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クリスマスカラス【毎週ショートショートnote】

緑、赤、ゴールド。
クリスマスにカラスは似合わない。

子どもたちはクリスマスツリーの星が大好きだ。俺だって大好きだ。

巨大なクリスマスツリーのてっぺんの星は言った。
「クリスマスイブの日だけでいいんだ。お前の飛ぶ力が欲しい。お願いだ。どんなに人から好かれようが自由がない。海も見たことがないし、山の上も知らない。ツリーの上にいるにもかかわらず、だ。この劣等感がわかるか。たのむ1日だけ能力をくれ」

「どうしたらいいんだ?」
力なく質問すると

「変わりにあの上にいるだけだ」

という。

そして、当日。

俺は何を言われても我慢した。

不釣り合い、汚い、誰か捕獲しろ。

そんな声に震えながら耐えた。
精神の限界が来た時、子どもが声をあげた。

「クリスマスカラス!!」

空から雪が降ってきて俺の身体をつつむ。
どんどん、誇らしい気持ちになっていく。

その色は黄金色に変わっていく。俺は星になった。

一瞬の輝き、連続の我慢。
帰ってきたら、アイツを抱きしめてやろう。


あなたのサポートがわたしの自信。とにかく生きる希望ー!