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紙の領収書を簡単に保管できる:電子帳簿保存法について前編

コロナ禍で生活様式が変わり、デジタル化に取り組んでいることの一つとして、領収書等を電子保管ができる電子帳簿保存法があります。
今回は、電子帳簿保存法の簡単な概要メリットを記事にしています。

電子帳簿保存法とは?

各税法で原則紙での保存が定められている国税関係の帳簿書類を、本来の紙保存から電子データ(電磁的記録)に替えて保存することを認める」法律です。

2020年には、申請するにあたってハードルが高くボトルネックになっていた「承認制度の廃止」「タイムスタンプ要件の緩和」「適正事務処理要件の廃止」「検索要件の緩和」の4点が改訂され、今まで以上に簡単に申請が出来るようなりました。

電子保存が認められている書類とは?

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電子帳簿保存法の対象書類

認められている書類として、
①国税関係帳簿(総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金・買掛金元帳固定資産台帳、売上・仕入帳など)
②国税関係書類:決算関係書類(棚卸表、貸借対照表、損益計算書、その他決算に関して作成した書類)
③国税関係書類:その他の証憑類(領収書、契約書、請求書、納品書など)④一般書類2. 電子化が認められている書類(見積書、注文書など)
があります。

特に日常業務で関連のある領収書や契約書、請求書などが電子化できることで、処理なども楽になります。

申請に必要なものは?

申請書については、国税庁のHPから書式をダウンロードして記載して申請できます。
必要な項目もそんなに難しくなく、申請自体は簡単に出来るのではないでしょうか。
また、記載例もあるので書き方には困らないかと思います。

電子帳簿保存法関係|国税庁

いつから電子保存できるのか?

期中であっても可能ですが、申請すればすぐに始められるかというとそうではなく、申請書の提出時期は「承認を受けようとする国税関係帳簿等の備付けを開始する日の3月前の日まで」と規定されていますので、実際に開始する3か月前には申請が必要となります。

たとえば2022年1月1日から経費精算システムを導入のうえ、電子帳簿保存法にもとづいて書類をデータ化し保存することを計画しているのであれば、2021年9月30日までに申請する必要があります。

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メリットは?

① 業務効率アップ
帳簿書類を電子データ化すれば、紙で残す必要がなくなります。
コロナ以前であれば、出勤のタイミングや決められた日に書類の受け渡しをしなければなりませんでしたが、対面することなく申請と保管ができるようになります。
また、帳簿書類を電子データとして保存しておけば、いちいちカギのかかった棚などから書類を探すこともなく、検索機能を使って目当ての書類を簡単に探し出すことができ、業務の効率化に繋がります。

② コスト削減
国税帳簿書類は一般的にファイルやバインダーなどに綴じ、キャビネット等で保管しますが、7年~10年間保管し続けるとなると、書類の数は膨大になり、少なからずオフィスのスペースを占有してしまいます。
帳簿書類を電子データとしてコンピュータに保存すれば、保管のスペースだけでなく、印刷などにかかるコストも大幅に節約できるため、経費削減に繋がります。

③ 環境問題への配慮

電子帳簿保存法の適用により、貴重な紙資源を節約して省エネ・エコを推進することができます。企業のペーパーレス化などを進めることにも繋がります。

④ セキュリティの強化
帳簿書類は通常オフィス内のキャビネット等に保管することになります。
無人になる時はオフィス、キャビネットの双方を施錠して盗難に備える必要がありますが、鍵がこじ開けられてしまった場合や、第三者に帳簿書類を盗まれてしまうリスクが伴います。また、事務所の引っ越しなどの際に書類を紛失してしまうリスクもあります。

帳簿書類を電子データ化し、クラウド上で保存したうえで閲覧制限を設ければ、第三者にデータを盗まれる心配がなく、セキュリティも強化にも繋がります。

まとめ

「電子帳簿保存」において、バックオフィス業務のデジタル化コロナ禍でのデジタル化の推進(非対面、非接触)コスト削減など理由は様々ですが、業務改善に繋がる取り組みとして、今だからこそ取り組んでみてはいかがでしょうか。


次回は「なぜ今電子帳簿保存を始めようとしているのか」と「どのように申請を進めているのか」を予定しています。

前回の記事はこちら

ご質問・ご相談・取り上げて欲しいことなど、など何なりとお申し付けください。


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