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データアナリストとして年収5000兆円欲しいので巷の求人票を分析してみた【データ収集編】

5000兆円欲しい!5兆円でもいい!

5000兆円欲しすぎる。ただやっぱり5000兆円は欲張りすぎな気もするので、そのうちの0.1%の5兆円でもいいから欲しい。いや5億円でもいい。いやいやもっと謙虚に5000万円でもいい。私はこの資本主義社会でデータアナリストとして働いているので、可能であればデータアナリストとして5000万円欲しい。そこで、データアナリストたるもの、データに基づいて年収を上げる方法を模索してみた。

年収あげたい!!っつーことで、まずはデータ収集だ!!

このnoteの本題は、年収5000兆円を獲得することではなく、公開求人データに基づいて、どうやったら激アツなデータアナリスト求人にたどり着くかを検討するもの。タイトル詐欺ごめんなさい。

早速、公開求人という名のデータを収集した。データの収集方法は、

  1. Googleで「データアナリスト 求人」と検索する

  2. すると、Googleがおそらく求人サイトからクローリングしてきたと思われる求人票がまとめて表示されるので…

  3. これらを一つ一つコピペしてデータ化していく

Googleが集めてきた求人票
完成したデータセット

 スクレイピングの技術があればもっとモダァンな感じにデータ収集ができるんでしょうが、あいにく私にその技術はなく、スクレイピングを学ぶのにかかりそうな時間と手作業で取り組んだ場合に完遂する時間を天秤にかけ、手作業で行った。収集した求人数は116件、かかった時間は7時間。スクレイピング勉強した方がマシでしたね。

 データ内容は上述の通り、「データアナリスト 求人」と入力して出力された結果を一覧化したもの。収集日は2022年11月24日(一部求人は11月22日)。つまり11月24日(もしくは22日)に募集段階だった案件に限られる。また、内容が明らかにデータアナリスト案件ではないと判断できるものは収集対象から除外(明らかにデータエンジニア案件であるものとか)。重複しているように見受けられる求人票(おそらく同一案件だが別媒体で掲載されている求人票)については、最初に見たものをデータとして収集。また新卒案件は除外。加えて、おそらく検索方法が悪かったのが原因と思われるが、外資系企業の求人票はほとんどヒットしなかったので、サンプルは国内企業に大きく偏っている。
 ちなみに余談だが、今回は「公開求人」のみ収集した。というより非公開求人は一個人では収集できない。しかし得てして激アツ求人は非公開求人の中に多いことは、念頭に置いておく必要がある。

収集した項目は次の通り

  • 職種名

    • その求人票の職種。今はとりあえずデータアナリストだけ収集。今後データサイエンティストやデータエンジニア、マーケターやコンサルなどの近縁職種のデータも追加して比較分析したい。

  • 社名

    • その求人票を出している企業名

  • 全文

    • 求人票全文

  • 必須

    • 求人票に記載されている募集要項のうち、「必須条件」として記載されているもの。

    • 「必須条件」が無い場合、「求める人物像」など、必須条件に該当すると思われる情報を記載。

  • 歓迎

    • 求人票に記載されている募集要項のうち、「歓迎要件」として記載されているもの。

    • 「歓迎要件」が無い場合、「あると望ましい条件」や「尚可」など、歓迎条件に該当すると思われる情報を記載。

  • 必須経験年数

    • 必須経験年数が記載されている場合はその年数

    • 未経験可と記載されている場合は0

    • 必須経験年数は書いていないものの、「〜〜の経験」など、一定の経験を求めているものに関しては1

    • 経験有無に関して一切の言及がない場合は空白

    • 「経験」には業務経験だけではなく研究実績やツールの使用経験なども含める

  • 給与下限

    • 求人票に記載されている提示給与の下限

  • 給与上限

    • 求人票に記載されている提示給与の上限

  • 月給下限

    • 求人票に記載されている提示月給の下限

  • 月給上限

    • 求人票に記載されている提示月給の上限

データを眺めてみる

取得できたデータ件数は116件と、ビッグデータが流行る昨今としては決して多くないが、一個人としては割と色んな発見があった。
 ぱっと見、楽天やヤフー、Sansanやfreeeなど、tech系企業が多い印象だったが、日本電気、野村證券、セブン&アイホールディングスなど、非tech企業のデータアナリスト求人もかなり存在した。下記にいくつか抜粋してみていこうと思う。

