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SOMPO美術館『川瀬巴水 旅と郷愁の風景』展にいく。

川瀬巴水が新宿にやってくる。

というので、
さっそくSOMPO美術館へ行ってきました。

今回は展覧会の感想や、さらに深く知ることのできた川瀬巴水のことを綴りたいと思います。

私が川瀬巴水を好きな理由

私は旅行が好きなこともあって、
様々な場所を歩いてきました。

いざ旅行を終えて帰ってみると、目的地にしていた観光名所よりも、途中で歩いた町並みや景色のほうが記憶に残っていたりします。

何故、記憶に残ったのか。。

それは、その風景に旅情を感じたからなんです。

行く前には予想していなかった街や空の色出会った時、旅をしているということを実感します。

川瀬巴水吉田博といった新版画の画家たちは、旅先での名もない風景を描き続けました。

巷には、「鮮やかさ」とか「明るさ」が強調されたいわゆる“映える”画が流行って久しいのだけれども、味わい深い絵がどうにも好きなのです。

気軽に旅のできない今日この頃、
大都会の新宿に旅情を感じに行ってみましょう。

はじめてのSOMPO

SOMPO美術館は新宿副都心高層ビル街の一角にあります。ゴッホの『ひまわり』を所蔵していることで有名な美術館です。

2020年に新しくなったばかりなので、建物は非常に綺麗。以前は高層ビル内にありましたが、今は独立した建物になっています。

1階からエレベーターに乗って一気に5階へ。

展示室を上から順に下っていき、最後に2階がショップとカフェになっています。

展覧会をみて

3フロアに別れて、作品が展示されています。

基本的には時系列順で展示構成されているので、時代や年齢によっての変化もわかるようになっています。

とはいえ、巴水の作風は初期から安定していて、全体を通して統一感があるように思えました。

しかも巴水のすごいところは、
ほとんど木版風景画のみを制作しているところ。

そこが同時代に活躍した吉田博とは異なる点かと思います。

吉田博の作品からは遠く西洋の雰囲気が漂うのに対して、巴水の作品はかつて浮世絵師として名を馳せた歌川広重月岡芳年が持つ感傷的な作風を感じとることができました。

川瀬巴水の風景画とは

彼は『旅みやげ』、『日本風景集』など生涯いくつもの連作を世に出しています。

日本各地を歩いて風景を描いた巴水。

シリーズを俯瞰して見ることによって、彼がどんな風景に心を掴まれたかがよくわかります。

空の色が移り変わる夕刻や月夜を描いた作品では描写力が冴え渡っているように思えます。

他にも花や雪景色など、季節や時間によって見せてくれる瞬間的な風景を描くことにこだわりを感じました。

さいごに

SOMPO美術館の川瀬巴水展。

じっくり日本各地を巡ったような、
そんな充実感のある展示でした。

3階は写真撮影が可能なのも嬉しいです。

また、
ミュージアムショップでは公式図録を販売していたのですが、大判なので図版が大きく見やすいのでついつい購入してしまいました。

自由に遠出できない日々ですが、
時々巴水の風景を眺めながら癒されることにします。

それでは、
今回も読んでいただきありがとうございました!

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