小島庄司 | Dao and Crew株式会社 船長

『中国駐在ハック』著者。中国事業の課題を解決する人。不正・解雇・裁判・撤退など日本企業…

小島庄司 | Dao and Crew株式会社 船長

『中国駐在ハック』著者。中国事業の課題を解決する人。不正・解雇・裁判・撤退など日本企業のハードな戦いを支援する野戦病院。小島の "半私信"メールレター登録はこちら→https://www.daocrew.com/form/letter-registration/

最近の記事

  • 固定された記事

船長と名乗るに至った道のりと、半私信レターのご案内

和魂洋才亜力の原点 こんにちは。 Dao and Crewの船長・小島です。 私は「チームづくり」を生業にしています。 とくに、背景や個性がバラバラなヤツらが集まって、一つのチームとして力を発揮する「多文化混成チーム」が専門領域です。 多文化混成チームとは、麦わらの一味やオーシャンズ11(もう少し古くは明訓高校)をイメージすると分かりやすいでしょうか。 個性もバックグラウンドもバラバラで、まとまりそうにない面々が、不信や衝突を経て少しずつお互いを理解し認めていく。

    • キレイゴト抜きで語ります! 成長意欲のない中国Z世代に現地駐在員はこう対応して! 【後編】

      前編に引き続き、成長意欲の薄い中国Z世代に駐在員はどう対応すればいいのか、考えていきます。 ↓ 前編から読む 企業としてどう対応するか採用の失敗は育成で挽回不能 成長意欲のないZ世代に、企業としてどう向き合うか。キレイゴト抜きの本音を言えば「採用の失敗は育成で挽回不能」のひと言に尽きます。 成長意欲を持てない人たちを採ってしまったら、育成で意欲を刺激し、伸ばし、熱量を上げるのは難しい。できなくはないと思いますけど、駐在員の任期を考えると苦しいです。私は任期のない立場で

      • キレイゴト抜きで語ります! 成長意欲のない中国Z世代に現地駐在員はこう対応して! 【前編】

        日本で就職氷河期世代、ゆとり世代、Z世代などというように、中国でも80後、90後(80年代、90年代生まれ)と世代による呼び方があります。中でも00後(2000年代生まれ)は幼少期からデジタル環境に囲まれて育ったデジタルネイティブです。 私の感覚ですが、日本のZ世代と同世代(ざっくり95年以降に生まれた人、中国Z世代とします)の中国人社員に対しては、会社における管理・育成の仕方をこれまでとは相当変えないと、力を発揮してもらえないんじゃないかと思います。 今回は成長意欲の薄

        • 評価面談が憂鬱でたまらない中国駐在員が試すべきこと 後編

          前編に引き続き、評価者はどうすれば憂鬱な評価面談を打ち止めにできるのか、考えていきます。 ↓ 前編から読む 評価者が試すべきことすぐ試そう① えんま帳をつける えんま帳とは私がつけた俗称。今週自分の部下がどうだったか、感じたことをひと言以上メモしていくことです。正式には「評価者観察メモ」。 えんま帳というと、えんま様が持っている生前の悪行を細大漏らさず記録したものというイメージがあるかもしれません。しかし、検索してみると、実はえんま帳には「善悪ともに」記録されています

        • 固定された記事

        船長と名乗るに至った道のりと、半私信レターのご案内

          評価面談が憂鬱でたまらない中国駐在員が試すべきこと 前編

          中国駐在で最も憂鬱な瞬間に挙げる赴任者もいるのが評価面談。二度とやりたくないとか、思い出したくないと語る駐在員はたくさんいます。 それでも、評価面談は毎年毎期やってくる。「サザエさん症候群」のように、期末になるとその先に待つ評価の季節を連想して憂鬱になるという人もいます。 評価の問題の根本解決には人事制度の改革が必要ですが、部下評価から逃げられない駐在員の立場ではそうも言ってられない。今回は「一評価者としてできること」の観点から、どうすれば評価面談が憂鬱でなくなるか、考え

          評価面談が憂鬱でたまらない中国駐在員が試すべきこと 前編

          【中国駐在サバイバル】問題社員を解雇したら不当解雇で訴えられた! で、どうなるの?

