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『この学校、大丈夫なのか?』連載

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「#こんな学校あったらいいな」コンテストに応募している自作小説を投稿しているところです!
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【小説】『この学校、大丈夫なのか?』を本noteで連載していきます。

こんにちは、だーしぇんかです。

先日、ポプラ社様の「#こんな学校あったらいいな」募集の記事を拝見しました!

ちょうどnoteを始めた折に、このコンテスト募集を見かけましたので、挑戦してみようと思います!

タイトルは、『この学校、大丈夫なのか?』にする予定です!

初回投稿までしばらくお待ちください(^^)

【小説】『この学校、大丈夫なのか?』vol.1

「はい、じゃあ、今週の授業はこれで終わりですー」

 先生の声を受けて、号令係の人が、

「きりーつ」

 と言ったとき、ぼくは、

「え、あの、先生!」

 と声を上げた。

 ぼくたちのたんにん、青山先生が、

「金川くん? どうしましたか?」

 とじしゃくがついた大きな三角じょうぎを黒板から外しながら振り返った。

「今日も宿題、ないんですか?」

 ぼくは何日かに一回くらいくりかえしてい

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【小説】『この学校、大丈夫なのか?』vol.2

前回はこちら↓↓

 僕が下駄箱から靴を出して、足をトントン、として靴を履いていると、

「お、大和くーん、今帰り? 一緒に帰ろうー!」

 という、声が後ろから聞こえてきた。振り返ると、通路を挟んで斜め前の席の光一だった。目が線のように細くて、顔が丸くて、いつもおだやかなえがおで親しみやすい子だ。転校して最初に仲良くなったと言っても過言じゃない。ぼくは、うん、とうなずいて、光一と並んで校庭に出る

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【小説】『この学校、大丈夫なのか?』Vol. 3

 前回はこちら↓↓

 これは、201X年に行われた児童会選挙から、この学校に宿題、テスト、いじめがなくなるにいたった出来事の記録である。

 選挙当日演説では、五人が体育館の舞台に上がっていた。

 その中の一人の演説に、児童たちは目を見開いた。

「候補の中の大原一郎くんは、いじめをなくすことをかかげていますが、彼の目的は……かつて彼をいじめたぼくへの復しゅうです!」

 その一言に、みんなが

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【小説】『この学校、大丈夫なのか?』Vol.4

前回はこちら↓↓

 ぼくは、ていねいだけど明らかに小学校高学年くらいの男の子が書いたであろうそれらの文字をそこまで追うと、

「へえ……すごいね」

 と言って水色のカバーのついた冊子を図書館の机の上でパタンと閉じた。

 光一も、

「ねぇ~。おれも一年だったしわすれてたー。ちょっと大げさになっているかも」

 と言ってからから笑った。

「大原さんが当選したあと、先生方はけっこう頭を抱えてい

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【小説】「この学校、大丈夫なのか?」エピローグ

 前回はこちら↓↓

 そんなわけで、ぼくはこの学校に宿題やテストがない理由を知って、その理由に納得して、この小学校ではこの制度にあまえさせてもらって、思いっきり遊ぶことにした。

 中学に入ったばかりの頃は、「小学校で遊びすぎたかな」って一瞬後悔するくらい、みんながかしこく見えて嫌だなと思ったけれど、すぐその生活にも慣れた。

 一方で、中学に入ってからは、みんなで外で遊ぶ機会が一気に減ってしま

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【小説あとがき】『この学校、大丈夫なのか?』を執筆して

 だーしぇんかです。

 この度は、ポプラ社様とnote様のコラボ企画の「#こんな学校あったらいいな」コンテストに、小説『この学校、大丈夫なのか?』を投稿させていただきました!

 「こんな学校あったらいいな」には、どんな案が出てくるだろう、と思ったとき、案外子どもは現実主義だから、宿題やテスト、いじめがない学校を望むんじゃないかな、と勝手に想像させていただき、この話を執筆しました。

 今、大学

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