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だらねこゲームデザイン論

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#ゲーム開発

装備やスキルを組み立てる時に考える『対策』と『押し付け』の話

装備やスキルを組み立てる時に考える『対策』と『押し付け』の話

自分の作っているゲームに対して、手に入ったら嬉しい装備やスキルを用意したいですか?

いろんなクラスや職業を用意して、プレイヤーが自分なりの成長や戦い方で遊べるようにしたいですか?

ゲームにおける装備などの報酬やスキルの習得といった成長要素は、非常に重要な要素です。冒頭で挙げた2つの問いにはYESと答える人も多いんじゃないでしょうか。

だがしかし。
コレらは相反する要素になることもあり、ちゃん

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『ちょっとの違い』が作る飽きない戦闘システム

『ちょっとの違い』が作る飽きない戦闘システム

人間ね、同じことばっかりやっていると飽きていきます。
これはゲームデザイナーとしては避けられない問題です。5時間遊んで面白いゲームが、50時間遊んで面白いとは限りません。

せっかく面白い戦闘システムを作っても

とか言われちゃうと悲しいか苦しいというか、あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ー!!!

なので、じゃんじゃん新しい要素を追加していって飽きさせないようにしたいわけですが。
しかし新しい要素の追加というのは

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歩いていて楽しいダンジョンの作り方

歩いていて楽しいダンジョンの作り方

ダンジョン、作るの得意ですか?

なんとな~くマップタイルを敷いてみたり。
なんとな~く分かれ道を作ったり。
なんとな~く行き止まりに宝箱を置いたり置かなかったり。
なんとな~く敵を配置してみたり。
なんとな~く謎解き要素を入れてみたり。

していませんか?

ダンジョンってそれっぽく作ることは簡単なんですよ。
ただ、そうして作られたダンジョンが面白いかどうかはまた別です。
ぶっちゃけ、

という

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ゲームプランナーが『バグの少ないデータを効率的に作る』ための最低限の知識と考え方

ゲームプランナーが『バグの少ないデータを効率的に作る』ための最低限の知識と考え方

ゲームって、「データ」をいっぱい作らなきゃいけないんですよ。
例えばドラクエのごとく「スライム」を登場させるにしても、

とか。
でも頭の中で考えるだけじゃゲームは生まれないので、ゲームに反映するためにちゃんと「データ」として持たなければいけません。こういう感じに。

問題はですね。

って話があるんですよ。
データ数が少ないならまだしも、コンシューマのゲームみたいにがっつり作りこむゲームとか、ソ

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『簡単にしろ』で終わらない難易度調整のコツと考え方

『簡単にしろ』で終わらない難易度調整のコツと考え方

難易度をゲームの開発者に合わせたら、難しすぎるクソゲーが出来上がっちゃった!
……まぁ、良くある話ですよね。ゲームの開発者って、

ので自分がちょうど良いと思う難易度にしちゃうと「知り尽くしてて何度もやっている人向けの難易度」になってしまったり。
その結果、多くの初見プレイヤーからしたら難しすぎて「クソゲー」の烙印を押されてしまう、なんてことはよく言われる話です。

とはいってもゲームを作る以上は

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『ボス戦で有効に使える状態異常』を作るにはどうすれば良いのか?

『ボス戦で有効に使える状態異常』を作るにはどうすれば良いのか?

ゲームのボス、状態異常が効かない(効きにくい、ほぼ有効に使えない)ことも多いです。こういうツイートがバズるくらいには効かない。

私自身、ゲームを遊んでいてボスと戦うときなんかは

と思いながら戦っている節はあり、何の情報もない状態で戦う時は攻撃方法から除外していることも多いです。

ちゃんと作られていないと

みたいなことにもなりかねません。もったいない。
ボスに状態異常が効かないのは制作上都合

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あんまり注目されない『移動』を面白くするためのゲームデザイン

あんまり注目されない『移動』を面白くするためのゲームデザイン

みたいなフレーズ、RPGの宣伝なんかでたまに目にするんですけどね。実際にゲームの内容を見てみると、

って思うこともよくあります。いやそんなのただの宣伝文句じゃねーか、大人げないこと言うなよ空気の読めや!って言われるとアレなんですけども。

ただ改めて考えてみると、「冒険しよう!」って言われた時に想像する面白さ、ワクワク感って、戦闘とかじゃなくてむしろ『移動』の部分になるんじゃないのか?って思うん

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頭が痛くならない「ダメージ計算式」の基本の話

頭が痛くならない「ダメージ計算式」の基本の話

戦闘のあるゲームを作るなら、考えないといけないのがダメージの計算式。でも、計算式のコツとか基本とか調べると、小難しそうな話が出てきて

め、めんどくせぇ~

ってなったりしませんか?私はなります。色んな計算式とその特徴を羅列されても、よくわかんなくなっちゃう。

とはいえ私もゲームデザイナーの端くれなので、ダメージ計算式を考える機会がそれなりにあります。そして他人の作った変な計算式に苦しめられるこ

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どうすれば、ターン制バトルで『戦術性』を作ることができるのか?

どうすれば、ターン制バトルで『戦術性』を作ることができるのか?

今の主流はアクションゲームですが、私はターン制のゲームも好きなんですよ。そもそもアクションとターン制のゲームって、面白さの方向性が違うので比べる物ではないんですけど。

で、方向性が違うわけだけど、アクションゲームに対してターン制のゲームの利点って何だろう?と考えてみるとですね。

ターン制バトルはじっくり考えることができる、戦術性の高いゲームを作る事ができるのが利点

だよなぁ……ってところまで

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ゲーム開発者が知っておくと良い最低限のデバッグ知識

ゲーム開発者が知っておくと良い最低限のデバッグ知識

少し前に興味本位で、デバッグについてゲーム開発者向けにアンケートをとってみたんです。

はい。デバッグは勘でやっているよって人が大多数でした。数多のゲームは勘でチェックされている。

まぁ、プログラマなら業務上使いますし、資格の問題にも出るのでお勉強せざるを得ないと思うんですが……独学でプログラミングを勉強してゲーム作っている人とか、プランナー系統の人はあまり勉強する機会がないのかなーと思ってたり

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心理学界の異端児「行動分析学」から考えるゲームデザイン

心理学界の異端児「行動分析学」から考えるゲームデザイン

行動分析学は心理学の中でもけっこう変わった学問です。ざっくり言うと

こころ?そんな不確かなものを見ようとしてもしょうがなくね?
そんなことより、実際に目に見えて計測できる「行動」に焦点を当てて考えようぜ!

という、心理学でありながらだいぶ思い切った方向に舵を切った学問です。
けっこう実用重視の学問でもあります。

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さて、「ゲームで遊ぶ」も行動の1つです。つまりは行動分析学で

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