Sansan株式会社の場合

業務詳細の欄には、

データアナリストとして、下記業務を担当します。
- ログ解析を用いてユーザーの行動を理解し、インサイトを得る
- プロダクトの各種KPIの設計
- リリース後の施策の効果測定
- プロダクトマネジャーらと協力して、課題の発見や仮説検証

と記載されている。これはデータアナリスト求人としては最も典型的な例だと思う。他の求人でも「ログ解析」「KPI設計」「効果測定」「課題の発見」「仮説検証」という単語が見られた。おそらくデータアナリストのタスクとしてこれらは一般的なのだろう。私も仕事でよくやっている。
 ちなみに必須スキルは、

必須スキル
• データ分析実務経験(3年以上)
• SQLもしくはその他のプログラミング言語でのデータ分析業務経験
• 統計の基礎知識

となっている。これも結構データアナリストとしては一般的な必須要件に思われる。ただ、実務経験を3年以上と明記しているのは割とレアかもしれない。

freee株式会社の場合

業務内容として、

▽業務内容詳細
・戦略策定・意思決定に伴走した定量分析
・新規プロダクト機能・ビジネス開発にまつわる分析(定性リサーチとの協業)
・定量分析を通じたインサイトの導出、課題特定、施策効果測定
・プロダクトログや分析用データ設計
・事業KPIの設計とモニタリングのためのダッシュボード整備
・プロダクトやビジネスへの機械学習や高度な分析アルゴリズムの活用検討

と記載されている。これも先程のSansan株式会社さんと同様、一般的なデータアナリスト要件に思われる。
 必須要件としては、

【必須スキル・経験】
・物事の本質を捉える論理的思考力
・SQLを用いたデータ集計経験
・統計学、機械学習への基本的理解
・Python/Rなどを活用した分析実務経験

の4つが挙げられていた。やはりSQLと統計の知識はデータアナリストには必須のようだ。ちなみに、pythonやRが求められるかどうかは割と求人によりけりだった。

野村證券株式会社の場合

野村證券はなかなか面白い求人を出していた。業務内容はなんと人事データアナリストで、具体的な業務内容欄には、

<具体的な業務内容>
・採用・退職・人材データ等を中心とした、データの可視化、分析、レポーティング
・人事施策における、各種効果測定および効率改善
・人事データベースの企画、開発、運用業務
・弊社の評価・採用・異動などの人事アクションの支援

と記載されていた。「野武士集団 野村」の人事施策の効果分析、興味がありすぎる…。
必須要件は次の通り。

・必須要件
・ビジネス上の課題を解決するための問題解決能力、論理的思考力
・各人事セクションの担当者やマネジメントとグローバルに円滑なコミュニケーションが取れること
・ビジネスレベルの日本語力と英語力
・ExcelやPowerPoint等Microsoft Office基本スキル

SQLやPythonは歓迎スキルの方に記載されていた。やはりtech系企業とは少し内容が異なる印象を受けた。

デロイトトーマツ税理士法人の場合

世界4大監査法人の一角がデータアナリストの求人を出していた。業務内容は次の通り。

【業務内容】
 タックスマネージメントコンサルティング部門において、クライアント向けのITコンサルティング業務に携わっていただきます。 部署立ち上げより間もなく、少数メンバで業務実施しているため、クライアントと案件毎に幅広いスキルや知識を活かして頂けます。税務・会計の知識があると望ましいですが、社内に専門家がいるため、どちらかというと皆で協力して価値を提供することの方が求められます。SA職では各プロジェクトのマネージャの指示のもと業務を行い、プロジェクトの進め方を経験・学習、将来的にマネージャ職へチャレンジして頂きます。
【業務例】
●クライアントの財務・税務領域における業務改善・Digital化に対するツール・システム導入をともなうアドバイザリー
●クライアントの経理・財務データの分析・可視化およびその活用に対するツール・システム導入をともなうアドバイザリー
●Deloitteグループ他社や税理士法人内の他ユニットと協業し、業務知識とITテクノロジーを融合させたサービスをクライアントに提供