          中国で一線を越えた問題社員の扱いを議論していると、経営者や日本側から「裁判になったら……」という心配の声が上がります。今回は「もし裁判沙汰になったら、その先に何が待っているのか、特に裁判が不利に進んだらどうなるのか」を見ておきましょう。少なくとも不透明感が生む不安はなくなるはずです。 先が見えないと不安が募る特に日系企業は、解雇したい社員がいても裁判が心配でなかなか踏み切れないことがあると思います。今回は、中国で問題社員をクビにして、相手に不当解雇で訴えられたらどうなるのか

          【中国駐在サバイバル】問題社員を解雇したら不当解雇で訴えられた! で、どうなるの?

          中国人社員は全員キョトン 日本人にしか通用しない仕事観8選

          相撲で「なぜ寝技を使わないんだ!」「奥襟を取れ!」と言ってもキョトンとされますよね。自分が結果を出してきた世界で効果を上げた知識や経験が、異なる世界でも通用するとは限りません。中国に赴任してから「自分の仕事観や流儀が中国人社員に響かない!」と怒ったり嘆いたりしている駐在員に向けてお送りします。 押しつけは相互不信の火種中国に限らず海外赴任で気をつけたいのは、日本ではごく当たり前だと感じてきたことが、違う文化圏では当たり前ではないことです。 日本と現地に「違いがある」のは当

          中国人社員は全員キョトン 日本人にしか通用しない仕事観8選

          横連携しない中国人部下を変えた3つの仕掛け

          中国の組織では、管理者も担当者も本当に横連携しません。仲が悪いか、または相手に無関心。そんな彼らをどう動かして横の連携を進めるか、中国駐在員ができる仕掛けを考えます。 横連携しない部下たち現地にいる人は痛感していると思いますが、中国人社員はとにかく横連携をしないですよね。横連携しないとは具体的にどういうことか、一応まとめておきます。 他部署の業務に無関心 他部署の業務に無関心で、よその部署が何をしているか知らない。何か大きなことがあっても「ああそう」ぐらいで終わってしま

          横連携しない中国人部下を変えた3つの仕掛け

          新任駐在員の皆さんへ…メンタルの守り方

          変化が激しく不確定要素の大きな中国の事業環境で、新任駐在員が日本的な生真面目さを全開にしたら、メンタルをやられることは確実です。 とはいえ、現地でゆるい管理をしようものなら、完全に足元を見透かされて手抜き・規律崩壊・不正増長を招きます。 今回のテーマは変化への適応。新任者が駐在期間をどうスタートすればいいのか、「心の持ちよう」に焦点を当てて考えていきます。 メンタルを削ぐ罠言葉が通じない 中国現地にはメンタルを削ぐ罠や落とし穴がいっぱいあります。筆頭は言葉が通じないこ

          新任駐在員の皆さんへ…メンタルの守り方

          自己利益が最優先な中国人管理者の扱い方

          中国で日系企業経営者の相談に乗っていると、「中国人管理者がどうしても自分の損得勘定から離れられない」「一社員目線から抜けられない」という相談の多さが気になります。 「なんとか啓蒙・指導してやってくれ」と頼まれて、私やチームのメンバーが面談したり、議論したり、ときには壁打ち相談をすることもあります。 経営者は「悪いヤツではない」「本人なりに真面目にやってはいる」と言うけれども、どうしても自分の利益や都合から離れられない。そんな中国人管理者をどう扱えばいいのか、どうコミュニケ

