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【ボンボンショコラ深掘り2】規格外ってなんだろう?吉野さんの大分県産ほうれん草

こんにちは。dari K 広報の菊です。

バレンタインの新作「リボーンボンボンショコラ」は、不揃いというだけで規格外とされてしまう国産の野菜・果物の、再生「リボーン(Reborn)」をテーマとしたチョコレート。

このnoteでは、チョコレート作りを支えてくださるみなさんの想いや背景を深掘りしてお伝えします。第一回のみかんに引き続き、第二回は、ホワイトチョコレートに合わせたほうれん草です。

今回は、大分県豊後大野市(ぶんごおおのし)でほうれん草を栽培する吉野さんにお話を伺いました。吉野さんは、大分だけでなく熊本、宮崎、鹿児島など各地に農地を持つ有限会社の代表。年間2〜3トンのほうれん草パウダーを作るほど、大規模に且つ、戦略的に農業を営んでいます。

そのこだわりは、シンプルで明確です。

「大規模じゃないですよ〜小回りが効くのでパウダーを始めたんです。」と話す吉野さん。

農薬は使わない、だから冬に作る。

農薬はとにかく使いたくない。めんどくさいんですよ笑、それなら、自然の摂理を利用して栽培しようと思って、冬に育てています。寒さに強いクロノスとオシリスという品種を選定し、冬の強い寒さに当ててほうれん草の甘みを引き出しています。気温や湿度が高くなると、菌の病気や虫が出てくるし、野菜の旨みもなくなるので、10月に植えて、翌年の2月中には収穫をしています。

10月の頭にタネを蒔いて、1ヶ月ほど経ったころ。最近は雨が少ないので手での水撒きが必要。

今回のチョコレートに混ぜ込んで使うほうれん草は、知人が経営する地元企業「村ネットワーク」で、パウダーに加工しています。

吉野さんは工場からの「今、ほうれん草パウダー無くなった」という連絡に合わせて収穫をするので、栽培期間は決めてあっても、無いようなもの。パウダーの製造量に合わせて200kgずつ収穫して、一番美味しい新鮮なうちにパウダーにしています。

「村ネットワーク」代表の應和(おうわ)さん。吉野さんは應和さんのことを活力の塊のような人と話す。

そもそも「規格」を取っ払ってしまえばいいのに。

パウダーというのは、そもそも規格がないんです。だから、このほうれん草はスーパーの野菜コーナーに出回るよりも大きく作っています。

農業っていうのは天候が不安定だと、ある意味博打みたいな商売。野菜の場合は相場というものがあるので、価格を農家が決めるのも簡単ではありません。

一般的にA品・B品・C品という規格が作られて、価格がそれぞれランクに合わせて決まります。でも、私としては全部同じ価格じゃないとおかしいんじゃないかと思っていて、というのも、AだろうがBだろうがCだろうが、かけているコストは同じなんですよ。この畑で作っている手間暇は、一緒なんです。

そういうことを話している中で、たまたま應和さんからほうれん草のパウダー化という話がありました。

一般的な規格外品を扱う加工屋さんは「(規格外でも)なんでもいいですよ」という話から入ってくる。でも、應和さんは規格外かどうかは関係なく、手間暇かけたほうれん草を余すところなく、全て買い取ってくれる。

「なんでもいいです」ではなく、「なんでもいいけど、全部いいです」の方が、食べる人はもちろん、作り手として安心できるんです。

吉野さんのほうれん草は、生で食べても大丈夫なほど、えぐみが少ないそう

新作・リボーン ボンボン ショコラ -Reborn- Bonbon de Chocolat

チョコレートに混ぜ込むパウダーに、元の野菜の見た目は関係がありません。むしろ、パウダーは一番美味しいタイミングを野菜の味わいを閉じ込めることができる、チョコレートと相性の良い素材です。

農家さんにとって、パウダーは選別の手間や値段が上下する不安がなく、私たちにdari Kにとっては、お客様にベストな野菜の美味しさを届けることが可能です。

吉野さんの作った優しい味わいのほうれん草を使った、ボンボンショコラは素材の生まれ変わりを意味する「Reborn」をテーマとしています。元の素材の規格にとらわれる必要がないチョコレートという出口に向けて、おいしさを追求する取り組みの中で、dari Kのコンセプトである「三方よし」のAll-winのチョコレートが生まれました。

チョコレートを贈るとき、食べる時、ぜひチョコレートの裏側にある農業の話にも思いを馳せてお楽しみいただければ幸いです。

連載第三回 ビーツはこちら


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