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過信

5年前、長女と一緒に2年間グルテンフリーの生活をしたことがある。

小麦にアレルギーがあったわけではないが、食事のことを2人で追求していたらそこに行き着いた。私は当時、腰痛と膝痛があったので、より健康になれればいいなという気持ちもあって。

書物には、グルテンは体に微細な炎症を引き起こす、腸内環境を乱す、小麦粉自体が血糖値を急上昇させやすく、中毒性があり食欲が増加して肥満…悪いことがたくさん書いてあった。

小麦から作られているものはたくさんある。パン、うどん、そうめん、ラーメン、パスタ、ピザ、お好み焼き、餃子(皮)、シュウマイ(皮)、カレー、シチュー(これらのルー)、とんかつ、天ぷら、唐揚げ(これらの衣)、ほとんどのお菓子(ケーキ、クッキー、ビスケット、シュークリーム、パイ…など♾️)、
突き詰めていくと、醤油や味噌など調味料にも入っている。

グルテンフリーをやるついでに、
①砂糖;虫歯になりやすくなるし、腎臓を腫らし腰痛を悪化させる。過剰に摂りすぎると糖化🟰老化する
②牛乳;カゼインが腸を傷つける
③油もの;とんかつや天ぷらなどの油がたっぷり染み込んだ衣は老化を促進するので、積極的に摂らないように心がけた。

これだけ食材の制限をすると、旅行する時や泊まりで県外の研修会に行った時、食事できるお店がない。スーパーに行っても買える食材が限られる。おやつは焼き芋か干し芋、甘栗、素焼きのせんべい。

そんな生活を2年やってきたある日、大好きだったお好み焼きを患者さんが差し入れしてくださった。食べたくて仕方がなく、それを食べた日から、少し自己規制が緩んで今に至っている。

さて、先月ホリスティック医療の講義を受けた時に、S先生が自律神経の状態と血管の老化を、指から測定できる器械を持ってきてくださった。

測定したら、血管の老化が悪い方から2番目…とてもショックを受けた。

酸化した油は血管を汚すので、揚げ物をした油は一回使ったら捨てていた。売られている揚げ物は食べたことがない。トランス型脂肪酸も心臓疾患を増加し、免疫機能を低下させるので控えていた。

そこまでして油に気を遣っていた私が…機械がおかしいんじゃないかと思った笑

私の行動様式を知っているS先生が一言「MCTオイルやココナッツオイルみたいな、いい油を摂るといいですよ。仁野さんは油ものを摂らないし、そのわずかに摂っている油が酸化して血管にくっついてるのでしょう。油は油にしか溶けないから、いい油を摂って、血管についた悪い油を溶かしてやるといいですよ」と。

調べてみると、MCTオイルやココナッツオイルも油なので、摂りすぎると血管を汚すらしい。1日2gが目安。摂るなら、イワシ、さんま、鯖などの青魚から直接、よい油であるEPA、DHAを摂るのがいいようだ。

昨年末に3人目を産んだ長女にそのショッキングな話をしたら、彼女は授乳中で栄養が足りていないのか、フラフラするらしく「あすけん」というアプリをスマホに入れて、毎日の栄養チェックをしているとのこと。

「全然カロリーが足りてなくてびっくりした。だからフラフラするんだと。そしたらママは私より食べてないから絶対カロリーが足りてないよ。運動もしないし、このままで年取ったら確実にフレイル(寝たきり一歩手前)になると思う。」と言われた(汗、長女の言葉は説得力があるので怖い)

そういうわけで「あすけん」のアプリを入れて食生活を記録してみた。

私はグルテンフリーをした時に、かなりの書物を読み、食生活も改善していたので食生活には自信があった。

ところが…

長女が仰せの通り、カロリーが足りない。ビタミンADはウナギを食べない限りいつも足りない。ビタミンB1、B2、B6もカルシウム、マグネシウムも適正範囲に入ったことがない。食物繊維は毎日「不足」。

実感と客観的評価の違いを痛感した。

不足なものはサプリで補うようにして、小学校の時に食べていた肝油も買って、ビタミンADが不足の日には摂っている。

小麦粉を避けていたけど、最近は普通に摂るようにしている。小麦は植物性タンパク質が豊富で、全粒粉なら食物繊維、ビタミン、ミネラルも摂れる。

米にはなくて、小麦にしか含まれない栄養素もたくさんある。
牛乳にしてもそう。牛乳にしか含まれない栄養素もたくさんある。

どんなものでも「過ぎれば」害になる。
要は一つのものを大量に摂らなければいいだけ。
『いろんな食材をバランスよく適量摂る』ことが大事なのだ。

書けば当たり前のことのように思えるが、ここに至るまでの道のりの長かったこと…


「あすけん」で、その日の栄養バランスが表示され、何が足りないか一目でわかるので、夕食が終わった後に、栄養調整をしている。

疲れやすかった身体が元気になり、パワーが感じられるようになり、身体全体が安定した感じになった。

「(自分で考える)いい食事」をしていた時には、体の奥底でいつもふらつきを感じ、「食」に対する興味もなくなり、お腹が空いてご飯が食べたいと心から感じることがなくなっていた。

娘たちは私のそういう姿を見て(かすみを食べて生きている)仙人みたいだと言っていた。

胃の消化機能も落ちてくるためか、タンパク質の多い赤身の肉とかも欲しくなくなっていた。

そういう状態は、果たして健康だと言えるのだろうか?

先日長女と話をしたら、2人とも同じ結論に達していて「何事もバランスだよね」と笑い合った。

ちなみに妊娠6ヶ月目の次女も、妊娠しているのに体重が増えなくて、栄養が足りていない気がすると言って、あすけんを始めた。
いい点数が出たらラインで私に送ってくる。(私、「あすけん」の回し者みたいですね笑)

いろんなコースがあって、私は筋力をつけたいので「筋ボディーメイクコース」をやっている。ダイエットのコースもある。
毎日の健康点数が出て、的確なアドバイスもしてもらえる。運動をすると点数が加算されるらしい。
栄養バランスが整ったら、次は運動。

自分が健康で、しっかりした生活を送っていないと、患者さんにも自信持って生活指導などできない。

自分の食生活を過信する危険性を思い知った一件だった。





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