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マカえんの「ブルーベリーナイツ」のサビが心を掴んで離さないどころか握りつぶしてくる


「さめないで 消えないで そう願ったって遅いのに」
こんなに悲痛な叫びがあるか??キレるぞ?

サビをカラオケで歌うたびに涙が出そうというのは流石にだけど、ふとした瞬間に思い出してはなんと悲しい言葉なのだろうか…と切なくなってしまう。

冷めてしまうし、消えてしまう、行かないで、ここにいて。これは熱の事だ、と思った。
ずっと熱いままじゃいられない、いつかは冷めてしまう、情熱の事だと思った。

思い出すのはホットコーヒーを入れたマグカップ、ちょっと作業して放っておいたらずいぶん冷めてしまって、ただ苦くてそんなに美味しくない液体に様変わりしている。そんなことが、たぶん熱とつくものの全てに存在している。
情熱、熱気、熱烈、お熱、熱とつく単語とそれに伴う人間関係や感情は、いつかは冷めるのだ。せ、切ねえ… 

マカロニえんぴつのブルーベリーナイツ、今となっては恋愛の歌として知れわたっているけれど、それでもこれって、恋愛ばかりじゃないよなぁと思う。

自分が情熱を注いだものとか、暑苦しく頑張ったこととか、かつて熱を上げた色んなことが、時間の経過とともに冷めていく。魔法瓶みたいにある程度保温することはできるけど、現実という名前の空気に触れてしまうので温度低下は避けられない。

だから、今でもこの曲を聞くと、諦めたたくさんのことを思い出す。そして、それをキンキンに冷やして凍らせてしまったたくさんの私のブルーベリーを思い出して、心の冷凍庫をそっと覗きに行く。
君も、彼も、あれも、お前も、みんなみんな大好きだった。人も物も趣味も、愛していたものへの熱が冷めても、冷凍庫の中にそれらはある。

ブルーベリーナイツは、私にとってその冷凍庫を開けさせる曲だ。思い出させる曲だ。切ないな、冷たいな、凍っちゃったな。そうやって私の冷凍ブルーベリーを眺めてエモーショナル気分に浸る。悪くない、自分に酔うことこそがチドリ足人生の醍醐味である。

ところで、ブルーベリーは熟すタイミングが違うので、ちまちま栽培し収穫する家庭菜園に向いているそうだ。なるほど、つまり一粒一粒がマイペースに熟していくんだな?
いいね、食べごろをちゃんと見計らって、潰してジャムにしたい。1番熟れている時、そのままの状態で凍らせてしまえば、1番美味しく食べられるのだろう。

なんだか優里のドライフラワーと通じるものがありそうで、もう少しこの曲にイメージとか、答えが欲しいなぁなんて考えていたら、外はすっかり暗くなっていた。
いや、しょうもな。私は何をしていたんだ?と文字通りブルーな気持ちになった。ブルーベリーナイツで、私の午後が潰れた。悔しいので、冷凍ブルーベリーを買おう。きちんと潰して食べてやる。

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