良い上司って何だ?-私が出会った良い上司列伝-

「理想の上司とは?」「良い上司・悪い上司の条件」
などなど、巷にはこれらのトピックスが山ほど転がっている昨今。
もちろん例に漏れず、私もそれらのトピックスは興味津々でありますが、ふと、「私は意外と先輩や上司に恵まれてきたのでは?」と。

そして振り返ってみると、"ふと"気づいてしまったことが申し訳なくなるくらい、届けたいエピソードが満載でした。
(これまでお世話になってきている皆さま、本当にゴメンなさい。)

というわけでこれから、そんなエピソードをたくさん遺していけたらと思います。


「仕事へのやる気が出ない」
「この仕事は私じゃなくても良いんじゃないか」
「今日なんて、朝起きてマジで休みたいと思った」
「大好きな趣味に没頭していたい」

部下からこんな相談をされたら、あなたはどうしますか?
しかも、任せたい仕事があり他に適任者もいない場合、どんな風にコミュニケーシしますか??

何を隠そうこの部下は、社歴4年目くらいの私です。
『プロジェクト』という形で任されていた案件、全然気乗りしなかったし、壁にぶつかるとすぐに投げ出したくなっていたんです。
”私以外の人が解決してくれよ”・”前任者に戻したらいいんじゃ”と、そんなことばかり考えてました。

そんな矢先、当時直属の上司だったらSさんから「最近どうだ?」と話しかけられ、そこで伝えたのが冒頭の言葉たちです。

案件を任されるとき、
「この案件はお前に任せる。何かあったら相談に乗るし責任は俺が取るから、思うようにやりなさい」
と充分過ぎるほどの声をかけてもらっていたのに、「逃げ」のような言葉ばかりを繰り出す私。
今思えば、どれだけ甘ったるい気持ちでやっていたんだろう、と思うのですが、当時の私からしてみたらそれが本心だったわけで。

その後もブツブツ不満を述べる私にSさんが言った言葉たち、今でも鮮明に記憶に残っています。

Sさん:「お前の気持ちはわかるよ。俺も会社に行きたくないことはざらにある」
私 :「ホントですか?そんな時どうしてるんですか?」
Sさん:「休める時は休む。だからお前も、朝起きて"休みたい"と思ったら、素直に休めばいい」
私 :「え、それで良いんですか」
Sさん:「自分で休みたいんだろ?だったらそうすればいい」
私 :「でもそんなことしたら、仕事が溜まるし進まないじゃないですか」
Sさん:「それ含めて、どう扱うか考えたらいい」
私 :「・・・」

Sさん:「あと俺も趣味があるから(大のプロレス好き)、その時間はずっと没頭してるぞ」
私 :「そうですよね。私もずっとその時間が良いんです」
Sさん:「じゃあ聞くけど、お前にとってその趣味の必要性は何だ?」
私 :「うーん、元気になるというか活力になるというか」
Sさん:「何の活力?」
私 :「毎日の生活とか、仕事とか・・・」
Sさん:「だろ?でも今のお前の状態を見てると、とても活力になっているようには見えないぞ」
私 :「・・・」
Sさん:「どうせ趣味に没頭するなら、そこでもらった力を活力にしなさい」

"休みたかったら休んでいも良い"
"趣味に没頭するならそれを活力にしろ"
正直、甘ったれた部下にそんなことを淡々と言い放つことのできる上司は、そう多くはないと思います。
でも、Sさんはそうしてくれた。私の態度や言い分自体を否定することなく。

「そっか、それで良いんだ」って、ストレートに心に響いたのと腑に落ちたことを、とてもよく覚えています。
それがなかったらきっと、もっともっとやさぐれていたかもしれません。

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