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火傷してまで鍋を持つなよ、と先輩は言った

3年ほどうつ病の治療をし、今はのんびり暮らしています。
それまでは、猛烈に働いていました。

このDr.ゆうすけさんのnoteに出てくるうつ病になりやすい性格そのままでした。

他人の期待に応えることが喜びで、その期待をエンジンにどこまでもハイスピードで走り続けてしまうハイスペックな人、いますよね。
僕はこれを「ブレーキのないスーパーカー状態」と呼んでいます。
※上記Dr.ゆうすけさんのnote より

まさしく、これ。
この話を読んで、15年前に先輩に言われた言葉をふと思い出しました。

「鍋が熱かったら、手を離せ。」


私が新入社員の時から、一緒に仕事をしていたY先輩。

私がいた部署は、広告代理店の営業ながら、コンサートやスポーツイベントなど、現場仕事も行う変わった部署だった。

そのため、部署内の関係が濃く、家族みたいな間柄で、私は末っ子として育ててもらった。

私が働きだして3年目。
兄のようなY先輩に言われたのが

君に「この鍋、持ってて」と頼むとする。
君は、両手で持ち手を持つだろう。

鍋はだんだん熱くなる。
君は、そのまま持ち続けるだろう。

鍋はどんどん熱くなる。
それでも、君は持ち続けるだろう。

持ち手が熱くて、火傷をしても
きっと、君は持ち続けるだろう。

君が本当は手を離したいと思っても
もうその時には、
火傷がひどく、
手のひらは持ち手から離れない。

なんて、恐ろしい例え話をするんだ!
先輩、いじわるやんか!と一瞬、思った。

でも、先輩の話には、続きがあった。

いいか。どんなに信頼する人の頼まれ事であっても、君が嫌なら断っていいんだ。

一度、引き受けたからといって、すべてを我慢するな。途中で無理だと思ったときは、周りに相談しろ。
鍋が熱くなってきたら、
普通は手を離すんだ。
たとえ鍋がひっくり返ったとしても。

自分の手を守るんだよ。

熱い!と大きな声で叫べば、誰かが助けてくれる。
鍋掴み持ったやつが引き継いでくれる。
机に置け!と指示してくれるやつもいる。

だから
黙ったまま、ひとりで持ち続けるな。

その話を聞いても
ふーん。そんなものかなぁ。
私、そこまで責任感強くないですよ。
あちー!って言って、鍋、落としますよ、と思ってた。

けど、先輩の見通しは正しかった。

十数年後の私。
煮えたぎって、持ち手も熱すぎるのに、鍋から手を離せなかった。火傷して、手がくっついてしまった。

きっと、もっと早く手を離すことができたら、うつ病も早期治療ができただろう。

こんなにも大切なことを教えてくれていたんだな。わたしの性格と仕事に対する姿勢をよく見て、心配をしてくれていた。

ありがとう。Y先輩。

ブレーキのないスーパーカーは危険。
火傷するまで鍋は持つな。

どちらも、私にとっては名言です。

今は、熱かったら、すぐ手を離せるよ。
火傷しても良いことないもんね。


\ありがとうございます!/ たくさんのnoteの中から読んで頂き、嬉しいです。ご厚意は、おいしいものとアートめぐりに。それを励みに犬づくり&エッセイがんばりますっ!