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#74 独りがいいけど、1人じゃ生きていけない
うつ病って、孤独を感じさせる天才だと思う。
「うつ病は甘えだ」という人がいる。不思議なことに患っている自分さえも「甘えているだけなのではないか」と感じることがある。
他人との繋がりとか全て煩わしく感じたり、この世界との関係性を全て断ち切りたいと思ってしまうことも幾度となくある。
これが、僕の生まれ持った価値観から生まれるものなのか。はたまたうつ病がそう思わせるように仕向けているのか。その両方なのか。患った本人でさえ上手く理解できない。
孤独になりたい。でも、社会に属する独立した人間になりたい。日によってその天秤のバランスはバラバラだ。
昔は、うつ病などの精神疾患の人を「悪魔付き」なんて呼んでいた時代があるそうだ。言い得て妙な表現だなと思う。ネガティブなことばかり考えて体が動かなくなる呪いと言ってしまえば、納得出来るところもある。
うつ病だと言われてもまだ僕は、なんとなく納得出来ていないのだと思う。お前はもうダメなんだよと言われた方がきっとスッキリするんじゃないだろうか。「時間をかけて治しましょう」、「薬を飲んで生活していきましょう」この言葉は時に残酷だと思う。
ただ、孤独になりたいと思うことは何度もあれど、結局は心の病気。周りに誰かいないときっと色んな意味で死んでしまう。
かかりつけのお医者さんもそうだ。バイト先のスタッフの人たちもそう。関わりがないと僕は、社会から抹殺されてしまう。
そして、本当の意味で死ぬことを選んでいたかもしれない。
と思いながらもうつ病は、他人との関わりを煩わしく感じさせるような呪いをかけてくる。
でも、煩わしく思いながらもそういう時こそ周りの助けが必要だったりする。
なんとも面倒な病であり、面倒な人間だ。
でも、回復してきた時に感じるのは、真っ先にありがたみだった。
うつ病になって、調子を崩して直接的に迷惑をかけた友達もいた。家族には、相当迷惑をかけたと思う。でも、波を超えた時にまだ近くにいてくれた。そのありがたみを真っ先に感じた。
これを忘れたら終わりだと思った。
もし、揺り戻しがやってきてまたうつ病が酷くなった時に、迷惑をかけてしまうと思う。
これは、僕がどう配慮をしても避けようがない。
でも、回復に専念すること。孤独を望んでもベッドから動けない日々でも最悪の選択をしないこと。そして、ありがたみを忘れないこと。
これだけは、大切にしたいと心から思う。
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