見出し画像

レノファなスタジアムの話(6)みらスタの駐車場(その3)

そういうわけで、維新みらいふスタジアム(みらスタ)の「駐車場」の話の3回目です。前2回の記事はこちらから。

みらスタ周辺の道路事情

さて、仮に(そもそもかなり実現性が厳しいのは前回も触れたとおりですが)維新公園内やみらスタ周辺に駐車場を増やしても、今度は別の問題があります。
維新公園周辺の渋滞が悪化する、ということです。

渋滞の原因ははっきりしていて、一言で言えば「交通集中による道路容量の一時的な不足」。
といっても、道路容量(車線数)を増やせばいいとかそういう単純な話ではなくて、出入りするクルマによって道路の流れが寸断されたり、入庫待ちの車両によって実質的に車線が減る、ということが生じる為なので、一度に車の集まる駐車場がそこにある限り、渋滞は起こりうるのです。

加えて、みらスタのある維新百年記念公園(維新公園)の北側には幹線道路である国道9号が、南側には同じく幹線道路である県道宮野大歳線(旧国道9号)が通っているのですが、どちらも普段からそこそこの交通量がある(なんなら、レノファの試合日でなくても週末の夕方は普通に渋滞している)ので、そっちの交通を捌くために維新公園内から国道や県道に出る信号をなかなか青信号にできない

維新公園周辺のGoogleマップ。赤丸が試合終了後に渋滞する場所。

で、この渋滞が駐車場出口まで連なる。
これが「試合後に有料駐車場(球技場)から出られない」問題の原因の一つだったりするわけです。
昨年の終盤から、有料駐車場の出口を2方向に分けること(一部が直接宮野大歳線に出られるようにした)を始めたので、一時よりは改善されたようですが。

来場に関しても、レノファのデーゲームだと、早い人だと試合開始前の何時間も前から来場するのでピークが分散する傾向はあるのですが、例えばこれが平日のナイトゲームとかだと、多くは「仕事終わりからのスタジアム直行」という人でしょうから、試合前に一気にみらスタ周辺に車が集まってくることになるわけで、いくら駐車場を増やしても、駐車場に入ろうとする車で道路が詰まってしまうことになるわけです。

この話、実は「道路の車線を増やせばいい」「駐車台数を増やせばいい」という単純な問題ではなく、「一箇所に車を集めないようにする」ということを考えなくてはいけないのですよね。

わかりやすい例で言えば、山口市阿知須のきらら博記念公園
あそこ、交通アクセスが実質的に車(自家用車かタクシー、イベント開催時のシャトルバス)しかないので、幹線道路沿いに合計8500台収容の大駐車場を設けているのですが、駐車場がこの1箇所、かつ駐車場の入口も通常1箇所しかない為に、何かのイベント(WILD BUNCH FESなど)があると、周辺の幹線道路がいつも大渋滞を引き起こすんです。シャトルバスも自家用車と同じルートを使いますから、シャトルバスも渋滞に巻き込まれる。
なので、「イベント開始までに入場できなかった」なんて声が頻発する状況で…

というわけで、こういう「一度に何千人も集まる場所」のアクセスに関しては、来場者の動線を一極集中させない、動線を複数に分けることが肝要になってくるので、駐車場の場所を分散させることも、渋滞回避の方法の一つになってくるのです。

レノファの無料駐車場がどこも「みらスタから遠い」と感じる人もいるかもしれませんけど、「維新公園周辺の渋滞回避」のことを考えると、ある意味止むを得ない措置だったりするわけです。

パーク&ライド

そんな渋滞回避の方法の一つとして、「パーク&ライド」というものがあります。簡単に言えば、目的地より離れた場所に車を停めて、そこから別の交通手段(鉄道やバスなど)で目的地に移動しましょうね、という方法。

実は、レノファは数年前までパーク&ライドを積極的に実施していました。
2015年(レノファがJ3を戦った年)は、JR仁保津駅近くのパチンコ店跡地の駐車場を借り上げ、シャトルバスを運行していました。

そして2018年頃は、JR山口駅横のぱるるプラザ跡と、山口県庁の駐車場を開放して、さらに新山口駅周辺の駐車場を案内していました。

しかし、前者は別のパチンコ店が入居したため駐車場が使えなくなり、後者はスタジアムに直行するアクセス手段がない(一般の路線バスやJRの利用が前提)こともあってなかなか定着せず、ここ数年はコロナ禍もあって来場者が減ったこともあって、結果的に近年ではパーク&ライドが実施されていません。

実はぱるるプラザ跡のパーク&ライドは一度使ったことがあるのですけど、当時からほとんど利用がなかったんですよね。直行アクセス無しに加えて駐車場の場所がわかりにくくい上に周辺が混雑しやすい場所だったことが敬遠されたのではないかと思っていますが。
県庁駐車場のパーク&ライドは、レノファがシャトルバスを運行したこともありましたが、こちらもなかなか定着しなかった感があります。

なぜ定着しなかったのか推測してみると、ぱ・る・るプラザ跡も含めて「スタジアムから離れすぎている」事が敬遠された可能性がありますけど、さっきも書いたとおり、パーク&ライドはスタジアム周辺の渋滞回避のために「目的地から少し距離がある」事が肝になるので、痛し痒しではあるんですが、この辺も「500m先に行くにも自家用車」となってしまう山口県民の車社会慣れの弊害なのかもねぇ、と思ったりするんですが。

そんなわけで、次回は「そもそも車を使わずにみらスタに行く方法」を考えてみたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?