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北欧家具と最近のこと。vol.22

こんにちは。

先々週かな?
東京都美術館で開催中の『ハマスホイとデンマーク絵画』展に行ってきました。初めて鑑賞しましたが、絵の美しさはもちろん、室内画が多く印象に残りました。
19世紀頃のデンマークの室内装飾が描かれていたり、とても興味深かったです。
3月26日まで開催しているそうなので、ご興味あるかたは是非~

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さて、2月に入ってからは連日、新型コロナウィルス関連のニュースが話題になっていますね。
収束にはまだまだ時間が掛かるのでしょうか?
感染を拡げないためにも、一人一人の意識が大切なようです。
公共機関を利用する際にはマスクを着用して、手洗いうがい。
自分のため、みんなのために、出来ることは徹底して行っていきましょう。

最近の仕事のこと

2月第1週

先日アンティークのベントウッドチェアの修理を行った時の、同じお客様からのご依頼でまたまた持ち込み家具の修理を進めました。

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今回はこんな感じのアンティークのダイニングテーブル。

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脚部を支えるクロスした貫部。接合部が一ヶ所外れてしまい、ブラブラの状態になってしまったとのこと。貫部には縦方向に割れを補修した痕も判別することが出来ました。

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症状のある個所を下から覗いてみると、割り箸くらいの細さの棒を脚部に挿し込んで、下から支えられるようにもともと固定修理がされていたようです。これが根元の所で折れてしまったみたいですね。
お客様曰く、座る時にはこのテーブルの貫にみんな足を載せてしまうそうで、支柱が細すぎて荷重に耐えられなかったのでしょうか。

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他3か所の接合部は接着剤+ビスで留めてあったため、しっかりと固定されていました。

ということを踏まえて、どのように修理していくかを考える。

①本来は接着剤とビスで留めていたであろう貫を、なぜビスを使用せずに固定したのか。
→おそらく、貫が縦方向に割れていたため(一枚目の写真)同じようにビスを入れてしまうと木が負けて割れていた箇所が再度開いてしまう、ということを避けるためにビスは使用しなかった、のではないか。

②なぜ細い支柱を貫の下側で支えるように挿したのか。
→貫が外せなかったため、外側(下側)で固定した、のではないか。
→外から見ても目立たない細さを選んだ、のではないか。

と、もともと行われていた修理に3つの推論を立てることが出来ます。

補強をするにあたり、強度はもちろんなのですが、見栄えも大切なので、外側から見て判るような目立つ補強は控えたい。
テーブルを支える大事な構造であり、荷重もかかるところ。強度もやっぱり優先したい。

『貫』さえ外せれば、もともとの接着剤を除去して圧着修理も可能になるし、『貫』さえ外せれば、外側から見えない接合面に木栓でも挿し込んで補強も出来るのに。

『貫』さえ外すことが出来れば、修理も楽なんですけどね。

とお客様とも事前に修理方法について相談をしたうえで、

いざ修理開始。。。

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まあ、オチは想像できたと思いますが

貫、簡単に外れましたよ。家具を傷めずに済んだので、ラッキーでした◎

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ということで脚と貫の接合面にあった古い接着剤を取り除き、補強するためにダボ穴を掘って8㎜径の木栓を挿し込むことに。

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そして木工用ボンドをたっっぷりと充填して、圧着します。
見ての通り脚が太くて!
はたがね(締め付ける工具)が届かなかったため、今回はラッシングベルト(本来は荷物を固定するようなベルトですが形状を選ばず締め付けられるので結構便利なんです)を使用して圧着を施しました。

しっかりと固定修理も出来、お預かりした翌日にはお届けしてまいりました◎喜んでもらえて良かったです。

と、こんな感じの家具修理。

家具の修理をしていると、今回のように、その家具が辿ってきた様々な痕跡を見つけることが出来ます。
テーブルを使用していた人が施した修理なのか、はたまた僕たちのような中古家具を販売する業者が、販売するに当たって施した修理なのか(であったならば、いささか雑な仕事だな~とは思いますが)は判りませんが
痕跡を見つけては、そこからさまざまなストーリーを思わず想像してしまい、誰かの手を経たそのちょっとの分だけ、愛おしさがプラスされる気がします。
家具を修理する上でのヒントになったり、学ぶことも多いですしね◎

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この週は、納品分の家具の準備やお客様への案内やらなんやらに追われ(ながら持ち込み家具の修理をするなど)あまり大がかりなお店の在庫分の家具修理は進められませんでした。
そのため、大がかりな修理の前の下準備、というか細かい作業を中心に進めていきました。

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↑こんな感じの細かい作業。
こちらはがっつり破損していたダイニングテーブルの幕板部分の再生。
ぴったり綺麗に成型できたのですが、木目を合わせることを失念してしまった点がちょっぴり後悔。(色はこれから合わせていきます!)

