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多国籍のファミリー

このゲストハウスの住人は多国籍である。地理的に近いためか13人中7人がAfricanで他にパキスタン、フランス、ベルギー、ボリビアなどなど。Africanもケニア、エチオピア、ナイジェリア、ガーナ、カメルーン、タンザニア、エジプトなどそれぞれ違う国から来ている。


チャパティという分厚いクレープの様なパンがたまに昼食に出る。African中で馴染みのある人とそうでない人がいる一方で、地理的に遠いパキスタンで食べる習慣があると聞き驚いた。後で調べるとインド発祥の南アジアで広く食べられるパンで、移民の影響で東アフリカにも普及しているからの様だ。パン一つ取っても興味深い。

また、ゲストハウスでは昼食は一緒に食べる。その際にそれぞれのお国柄が出て面白い。African達は米と肉を大盛りにして最終的に手で食べてたりする(特に男子)。それこそチャパティなどのパンで上手に摘んでいる。一方のEuropean達は野菜をメインに取りパラパラの米をナイフとフォークで食べている。私はと言うと、箸はないので左手にフォーク、右手にスプーンで食べている。フォークで骨付き肉を押さえてスプーンで肉を解し、パラパラの米や野菜と一緒に食べるのが今のところ私の中の最適解である。


少し前、心待ちにしていた休暇が急になくなり、泣いてしまった。身体的にも精神的にも疲れが溜まっていたが、あと少しで休暇だと言い聞かせ仕事をしていたので、メンタルブレイクしてしまったのだ。今はもう立ち直ったのだが、その際の励まし方もお国柄が出ていていて、思い返すと笑えてくる。

地元イエメン女性達は開口一番「子供は大丈夫?夫は大丈夫?」
状況が分からず、急に泣き出して自国で何かあったのかと思ったのだろう。また、不安定な政情で家族に何かあることが身近にあるのかもしれない。ちょっと「こんなことで泣いてすみません‥」思ってしまった笑。

次にアフリカン達が大勢で部屋に押しかけて
「大丈夫?部屋に籠っていない方がいいよ。一緒におしゃべりでもしようよ!」
と踊り出しそうな勢い。ちょっと「今は、英語で話したり、笑顔を作るのもキツいんだけどな‥」と思ってしまった笑。

最後、フランス人のおばさまがすれ違いざまに
「話したくなったらいつでも話を聞くからね。」
と優しくハグ。私にはこれが1番沁みた。

そして皆、口々に言うのは
「このゲストハウスの仲間はファミリーだから! 」


たった6ヶ月だが寝食を共にし、同じ困難に立ち向かい、励まし合う仲間は、確かにファミリーである。
文化の違い、言葉の壁で噛み合わないこともある一方で、それを超えて共有出来るものもある、同じ人間だから。
そう思う。

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