見出し画像

データ活用を始める前に【書籍紹介】

元旦、電車の中で英告出版の広告を見かけました。
その広告には、私が思うデータ活用を始める前に読んで欲しい4つの書籍の内2つが紹介されていたので、このタイミングで紹介させて頂きます。

書籍の紹介前に、対象者課題解決の参考になる範囲 についてお話します。

対象者

データ活用/データ分析の学習をする場合、
『自身がどの役割であるか?』を考えると習得した知識を、スムーズに業務で活かせると思います。

①データの専門家 (データサイエンティスト、データアナリスト…etc)
②ビジネスユーザー (経営層、営業、人事、企画、財務…etc)

要するに データの専門家 か 否か です。
ちなみに、このnoteの対象者は、『②ビジネスユーザー』です。
よって、対象者の方も『②ビジネスユーザー』です。

ビジネスユーザーが優先的に身に付けるスキルは、『ビジネス力』だと考えます。今回は、データ活用/データ分析に必要な『ビジネス力』を高める書籍について、ご紹介します。

課題解決の参考になる範囲

以前の記事の中で、『自社にビジネス面のスキルが不足』がデータ活用課題として、特に影響が大きいと思っていることをお伝えしました。

これから紹介する書籍は、『自社にビジネス面のスキルが不足』に影響する各課題解決の参考になると思います。

企業におけるデータ活用の取り組み動向調査 ~「データ活用人材やリソースの調達・増強」 その3割が“効果なし”~ より引用

書籍紹介

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ

大ベストセラーなので、既に読んだことがある方も多いと思います。
著者の安宅和人さんの経歴は、書籍に詳しく書かれているので読んで頂くとして、データサイエンティスト協会の理事 兼 スキル委員長 でもあります。

データサイエンティスト協会が提供しているスキルチェックシートの内容に安宅さんも関わっているので、データ活用で必要な『ビジネス力』はこの本一冊で理解/実践出来ると思います。

この本の1番好きなことは、
『イシューからはじめること』の重要性はもちろんのこと、
そもそも取り組む必要がある問題なのか?と『イシューを見極め』についても、詳しく記載がある点です。

まずはこの書籍だけでも、
データ活用する前に読むことをお勧めします。

②解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法

解像度を上げる

本書は、ロジックツリーを上手に使って、対象の事柄を分解する時の実践的なやり方/考え方/ポイントが多く記載されています。
『イシューからはじめよ』内にある『イシューの分解』で上手くいかない時に、参考になる書籍だと思います。

著者の馬田 隆明さんは、東京大学でFoundXディレクターとしてスタートアップの支援されている方です。
実はこの方、Speakerdeckに多くの有用な情報を公開してくれています。

解像度を上げる 🔬

仮説思考入門 🗺 スタートアップの仮説思考 (1)

仮説思考は、
多くの方がイメージしているであろうデータ活用/データ分析=『仮説検証』を行う上で必須のスキルになります。そして難しい。。。
1~4までありますが、すべて見ることをお勧めします。

また、馬場さんも「イシューの見極め」≒「良い課題を選ぶ」重要性についてもSpeakerdeckで公開されています。

良い課題を選ぶ 💮 - 価値は課題で決まる


ここまでが、広告にあった2冊の書籍+αです。
これに追加して、もう2冊ご紹介します。

③「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問

「具体⇔抽象」トレーニング

イシューを分解が苦手な方は、『具体化/分解が苦手』なことよりも、『抽象化が苦手』なことの方が多いと感じます。

抽象化とは、「複数の情報に共通する要素を抜き出すこと」を意味します。

[グロービス経営大学院]-[「具体と抽象」とは?頭の中を整理するための思考法]より引用

例えば、『家事が大変なの!』と怒っている奥様。
家事を分解すると以下のようになる。

家事:抽象化無し

このままでは解決策を考えづらい。
少し抽象化してみる。

家事:抽象化有り

こうすると、全体感の把握や解決策を考えやすい。

抽象化スキルがとくに役立つのは、物事の全体感を掴んだり、第三者にイメージを伝えたりする場面です。

[グロービス経営大学院]-[「具体と抽象」とは?頭の中を整理するための思考法]より引用

データ活用/データ分析の目線からしても、
物事の全体感を掴むところで必要ですし、
第三者にイメージを伝える="言語化"する場面で役に立ちます。

課題や仮説を言語化することの重要性を理解している
スキルレベル:★ | 必須スキル:〇

データサイエンティスト協会-スキルチェックリスト ver.4
[ビジネス力]-[行動規範]-[ビジネスマインド]より引用


ちなみに、抽象化/具体化スキルは、
2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力」の1つ、「考え抜く力」を高めるためにも必要とされています。

「人生100年時代の社会人基礎力」と「リカレント教育」について より抜粋

具体化スキルと抽象化スキルは、考える力を高めるうえで、両方とも欠かせないスキルです。
例えば、抽象化スキルが欠けていると個別の事象から本質や共通点を見つけ出すことができませんし、具体化スキルが不十分だと実行性のない漠然としたアイデア止まりになってしまいます。
日常で自分が使っている言葉を思い返してみて、どちらかに偏りがあるようであれば、意識的に欠けている方で物事を考えてみるようにしましょう。

[グロービス経営大学院]-[これからの時代に必須な「考える力」を身につける5つの方法]より引用
[経済産業省]-[未来人材ビジョン]より抜粋

まとめると、、、
将来的に、市場から一番求められる能力は、『問題発見力』
『問題発見力』『考え抜く力』の一つ。
『考え抜く力』を高めるためには、『抽象化/具体化スキル』が必要。

昨今、「リスキリング」の一環としてデータ活用/データ分析の研修を行っている企業は多いと思います。
おそらく経営層の狙いとしては、
データ活用/データ分析が出来る人材を育てたいわけではなく、
『考え抜く力』が高い人材を育てることだと感じています。
このあたりについては、今後、別の記事で書きます。

『解像度を上げる』と被るところもありますが、『抽象ー具体』に特化した内容なので、現状整理や言語化が上手くいかない時にお勧めの書籍です。

④実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決

実践 スタンフォード式 デザイン思考

これは今まで紹介した書籍とは、少し毛色が違います。

問題の性質にも寄りますが、、、
私が問題解決をする上で難しいと思うことは、以下の2つ。

1.仮説立案
2.解決策立案/アイディア出し

上記2つは、一次情報、データ(≒事実)、論理的思考だけでは対応が難しいとおもっていたところ、デザイン思考(≒共感)が解決のヒントになることが多かったです。
仮説立案、解決策立案が上手くいかない時に参考となる書籍です。

まとめ

【1番お勧めの本】
①イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

【イシューを分解出来ない、上手くいかない時】
②解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法
③「具体⇔抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問

【仮説/解決策が出てこない時】
④実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決

本年もよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?