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2021年終わり。廃棄削減へ

2021年が終わります。
夏が過ぎるまでは感染者数増加に伴って緊急事態宣言やまん延防止措置が繰り返し発令されるなど、今年も新型コロナウィルスに振り回された大変な一年でしたが、私を含めて家族皆無事に新しい年を迎えることが出来そうでひとまずホッと一安心。胸を撫でおろしております。

コロナの状況がやはり注目されていましたが、2021年は地球温暖化抑止や脱炭素へ向けた国際レベルでの意思決定や企業・個人における様々な取り組みがニュース等でも頻繁に取り上げられていました。
夏頃に発表されたIPCCの報告書では、地球温暖化やそれによって生じる気候災害は人間の活動に起因すると断定されました。たぶんそんなことは多くの人が解っていたことだと思いますが、わざわざ宣告されたというその事実に、大変なショックを感じたことを覚えています。
人間の活動を止めることは不可能でしょうが、今までの通りでは地球温暖化に歯止めが掛からないことも事実なのでしょう。一人一人にこれまでとは違った行動や選択が求められていくのだろうと想像しています。

そんな時世にあってこの一年、家具の修理をご依頼頂く際に「SDGs」というワードをお客様より聞く機会が増えてきたように感じました。(以前は「断捨離」というワードを聞く機会が多かったのですが最近はあまり聞かない。)
捨てるという選択から直して使い続けるという選択へ。そのモノへの思い入れもそれぞれにあるのでしょうが、無下に捨てないことで環境や将来世代への負担減を多くの方が意識し始めているようです。

古いモノを手直しして次の担い手へと受け渡していく私たちの仕事にあっては、長く安心して使用し続けて頂けるように、丁寧にメンテナンスを施し可能な限りその品質を高めていくことこそが最大の目標であると思っております。
またさらにスクラップアンドビルドに準ずる活動と比べれば、過剰に資源を必要とせず廃棄量も少なく済むため、『ヴィンテージ=サステナブル』と評されることも度々あるように感じています。でも、実際には多かれ少なかれ新たな資源も必要とし廃棄物も発生してしまう。どこまで突き詰めていくべきか、その判断には悩みますが、これまで当たり前だったことを当たり前のままにしていてはいけないのだろうなと、考えさせられています。
「ヴィンテージ」に甘んじることなく、その活動と並行して環境負荷低減に向けた努力を両立させていくことが今後より重要になっていくことでしょう。

前置きが長くなりました。
で、廃棄物の削減に向けた話。

ちょうど2年前、2019年12月の日記で椅子やソファの張り替えで使用するウレタンフォームの端材やらを使って丸型のシートクッションを作ってみたことを紹介させて頂きました。(結局あの企画はボツとしました。商品としてお店におく自信が一切もてなくて気分が上がらなかったんですよね。恥ずかしいので過去の日記を遡って見ないでくださいね。)

で、その後もどうにかして有効利用できないかと考えて考えて考え続けていたのですが、ようやくお店に置いて納得出来るモノを完成させることが出来ましたので、一足早くこちらでお披露目させて頂こうと思います。
と言っても大袈裟なものではなくて、もう本当にシンプルなただのクッションです。

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中材には余ったウレタンフォームの端材を細かくしたものを充填させてヌードクッションとしました。カバーには椅子やソファに使用する国産のチェック柄の生地が相性良かったので幾つかの色を試しながら作っています。戦隊ヒーローのような色とりどり。
なんだかんだ3年近く捨てずに溜め続けたウレタンフォームの端材ですが、クッション10個分にもならなさそう。果てしない作業です。。

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さて端材とはいえクッション材からクッションを作っただけなので、さも当たり前のことように思われるかもしれません。それを含めて詳細は後日(こちらの日記かウェブサイトにて)ご案内させて頂く、かもしれません。とりあえず来年からお店での販売を目指しています。

ちなみに、ウレタンフォームとはポリウレタン樹脂に添加剤などを混合させて発泡させたもので、つまりは化石資源に由来するプラスチック製品であります。
二次製品へとリサイクルする技術も存在はしていますが、小規模な加工業者ではこれをリサイクルとして回収してもらうこと自体が難しく、多くは産業廃棄物として処理をするしかない実情です。処理方法としてはほとんどの場合は焼却され、その残存物等は土中に埋められていく。燃焼処理をする過程においてはサーマルリサイクルとしてエネルギー利用されているという見方も出来るのかもしれませんが、CO2の排出、そして土中から海洋へ流れ出るマイクロプラスチックのリスクなど現在にあって看過することの出来ない問題も多く孕んでいます。

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最近はこれ系の本ばかり読んでいる。

まだまだ色々と工夫は必要だと思いますが、捨てないを継続していく為の出口作りとして取り組んでまいりいました。

ただでさえ普段から仕事が遅いのに、並行してこんなことばかりをやっていたから、2021年後半は本当に仕事が進まず葛藤というか後悔というか、そんなばかりの一年でした。
そんな中でもお店に足を運んで頂いたお客様やご支援を頂いた方々には感謝しかありません。本当にありがとうございました。
2022年こそは、本業(ヴィンテージ家具の修復)とこんな風に環境負荷低減への取り組みを、バランス良く進められればと思っています。正念場です。頑張ります。

それでは本日12月27日をもちまして、2021年の営業を締めさせて頂きます。
2022年は1月7日(金)から実店舗の営業を再開いたしますので、引き続き宜しくお願い致します。

バタバタとしていて簡単なあいさつになってしまいましたが、それでは皆様、良いお年をお迎えください◎