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訪問看護ステーションにおけるトリアージの考え方

こんにちは、久々の投稿となります。
運営している訪問看護ステーションで、利用者からの連絡で、

体調がすぐれないので来ないで欲しい

とありました。

利用者の考え方を尊重する

という意見と

そういう時だからこそ、訪問して状態を把握して報告、対処するべき

と意見が分かれる事があります。

どちらも一理ある中で、、ひとつの見解をお伝えしたいと思います。


訪問看護ステーションは、在宅で療養する方々にとって生命線とも言える存在です。その役割は、病状の悪化を防ぎ、患者のQOL(生活の質)を向上させることにあります。しかし、限られたリソースの中で迅速かつ適切な対応を行うためには、トリアージ(緊急度や優先順位の判断)が重要です。本記事では、訪問看護ステーションにおけるトリアージの考え方について、「プライバシーより人命優先」「体調が優れない場合は緊急対応が必要」というスタンスで解説します。

#### トリアージとは何か?

トリアージとは、フランス語の「選別」に由来し、医療現場において患者の緊急度や重症度を評価し、治療の優先順位を決定するプロセスです。訪問看護におけるトリアージは、以下のような場面で特に重要になります。

1. **急性症状の発現**: 急な体調不良や症状の悪化が見られる場合。
2. **持病の悪化**: 慢性疾患の悪化により、早急な対応が必要とされる場合。
3. **事故や怪我**: 自宅内での転倒や事故による怪我の場合。

#### プライバシーより人命優先の考え方

訪問看護において、患者のプライバシーは非常に重要ですが、それ以上に命を守ることが最優先されるべきです。例えば、患者がプライバシーを理由に症状を隠したり、訪問を拒否したりすることがあるかもしれません。しかし、その結果として症状が悪化し、命に関わる事態になることを避けるため、以下の点に注意する必要があります。

- **初期評価の徹底**: 初回訪問時に、患者の健康状態や生活環境を詳細に把握し、緊急時の対応方法を確認しておく。
- **緊急連絡体制の確立**: 患者やその家族に、緊急時の連絡方法を明示し、いつでも迅速に対応できる体制を整える。
- **コミュニケーションの強化**: 患者との信頼関係を築き、プライバシーを尊重しつつも、命に関わる情報は適切に共有してもらえるよう努める。

#### 体調が優れない場合は緊急で対応すべき

訪問看護師は、患者の体調が優れないと感じた場合、その緊急度を迅速に判断し、適切な対応を行う必要があります。以下に、その具体的な方法を示します。

1. **症状の確認**: 患者の訴える症状を詳細に聞き取り、観察する。例えば、急な呼吸困難、胸痛、意識混濁などは即時対応が必要です。
2. **バイタルサインの測定**: 血圧、脈拍、体温、呼吸数などのバイタルサインを測定し、異常がないか確認する。
3. **早急な連携**: 必要に応じて医師や救急車の手配を行い、迅速に適切な医療機関への搬送を行う。

#### まとめ

訪問看護ステーションにおけるトリアージは、「プライバシーより人命優先」「体調が優れない場合は緊急対応が必要」というスタンスで行われるべきです。患者の命を守るためには、迅速かつ適切な対応が求められます。そのためには、日頃からの準備とコミュニケーションが不可欠です。患者やその家族との信頼関係を築き、いつでも最善の医療を提供できるよう努めていきましょう。

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