Dateko

イエメン滞在中 | 国境なき医師団 | 救急医 | 5歳児の母

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イエメン滞在記

はじめまして、Datekoです。 国境なき医師団の活動でイエメンに半年間滞在することになった救急医です。 活動の具体的な内容というよりは、異文化・多文化の中で感じた日々の小さな発見を綴ってゆきたいと思います。 では、短い間ですがよろしくお願いします。 Dateko

    • ここが変だよイエメン人

      ある日の午後。 仕事の合間に、ドクターがマイカップにミルクティーを作りデスクに置いた。すると、隣に座っていたナースが一口目から、さも自分の物かの様に飲み始める。飲まれた方も平然としている。私が唖然としていると、ナースは慌てて他のカップにミルクティーを取り分け始めた。しかし、そもそもそのミルクティーはドクターが自分用に入れたものではないのか?? この国では他人と自分の垣根が低いと共に、分け与えの精神がすごい。 移動中の車内で、スタッフがドライバーに頼む。 「喉が渇いたから

      • アフリカの不思議

        イエメン生活も3ヶ月となり、日本に一時帰国することとなった。道中、アフリカの不思議に何度か遭遇したので記したい。 宿を出発する10分前、最後のパッキングをしていると、急にスーダン人が私の部屋に入ってきて聞く。 「今、何キロだ?」 「?」 「荷物だよ荷物。」 イエメンから出国するに当たり、MSF flightという国境なき医師団専用の小型機に乗る。その際、荷物は計25kg以下という厳密な決まりがあるのだ。 「20kgだけど‥」 「そしたら、5kg分俺に貸してくれ!」 返

        • 異国の地で長く働くには

          イエメンに来て2ヶ月が過ぎた。この2ヶ月間で国境なき師団として異国の地でに長く働くにはいくつかのコツがあることを学んだ。 1つ目はお腹と睡眠の調子を整えることが極めて大切であるということだ。裏を返すと、この2つは容易に乱れやすい。こちらの食事は(宿舎で出されている物であっても)衛生面がイマイチな時もあり、お腹を下しては治ってのループが寄せては返す波の様にやって来る。多少の小波は全然問題ないのだが、吐き気や腹痛といった大波は辛い。少しでも予兆があったら、お腹を休ませる、冷やさ

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        イエメン滞在記

          食卓での話題

          食卓で食事やお茶をする時、ゲストハウスの仲間との話のネタは尽きない。彼らは議論が好きだし、文化の違いで盛り上がる。以前、どこかで外国人と話す時、宗教・政治・お金の話はタブーだと聞いた気がしたが、そんなことはない様だ。 まず、日本の宗教は何なのかとよく聞かれる。一神教の人々からは不思議がられると聞いていたが、色々ミックスされていると答えてもと意外とすんなり受け入れられる。国によっては元々土着の宗教があり、後からキリスト教やイスラム教が入ってきたりしているので、意外と理解しやす

          食卓での話題

          多国籍のファミリー

          このゲストハウスの住人は多国籍である。地理的に近いためか13人中7人がAfricanで他にパキスタン、フランス、ベルギー、ボリビアなどなど。Africanもケニア、エチオピア、ナイジェリア、ガーナ、カメルーン、タンザニア、エジプトなどそれぞれ違う国から来ている。 チャパティという分厚いクレープの様なパンがたまに昼食に出る。African中で馴染みのある人とそうでない人がいる一方で、地理的に遠いパキスタンで食べる習慣があると聞き驚いた。後で調べるとインド発祥の南アジアで広く食

          多国籍のファミリー

          コットン製のシーツ

          洗濯をしようとランドリールームに行くと男性が1人、一生懸命シーツを漁っている。どうしたのかと思い話かけると、今日ベッドシーツを替えてもらったのだがそれがいまいちなので別のシーツに替えたいらしい。 「コットン製じゃなきゃダメなんだ。快適じゃない。」 あまりにも真剣に探しているので、私も一緒に探してみることにした。 「この赤いのはどう?」 「これは血の色だよ。安眠できない。」 結局、ボタニカル柄のコットン製のシーツを見つけて満足そうに持っていった。 そんな彼は国境なき医師

          コットン製のシーツ

          Holiday

          ここでの生活は意外と快適だ。外は猛暑だが、室内は冷房完備の個室。シャワーもトイレも出来たばかりで綺麗。(ただし、他のスタッフに聞くとこんなに住環境が良い所はあんまりないとのこと。)何より食事、掃除、洗濯を地元のスタッフがしてくれるので、自分の時間が山ほどある。 思えば、日本では常に時間に追われていた。仕事から帰ると食事、洗濯、風呂、寝かしつけて自分も寝る。(正直言うと、食事は家政婦さんの作り置き、洗濯は夫が大体してくれた💦)休日はひたすら英語の勉強。子供と休みが合えば、どこ

          気温40℃の村から

          この国は暑い。特に私の住んでいる地域は標高が低いためイエメンの中でも特に暑く、日中の気温は40℃にもなる。洗濯物は1時間で乾き、暑すぎて逆に蝿もいなくなった。エアコンがなければ私はとっくに干からびていただろう。 すでにこの地に9ヶ月滞在しているケニア人女性に、どの時期が1番よかったか聞いてみた。しばらく我慢したらもう少し過ごしやすい季節が来ることを期待して。しかし、答えは 「ずっと暑いわよ。1年間ずっと同じ気候。私の街とは大違い。」 がっかりすると同時に少し驚いた。なん

          気温40℃の村から