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米国アカデミー賞最有力候補 【パワー・オブ・ザ・ドッグ】

ジェーン・カンピオン監督作品
Netflixで配信中

パワー オブ ザ ドッグ   2021年



【あらすじ】

1920年代のモンタナ。
大きな牧場を営んでいるフィルはカリスマ性があるが
気難しく恐れられている。
対照的に大人しく心優しい弟のジョージは、
ローズという美しい女性を家に迎え入れようとしていた。
それを快く思わないフィルはローズに対して
冷酷な態度をとり続ける。
ローズを執拗なまでに追い込むフィルだったが、
彼女の息子、ピーターと交流を深めていく。



【解説】

これはフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)の名演を見る映画。

フィルが弟の妻ローズを精神的に追い込む。
ローズが楽器を弾けば、俺の方が上手いんだぞと
言わんばかりの顔でマウントを取る。
手先の器用さを見せようものなら、踏み躙られる。
“女性らしさ“を真っ向から否定する
マスキュリニスト(男権主義者)それも有害な男らしさ。
この男、なんだって彼女にこんなにも当てつけるのか。

男女は結婚するのが当たり前だった1925年。
男性社会に生きているフィルは、
男性社会によって強烈なストレスを抱えている。
なぜなら彼は同性愛恐怖症の男だからだ。
彼はそんな自分を許せないでいる。

男らしく荒々しい物語なのに、静かに苦しんでいる
フィルという人物をじっくり描いた作品。

抑圧された時代のせいで生き辛いフィルなんだけど、
ストレスのはけ口にされてる女性の身にもなってくれよ。
そりゃローズさん、飲まなきゃやってらんない。

【ぼやき】

何処にでもいる嫌なやつってのは、殆ど哀れな人なんだね。
わたしがフェミニストだからなのか、女性に終始高圧的だった
フィルに同情しないし彼のキャラクターに
魅力があるとは思えなかった。
とはいえ、ベネディクト・カンバーバッチの演技は
米国アカデミー賞もの。(現在ノミネートされている)


Dara

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