ちゃんは息つく間もないくらい働いてて大変そうなのによく怒られてるし、比成ちゃんも東大だからってテレビ局の上の人にいじられて……、とても、幸せそうにはーー…。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P34/小学館」坂咲 一理

一番に答えがわかっててもいつでも一番に手を挙げすぎてはいけない。それはわたしが10歳の時に得た教訓。


出典元:「東大の三姉妹 1巻 P11/小学館」坂咲 世利子

頭が良すぎるのは無理目……。
付き合うのにってこと?こっちこそ願い下げだし。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P12/小学館」坂咲 世利子

異常なように聞こえるかもですが、決めたように物事が進まないと、私はとても気持ちが悪くなる性格のようでーー…。自分でなんとかするべき所は全部実行できるんです。他人が関わってくる所のみが上手くいってない。人に自分のことをゆだねるのが苦手なんです。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P47/小学館」坂咲 世利子

わたしは本当にばかなのだ。自分の立てた人生の計画を絶対に崩したくないのに、どうしてこう無駄なことをしてしまうんだろうーーーーーーー……。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P133/小学館」坂咲 世利子

あんた仕事早いじゃん!!優秀!!!東大なんか落ちてもさ、あんたならいい道いけるしなんならわたしが口きいてあげるから…。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P58/小学館」坂咲 比成子

「誰にでも好かれよあとして仕事しがち」…は、本当のことすぎて効いたわーー…。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P60/小学館」坂咲 比成子

売っておくべきは恩!!!

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P81/小学館」坂咲 比成子

あれっていつまで言われるんだろ……。一生?わたしにとってはただ、卒業した学校名ってだけなのに。十年たってもずっと周りがそこにこだわる。そして差別される。いっそ学歴にウソを書きたいくらい。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P86/小学館」坂咲 比成子

10年一緒にいると良い意味でも気づかいとかはしなくなってくるけど、そこからが分かれ道。お互い大切にできるかどうかはここからにかかってくるんだよな。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P118/小学館」坂咲 比成子

彼のあの辛らつな言葉って、私が彼を放っておきすぎたことも原因だし。でもごめん…。わたしはガツガツ仕事するのが好きなんだー…。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P119/小学館」坂咲 比成子

坂咲は誰にでも好かれようとして仕事しがちなんだよ。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P56/小学館」結城

まーねー、たしかに……、仕事ゆるふわっとしてるトコあるし。詰めも甘いんですけどねー。でも「あいつはやることはやった」なんてここで庇ったら、あいつにもうちらにも余計不利。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P93/小学館」結城

昔はよかったんだけど、今はーー、話せることがあんまなくて。や、あいつ意外とものを知らないんだよ。

出典元:「東大の三姉妹 1巻 P115/小学館」向井 悠人

いかがだったでしょうか?

学校や会社、その他の組織に所属していて、「落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるとき、そして、少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるとき」に、モチベーションを上げてくれたり、グサッと心に刺さったり、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。

それでは今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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