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メジャーじゃなかった心の病パニック障害【11】

4.病気と付き合う【4】

ー 案ずるより産むが易し ー

新幹線にのり大阪へ。

これは、治療として
おおきな一歩を
踏みこんだ経験。
行動療法にあてはまる。

おおげさな〰️!と思われるでしょう。

おわかりの方は、
理解されるでしょう。

ボクにとっては
毎日の通勤電車に
ドキドキしていることと
程度が違いすぎる出来事。

新幹線に乗る。

このチャレンジは、
清水の舞台から飛び降りる

カクゴ である。

無理なら"キャンセル"すればよい。
その選択肢もあった。

しかし、
今回は、その選択肢は
全くなかった。

この進展には、
何か目に見えない
"決意"があったのか…。

いまだに
理解できていない展開であった。
目に見えない何かが
ボクを奮い立たせたのだろうか。

だとすれば
なんかカッコいい。

人ってうまくできている。


人は極限まで追い詰められると
あらゆる対応ができてしまうのかな?
…火事場のバカ力のように。。。


ー《案ずるり産むが易し》ー




この言葉。

実に共感できるのだが、
いつも案じてしまう。


これができる人間なら、
"予期不安"など
起こるわけがない。
…これも素質なのだろう。…

出張に行く→"じゃあどうしよう"
対策を講じる。

まずは、
移動行程のイメトレだ。

想像する。

想像し続ける。

そして想像のなかで
不安が加速していく。

パニック発作が起きるのでは?と。

そして、
イメトレどころではなくなる。

現実に戻り、
頓服をのむ。
10分たつ。
クスリが効く。
ココロがおちついた。

当初、抱いていた
すぐにクスリに頼るという罪悪感は、
もう、なくなっていた。

治療方針である
"クスリで不安を起こさせない "。
この指導にコントロールされていた。

再びイメトレをはじめる。

つぎに情報収集をする。

地図を開き
新幹線の線路沿いに
ランドマーク的な物件をさがす。
ロケーションを事前に把握する。


乗車中に車窓からみえる
事前情報をもとに
"駅間の1/4の距離を経過した。"
とか、
"あの工場が見えたから
あとすこしで次の駅だ。"
とか、
自信の励みにする対策を打った。

まるで、
つまらない授業が
早く終わらないかなーと
時計をチラチラ見る感じ。
に似ている。

嫌なことってそういうもんだ。


出発の朝

いつも通りくすりを飲む。

東京駅までたどり着く。
ここまで大丈夫だ。
少し自信がつく。

発車まで1時間以上ある。
彼女に電話をいれる。

彼女の励まし
『ダイジョウブだって!
具合悪くなったらトイレでもいけばいいじゃん!』

『いってらしゃい!』

そっか
新幹線はトイレがある。
ノーマークだった。
逃げれるじゃん。
人目がつかないところに。

ホームでこころを落ち着かせる。
かつての治療法であった
(自律訓練法)を心のなかで
となえてみた。

ちょっとだけ自信がもてた。

そして乗車前に
デパスを飲む。
かなり安心した。

深呼吸して
1人
のぞみ号に乗り込んだ。





大阪。

何事もなく
無事たどりついた。

産むが易しだった。

ボクは夜の大阪でミスチルのシーソーゲームを唄った。

つづく

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