2月第2週

作業も落ち着いたので、さあ修理を始めよう!
春に向けて在庫を増やしていきたいので、今月はがんばるぞ~と意気込んで
ダイニングテーブルにしようか。それともソファにしようか。収納家具も増やしたいな~どれから手をつけようかな~と考えていたら
ちょうど発注していたソファ用の生地が届きました。

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ということで、完成!
デンマーク製の2シーターソファです。

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ふっくらとしたクッションでたっぷりとした座り心地◎

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側面のカーブしたデザインが可愛らしくも綺麗なシルエットです。

今回、肌触りにこだわってデンマーク製のリネン×コットンの生地をセレクトしたのですが、色味や質感など、想像以上に良い仕上がりになりました。
可愛らしいデザインの中にも上品な印象が加わった気がします◎
もちろん肌触りといい、最高です!たまには製品のリンクも貼っておきますね~

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余談ですが、総張り包みのソファの張り替えは今回が初めての挑戦でした。
これまでもソファのクッションカバーを縫製して、製作したりもしてきましたが、今回は本体の張り替え、特にこのカーブした側面のデザインなど、ちゃんと出来るかな~と内心、はじめはドキドキしていました。

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家具の修理の仕事をしていると、普段から頭の中で家具を解体していくんですよね。この家具はどういう構造かな~?って。
テトリスをずーっとしてると、街中でビルとか消したくなるじゃないですか(危険な話じゃないですよ、頭の中でビルとビルの間に長い棒を落として消していくみたいな、イメージの話です)
そんな感じで普段から目にする家具は片っ端から(頭の中で)解体して組み直しているんです。
そういった経験から、今回も買い付けの時には既に頭の中でこのソファはパーツ毎に分解されて張替の手順みたいなもののイメージは出来ていたんですね。

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↑縮尺はめちゃくちゃな、もはや暗号レベルの生地取りイメージ。
(実は一番緊張する作業がこの生地取りなんです。今回使用する生地は7.6メートル。生地代金だけで数万円。。にハサミを入れていく。。もう後戻りのできない瞬間は恐怖です)

で、実際に家具を分解して生地を剥がして、採寸して裁断して縫製を進めていくと
まあ概ねイメージ通りには進むのですが、やっぱりイメージ通りにはいかないことも多々あって。
失敗、というわけではないですが(する時もありますが)今回も実践したことによって何より、勉強になったことが多かったです◎
自分に出来る仕事の100点中95点くらいの仕事はこのソファに注げた(あと5点は伸びしろです)と、経験は自信にもなりました。
もっともっともっと、色々なデザインの家具を経験していきたいです。

新しい取り組み

前回の日記でもちらっとほのめかしていた、今年新しく挑戦してみようと思うことの一つ。
その大まかな準備と構想が整いましたので、2月第1週にウェブページを作製してHP上で発表いたしました。

購入頂くペーパーコード編みの椅子を、お客様自らに編んで頂くことも出来る、という、そんな一つの『選択肢』を提案するワークショップ的な企画です。

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今回提供できる張替前の椅子は2脚しかない、という状況でしたが、選べる椅子は今後継続して増やしていく予定で、取り急ぎ企画だけスタートいたしました。

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(、、スタートしましたが、なーんと本日その張替前の2脚とも売約となってしまいました。。企画自体は継続していきますので、今後の仕入れに乞うご期待、ということでよろしくお願いしますm(__)m)

企画の概要についてはウェブページにある程度記載をしているのですが、個別に文章にまとめておきたいこともあるので(既にこのnoteの下書きに書き進めてはいるのですが)準備が出来次第またこちらにてお話しさせて頂きます。

もしかすると販売すること以上のことかもしれない

よくお店にいらっしゃるお客様(何度か購入も頂いているお客様なのです)が、先日デンマークへ旅行に行ってきたんだそうです。
行ってきたんだそうです、って言いいましたが、行く前から報告を受けていたんですが。
なので、デンマークでもらってきた街歩きマップがあったので差し上げたりとかして、どこに行くんですか~?とか、旅行の計画などいろいろと話したりしていて。
で、先週ですね。「無事に行ってきましたよ~、デンマーク。すごく良かったです~^^」と報告しにいらしてくださいました。もう満面の笑顔。きらきらしていて本当こっちまで、幸せな気持ちになりました。

そのお客様。「こちらのお店に出会えたことで、デンマークデザインに興味を持って、さらにデンマークに興味が湧いて、デンマークに行くことが出来ました。ありがとうございました!」と。

それ、すごくないですか?

お店として在る上で、そして家具を販売する上で、まずは家具を安心して使ってもらいたい、ということや、楽しんで買い物をして頂きたい、とか、そういう気持ちが前提にあります。
その上に、デンマークデザインとか、デンマーク家具に携わる以上、デンマークを背負うわけではないにしろ、何某かの責任感はもっていたいと、常々思い、学び、家具の話だけに留まらず色々とお話し出来るように、と努めてはいるのですが
自分の関わったお客様が海を越えデンマークへ渡る、まさか自分がそのきっかけになれる日がくるなんて!まさか!
夢にも思わないですよ。

自分の仕事がそこまでの影響を与えることが出来たなんて、今でも信じられないのですが。
それよりも何よりも、そのお客様の行動力が『すごいな~』って思いますけどね。

そのことが嬉しくて、まだ気持ちが昂っていて、話が一切まとめられないのですが(←これはいつものことですが)
もしかすると販売すること以上のことかもしれない、と思った出来事でした。

お店として在るということ。販売するということ。その先にあるもの。
考えてもまだまだ漠然としていますが、ワクワクすることがこの先にあるような気がする。そんな感じ。

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今日も長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。

それでは皆様また次回。

ありがとうございます◎
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西荻窪で北欧ヴィンテージ家具店Dawner(ダーナー)を営んでいます。お店のこと・家具のこと・普段のことなど、日記代わりに記しています。お店のウェブサイト→https://www.dawner.jp