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勉強の土台をつくる

勉強の土台をつくるには、幼少期にやるべきことと、やるべきでないことがあります。やるべきでないことは禁止や制限なので、わかりやすく、取り組みやすいので、優先して目がいきがちです。しかし、子どもの成長において、禁止や制限を優先することはなるべく控え目にした方がいいと思います。じつは「禁止や制限を控え目にする」ことじたいが、「やるべきこと」なのです

というわけで、「やるべきこと」を中心にお話しします。幼少期から、言葉の力を大切にします。幼少期には、親と子の交流が大きいです。そのときに、親がどのような言葉を使い、何を語るか、このことの影響は絶大です。勉強に意識の強い親は、まずはこのことに細心の注意を払っているでしょう。

「やるべきこと」の筆頭は、読み聞かせです。読み聞かせの大切さを理解している親とそうでない親の差は大きいです。デジタルコンテンツが普及しても、読み聞かせの大切さを理解している親は少なくありません。ただ、何をどのように読み聞かせすればいいかについては、ゆらぎがあります。

何を読み聞かせしてもいいということはありません。幼少期からたくさん読み聞かせしても、子どもが本好きにならず、勉強ができるようにもならなかったという事例も多く見聞きします。私の経験上、それはそうだろう、と思います。いろいろと「おすすめの本」がリスト化されていますが、そのうちの多くは、勉強の土台となりません。ただし、それらのリストが間違っているとか、リストにある本がつまらない本であるという意味ではありません。勉強の土台づくりという目的に合っているかどうか、という意味です。

読み聞かせが正しく蓄積されれば、自発的な読書へ自然と移行します。読書も、留意が必要です。

「やるべきこと」の2番目は、書き写しです。かつてわが国では、すぐれた文章を書き写すことが重要な勉強法でしたが、戦後はその勉強法が失われてきました。しかし、書き写しは重要です。デジタルツールでは代用できません。子どもの能力開発に甚大な影響があります。

「やるべきこと」の3番目は、自然体験です。人間が理解したり考えたりするのは、身体を使って行います。バーチャルでは代用できません。わが家は幸いなことに自然の中で暮らしているので、問題ありませんが、都市に住んでいる方は何か考えた方がいいでしょう。都市の中でも、様々な形で自然体験は可能です。

じつは、読み聞かせ、書き写し、自然体験の3つのことがらは、楽しいはずなのです。勉強の土台のためといっても、苦痛に耐えながら歯を食いしばってやっていくようなことが血となり肉となることは期待しにくいでしょう。楽しいのであれば、「勉強の土台のため」などと肩肘張って意識することさえ必要ありません。

これら3つについて、あらためて詳しくお話しします。さあ、お子さんといっしょに楽しくすごしましょう。

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