見出し画像

「一念発起」して筋トレに臨むなかれ

私が筋トレを日常的な習慣にしてから3年ほどになる。未だに思い描く肉体からは程遠いが、最近は「筋トレのコツを教えて欲しい」「どうしたら筋トレを継続できるか」そんな声も聞くようになった。私に教えられることなどないが、今から筋トレを始めようと思ってる人、筋トレを始めてみたが続かなかった人、そんな人たちに「知って欲しいこと」が一つだけある。

筋トレ初心者が一番やってしまいがちなミスとは扱う重量の設定でもなく、正しく負荷がかけれないフォームで行ってしまう事でもない。「一念発起」してしまうことだ。

筋トレを始める人はとかく筋トレを始める時に一大決心をしがちなのだ。「よし!今年こそはやるぞ!」「よし!今度こそやるぞ!今度こそ本気だ!」気合を入れ、意気込む。そして一番多いパターンは「初日に限界までやる」ことだ。「よし!せっかく筋トレを始めるんだ!やるからにはとことん追い込むぞ!」こう考える人のなんと多いことだろう。

新たに読書を習慣にしようと思う人が手始めに森鴎外の『舞姫』を手に取るだろうか。新たに語学を学ぼうとする人が最初からラテン語の文献を借りてくるだろうか。まずは短編。寝る前に一章読むところから。まずは英語。初級の単語を通勤途中に単語帳をめくるところから、そこから始めるだろう。

しかしこと筋トレになると人は「一念発起」してしまう。壮大な決意のもと、最初から42.195kmの完走を目指してしまう。そして翌日に筋肉痛になって動けなくなる。

一念発起するな。一大決心するな。気合い入れるな。意気込むな。これを私は言いたい。

最初は1日15分でいいのだ。物足りないくらいがいい。その方が「明日もしよう」と思える。テレビを見ながらでいいのだ。気楽にやろう。最初の目標は重い重量を上げることでも、たくさんの回数をこなすことでもない。まずは「1ヶ月間継続すること」だ。

トレーニングの成果が身体に明確な変化として現れるには数ヶ月間かかる。下手に頑張り過ぎると「あんなに頑張ったのに全然身体変わらないじゃん」と人は落胆する。無理のない範囲の運動を続ければ劇的な変化がなくても「まあ、そんなもんでしょ」と自分を許せる。何より「1ヶ月間継続できた」という事実が体型の変化以上に貴方に自信を与えるだろう。

重量を増やす、回数を増やす、時間を増やす、メニューを増やす、これらは全て生活リズムに「筋トレ」というサイクルが定着した後の話だ。

気負わずに行こう。マラソンで完走するコツは自分のペースで走ることだ。ジムに行けなかった、筋トレできなかった今日の自分を責める必要はない。

でも明日はやろう。甘やかしてしまった今日の自分とそれだけは約束しよう。

最後にダイエットを目的とする人へのオススメの種目を紹介して締めくくろうと思う。それはスクワットだ。スクワットは道具を必要としない、場所を取らない、テレビを見ながらでもできる。「私は足を細くしたいんじゃなくてお腹周りを細くしたい」「足がムキムキになるの嫌」そういう事を仰る女性は多い。

筋肉と脂肪について少し話そう。筋肉と脂肪はよくエンジンとガソリンに例えられる。筋肉というエンジンを動かす為にはガソリン(脂肪)を燃やす必要がある。

お腹についた脂肪を落としたいと思う時、腹筋を鍛えがちだが脂肪を落としたいだけならスクワットの方が効率的だ。人体の筋肉の内、約70%を下半身が占めている。即ち下半身を動かす為にはそれだけのガソリン(脂肪)の燃焼が必要になるのだ。その点でスクワットは非常に脂肪燃焼効果が高い。そして心配しなくても足がムキムキなのにお腹がだるんだるんなんて体型にする方が難しい。

まずはスクワットを1日15分習慣化するまで継続して、余裕が出てきてから気になる部位のトレーニングメニューを追加するのがいいだろう。スクワットはフォームが非常に重要になってくるが、YouTubeに解説動画はたくさんあるのでそれを参考にしながら鏡なのでチェックするのがいいだろう。

新しい年が明け、気持ちを新たに今年こそ運動の習慣を始めようと思ってる人も多いかもしれない。素晴らしい決心だが人はきつい事、しんどい事をただ続けれるようにはできていない。筋トレはマラソンと違ってゴールテープは貼られていない。貴方がその足を自ら止めない限りは終わりはない。その代わり競う相手もいない。貴方のペースで貴方なりの楽しみ方ややりがいが見つかることを願う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?