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発達障害に関する相談をコーチングで受けたら

コーチングをしていると、クライアントの部下が発達障害ではないか、と相談を受けることがあります。基本は、専門家に相談することが大切です。本人であれば精神科医、部下については、会社を通して法律の専門家の弁護士ないしは、(特定)社労士に対応の相談をすることになると思います。しかし判断が難しいことも多いのが事実です。コーチングにおける対応について整理しました。

発達障害の相談を受けたら

結論から言うと、クライアント一人で対応することを避けるよう提案します。これは、通常のコーチングでもそうですが、一人で解決できない問題は、上司や周囲を巻き込んで対応すること、相談することが肝要です。

なぜ、企業巻きこむ必要があるか?

2016年4月に施行された障害者差別解消法により、障害者に対する不当な差別的扱いの禁止と共に、合理的配慮の提供が企業に義務付けられています。

合理的配慮とは、「障害の有無に関わらず、一人ひとりの特性や状況に応じて発生する障害や困難を取り除くための個別的な調整のことをいいます。」
 以下の内閣府のリーフレットには「障害者手帳を持っている人に限らず、発達障害や精神障害を持つ方や社会生活に相当な制限を受けている全ての方が含まれる」旨が記載されています。

 つまり、発達障害であるかは不明だとしても、発達障害の傾向があり、職場環境の中で配慮が必要と考えられる状況にある場合、障害者差別解消法の対象となります。会社は合理的配慮の提供義務を負うと考えるべきです。

引用元:内閣府「合理的配慮知っていますか?」https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo/print.pdf

企業における神経発達症候群(旧・発達障害)の対応例について

1.特性を見極める
発達障害の方はそれぞれ異なる特性や得手不得手を持っているので、その人の得手不得手や特性をしっかり見極めて、適材適所に配置することが大切です。オールラウンドに仕事がこなせるタイプよりも、ひとつのことに集中できる業務、環境の中で力を発揮できるタイプの方が多いと言われています。そのため、まずは「何ができて、何ができないか」というように、特性を理解することから始めましょう。

2.業務指導や相談に関し、担当者を定めること。
障害者が円滑に職務を遂行するために、業務指導や相談に関し企業内の様々な立場の人 を担当者として選任している事例があります。ただし、身近にサポートできる従業員を配置する場合、その従業員に負荷がかかりすぎないよう配慮することも大切です。

3.業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、
例えば自閉症の方の中には、いわゆる暗黙のルールの理解が苦手であったり、言葉を文字どおりに受け取る傾向があったりする方がいます。このような傾向を持つ方に対しては、 業務指示やスケジュールを明確にし、業務指示を具体的かつ簡潔に出す等の配慮が行われ ている事例があります。

4.作業手順について 図等を活用した個別のマニュアルを作成する
それまで職場で問題なく使われてきた業務マニュアルであっても、発達障害の人にとっては理解しづらいところが多々あります。最初は労力が必要になるかもしれませんが、特にASDの方など、マニュアルがその人の型にはまれば、定型発達者(非発達障害者)の人以上の成果を上げることもあるようです。

参考:合理的配慮指針事例集(厚生労働省障害者雇用対策課)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000093954.pdf

発達障害について(参考)

発達障害は、「生まれつき」のものであり、大人と子どもで異なることはありません。日本では、2005年に「発達障害者支援法」が定められました(その後、改正もされています)。現在では「発達障害」という名称は、「神経発達症候群」という名称に変わっています。

様々なサイトで詳しく紹介されていますので、参考までにリンクを貼っておきます。私が説明するより良いです。

大人の発達障害|NHK福祉ポータル ハートネット

【大人の発達障害】発達障害の3つの分類とそのタイプ、対処法、相談先などについてお話します | キズキビジネスカレッジ (kizuki.or.jp)

最後に

クライアントの成長支援をするコーチングでは、
対応が難しいことは、もちろんあります。万能ではありません。
そういった場合は、アドバイスをして適切な対応を促すようにしています。
最後までお読み下さりありがとうございました





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