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#猫のいるしあわせ

町田康『猫とあほんだら』感想

町田康『猫とあほんだら』感想

※2022年10月執筆。

シャンティーとパンクと出会うところから始まる。熱海で新居の内見をしている際に、候補にしていた物件の前に、衰弱しきった様子で捨てられていたのを発見し、これは放っておけぬと保護したわけだが、手遅れになる前に、生かそうとしてくれる二人に見付けられてよかった……。旧宅の近所に住む人が、仔猫のシャンティーとパンクを見てそのあまりの可愛さに泣いたと書いてあったが、写真を見ると無理も

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町田康『猫のあしあと』感想

町田康『猫のあしあと』感想

※2022年10月執筆。
※暗い話題多めです。

町田康がまだ熱海に引っ越す前の、六本木時代の話。作中、生死の境を彷徨った末、一命を取り留めたエルという仔猫が登場した一方で(昨日読んだ『猫のよびごえ』ではすっかり元気な成猫となっていた)、2匹の猫が亡くなってしまった。
猫はとても賢く、それはもう人間なんぞ足元にも及ばないくらいなのだが、病気に罹った時の対処法や病院での診察や治療のこと、食事の管理等

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町田康『猫のよびごえ』感想

町田康『猫のよびごえ』感想

※2022年10月執筆。

久しぶりに丸山ゴンザレス周り以外の人の本を読んだ。町田康なら小説も読めるかも知れない。が、無理して苦しむ必要も無いのでこの後もエッセイを読もうかと思う。
猫のエッセイは能町みね子氏以来で、かつその前に読んだのは町田康の『猫にかまけて』だった。猫は好きだが、積極的に他人の猫のことを知ろうとしていない。SNSやYouTube等に於ける殊更に贔屓している猫アカウントなども存在

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能町みね子『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』を読んで猫語りがしたくなった

能町みね子『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』を読んで猫語りがしたくなった

※ヘッダーは最近の愛猫です。可愛いでしょう。
※2022年9月に書いた内容です。

誕生日に、友人が『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』というエッセイ本をプレゼントしてくれた。著者は能町みね子氏、名前は何度も見聞きしたことがある。テレビで顔も見たことがある。著作を読むのはこれが初めてである。
能町氏自身も書いているが、はっきり言って猫のエッセイというのは本当につまらないもので、バンド時

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