これは職種としてはどちらかというと、ITコンサルタントに近いという印象を受けた。toC系やSaaS系のtech企業が言うところの「データアナリスト」とは一線を画しているようだ。求められるスキルも、

【経験】
・経理・会計システム導入をともなうシステム構築におけるPJ経験
・経理・財務領域でのデータ分析、BIツールを利用したダッシュボード作成等の知識、経験
・クライアントビジネス部門・自社ビジネス部門に対する業務・システム要件整理のスキル・経験
・ITシステム関連PJでの上流工程から下流工程までのPJリード経験
・税務領域の知識やプロジェクトの経験(尚可)
※全て必須条件ではなく、いくつかを満たせる方を想定
【スキル】
・コミュニケーション能力(組織内外の関係者を巻き込んでプロジェクトを推進する必要があるため)
・リーダーシップ(プロジェクト目標達成に向けた自律的な行動力)
・課題解決力(問題・課題発見~原因分析~対策提案力)
・論理的思考力(多面性・一貫性のある思考の力)
・英語:日常会話レベル以上(尚可)

とあり、やはりどちらかといえばITコンサル(というかPM?)に近いと思う。分析対象から除外した方がよかったかなとも思ったがBIツールに対する言及があるので一応含めた。

給与相場を眺めてみる

さて気になるところの給与(年収)相場だが、まず提示レンジの下限の相場から見ていこうと思う。
 116件の求人のうち、下限が明示されている求人票は96件だった(明示されていない求人の中には月給を提示している求人もあったが、一旦そのような求人は年収を提示していないものとみなした)。この96件の提示年収の下限平均は488.1万だった。
 …うーんどうかな、夢あるかな…。ちなみに100万円ごとに区切った場合の分布は下記の通り。

100万円ごとの下限値分布

下限値が800万の求人があるな…激アツだ…。
 さて今度は上限値を見てみる。ただ個人的な考えとして、求人票記載の年収レンジの上限値はあまり参考にならないと思っている。上限値は実際に支払われる期待値が低く、人材獲得戦略上の宣伝要素が強いという印象(個人の感想)がある。
 とはいえ、せっかくデータを集めたので眺めてみる。収集した116件の求人のうち、上限値を明記していた求人は98件であり、その平均値は887.5万だった。日本人の年収としては高い部類に入ると思うが、実際にその額を得られている人は割合としてかなり少ないんじゃないかと思う。
 さて上限値の分布は下記のような感じ。

100万円ごとの上限値分布

下限値の時と違って、テール部分に外れ値がちらほら見られる。また、1200万〜1300万あたりもやや突出しているように見受けられる。
 さて、上限値はおおよそ800万〜900万くらいが相場のようだ。ということは、こと公開求人に関しては、データアナリストの相場は400万〜900万くらい、というところか。う〜ん、、、データサイエンティストと並び「将来性のある仕事!!」と言われている割にはそこそこな感じだ。

次の課題:高年収レンジの求人票の特徴を分析する

 下限800万の求人や、上限値1000万円越えの求人をツブサに眺めていたが、あまり強い傾向は見られなかった。強いて言えば、マネージャー職に関しては高い年収レンジを提示される傾向にあったが、マネージャー職と明記していなくても高い年収レンジを提示するものもあった(書いてないだけで、実際はマネージャー職でないと高い額は貰えない可能性が高いと思うが)。
 また、大抵の求人は年収レンジを広めに取っており、やはり上限値が高いからといって高い給与がもらえるわけではなさそうだ。ある求人の年収レンジは400万〜1800万となっていた。同一のタスクや職種で1400万も差がつくとは考えづらく、おそらくこの求人はジュニアクラス〜シニアマネージャークラスといった広い範囲で人材募集をかけているのだと思う(必須要件や歓迎要件にマネジメント経験が書いていなかったので断定はできないが)。
 ただ、下限値だけに焦点を当てれば、外れ値も少なく、またその給与を得られる期待値も高いので、次は「どういう求人の下限値は高いか」に焦点を当てようと思う。

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