          自己利益が最優先な中国人管理者の扱い方

          私が出会った 現地を動かした駐在員たち

          私は「中国事業の野戦病院」を看板に掲げているので、どうしても辛口の話が多くなります。 でも、たまには元気が出てくる話もしたい。皆さんもそういうの読みたいですよね、きっと。 今回は私が過去に出会ってきた「現地を動かした駐在員列伝」(大袈裟)。 実際に見ていて「かっこいい」「すごい」と思った駐在員たちの姿を紹介します。 無力感に襲われたり放心状態になったこと、ありますか。中国駐在員の皆さん、赴任先で、自分だけではどうしようもない、どうしていいかわからないという状況になったこ

          私が出会った 現地を動かした駐在員たち

          仕事ができる経営者の「現場との関わり方」

          中国で出会う日系現地法人の経営者・リーダーは、だいたい現場大好きなタイプ、会議室大好きなタイプ、自席大好きなタイプに分かれます。 会社のプロフィットセンターはどこか。現場でしょう。だから私は「現場に関心を持たないトップは仕事ができない」と見なしています。 ただ、現場に関心を持つ人たちも、実際の振る舞いは、現場に足繁く通う人と、我慢して行かない人に分かれます。 今回は経営者と現場について。特に中国の現地責任者に読んでほしい回です。 中国で出会う経営者の3タイプ私が中国で

          仕事ができる経営者の「現場との関わり方」

          中国現地での採用面接…準備不足=ダメ人材とは限らない

          中国拠点で現地社員を採用する際、面接でのチェック事項や判断基準を整理・明確化していますか。 日本だと、まずキャリアシートの中身や整理度合いで選抜するでしょうし、面接では服装や持ち物を含む準備レベルが足切りの要因になりますよね。 中国でこういう判断はしない方がいいという話です。 人材採用の原則これは中国拠点だけでなく海外全般に通じる話です。 また、採用においてブランドや知名度、パワーに劣る中小企業や、これから従業員を採用していこうという起業家にも当てはまると思います。

          中国現地での採用面接…準備不足=ダメ人材とは限らない

          繊細さんの中国駐在

          海外赴任者というと、鉄のメンタルと鋼の体力を持っているイメージがありますよね。事実、そんな人たちがたくさんいる世界でもあります。 ただ、みんながみんな、そんな猛者ばかりじゃない。トラブルに巻き込まれて精神的に追い込まれた駐在員から、個人的な相談を受けたりもします。 今回は、繊細さん・敏感さん・抱え込んでしまいがちさんと、そういう赴任者がいる会社向けの話。自分は別に繊細じゃないという人も、近くにそういう人がいたら、今回の話を踏まえて対応してもらえると嬉しいです。 繊細さん

          中国駐在「前任はこうだった」をどう乗り越える?

          中国拠点を後任者として受け継いだ場合、前任の駐在員との比較は避けられません。キャラが違うのに無理して路線を踏襲すべきなのか、やり方が変わっても独自色を出していいのか、悩むところです。前任者とのスタイルの違いをどう乗り越えるか、私の見方・考え方をお伝えします。 現在、ほとんどの中国赴任者は2代目以降でしょう。日本のオーナー企業の跡継ぎなら何年も先代と比較され続けるのは当たり前ですが、中国のような海外拠点の場合、駐在員は3〜5年のスパンで入れ替わるため、何年も比較を引きずること

          中国駐在「前任はこうだった」をどう乗り越える?

          再赴任ショック…元駐在員が無力感に襲われたワケとは

          中国は再登板する駐在員が多い赴任先です。私の周りでも少なくありません。そんな再赴任者から気になることを聞きます。 先日も「久しぶりに来てみたらショックだったよ。前回の赴任時に自分主導で仕組みをつくって、最後の仕上げ段階で帰任になったから『後はみんなでよろしく!』って帰ったんだけど、10年経って来てみたら、まったく動いていなかった」と聞きました。 帰任後の現地の様子を聞いて、愕然としたりガッカリしたりということは意外と多いです。どうしたら自分の残したものが現地で定着するのか

          再赴任ショック…元駐在員が無力感に襲われたワケとは