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今、気になる節電事情[前編]〜節電と遮熱・断熱の関係とは?~【断熱先生のダンネツノートvol.3】

みなさん、こんにちは「断熱先生」の古溝です!
今日は、最初に皆さんに僕の仲間を紹介するよ。パンダン、シャネチュ―、ワンです。よろしくお願いします。

左からパンダン、シャネチュー、ワン

第3回ダンネツノートのテーマは、今年の夏、みなさんがもっとも気になっているであろう節電と熱中症、住まいの遮熱・断熱の関係について解説していきます。いよいよ夏本番、まだまだ暑い日が続きそうです。節電はもちろん、熱中症から命を守るためにも、住まいの遮熱・断熱についてぜひ一緒に学びましょう!

「家」にいてもなってしまう!? 怖〜い熱中症

蝉の鳴き声も響きはじめ、いよいよ夏本番がやってきました。記録的に早い梅雨明けとなった今年は、あいさつ代わりに「暑い…」とつぶやいてしまいますよね。これだけ暑いと心配になるのが「熱中症」です。熱中症とは体温が上昇し、身体の調整機能のバランスが崩れて、身体に熱がこもってしまう状態のこと。こまめな水分・塩分補給、涼しい服装、適切なエアコンの使用など、日中の炎天下での予防が大切だというのは、みなさんもご存知の通りだと思います。

では、熱中症で緊急搬送された人のうち、なんと約45%もの人が、住まい(家)にいたという事実をみなさん、ご存知でしょうか。総務省消防庁の公開データによると今年6月27日~7月3日で、熱中症で救急搬送された人の場所のうち、約45%が住居であることがわかっています。これは場所別では最多なんですよ。

出展:総務省消防庁「全国の熱中症による救急搬送状況 令和4年6月27日~7月3日(速報値)」を基に作成

一般に熱中症といえば、屋外でなってしまうイメージが強いですが、実際には、住まいにいて、熱中症になって搬送されているんです。第1回からご紹介している通り、日本の住まいは断熱性が高いとは言い難いものです。それゆえ、暑いなと思ってエアコンをつけてもなかなか室内が冷えないという現状があります。それだけではなく、特に西日など強烈な日ざしが窓から入ってくることでも室温が上がってしまうのです。今年は、電気代が高騰している中で、節約のために冷房の使用を控えめにしているという人もいることでしょう。ぎりぎりまでエアコンをつけるのを我慢。つけたとしてもなかなか冷えない……。そのために熱中症になって搬送されているとしたら……これほど悲しいことはありません。


寝ているうちに室温上昇!エアコン嫌いが招く「夜間熱中症」とは

熱中症でもう1つ、興味深いデータがあります。それは時間帯です。
みなさんも熱中症に用心しているのは日中の10時〜15時くらいの時間帯ではないでしょうか。実は、同じくらい怖いのが、夜の時間帯なんです。
 
これは、東京都福祉保健局の2019(令和元)年の夏のデータですが、東京23区における時間帯別の熱中症死亡者数は、日中(午前5時~午後5時)38人、夜間(午後5時~午前5時)40人、不明57人となっています。
 
日中・夜間でなくなっている人の差、意外と少ないと思いませんか? そう、見落としがちですが、実は夜の熱中症にも注意が必要なんです。

出展:東京都福祉保健局「令和元年度夏の熱中症死亡者数の状況【東京都23区(確定値)/[参考]多摩島しょ地域(確定値)】」を基に作成

よく、高齢者や女性のお客様からも「エアコンが苦手」「寝るときはエアコン止めたい」といった声を聞きます。「エアコンは冷え過ぎる」「乾燥する」などの理由で苦手な人もいるでしょうし、節電のためにできるだけつけないようにするという人もいるでしょう。
 
ただ、そうして夜、寝ていると、じわじわと室内が上昇、気がついたときには熱中症で救急車を呼ばないといけない状態、なんてこともあるようです。夜だからといってエアコンを消し、油断して寝ていると意識がもうろうとしてしまう……、それが夜間熱中症の怖いところなんです。


遮熱と断熱のあわせ技で快適な温度をキープしよう

繰り返しになりますが、これは日本の住まいの遮熱性、断熱性と無関係ではありません。しっかり遮熱・断熱されていない住宅は、日中に温められたベランダや壁、開口部、日ざしによって室内に熱が入りこみ、しらずしらずのうちに室温が上昇してしまうんです。命を守るためにも、住まいの遮熱と断熱がとても大切になるのを、これでおわかりいただけると思います。

熱の流入割合[夏の冷房時] 
出典:(一社)日本建材・住宅設備産業協会

たとえば強烈な西日が入る家で、よしずを立て掛けて、日差しが入らないよう対策しているのを見かけたことはありませんか? 実はあれが「遮熱」対策。室内の温度が上昇するのを防いでいるんです。よしずはホームセンターなどでも販売していますし、リーズナブルで効果も大。昔の人の暮らしの知恵って、ほんとにすごいですよね。
 
よしずがいいのはわかるけれど、「家の外観にあわない……」「台風が心配」という人におすすめなのが、LIXILの外付日よけ「スタイルシェード」です。現代のモダンな住まいにあわせたデザインで、昼の日差しを遮り、室温の上昇を抑えてくれるので、熱中症対策になります。設置時間はひとつの窓で、わずか30分程度! 市販の商品では「遮熱カーテン」なども販売されていますが、「シェード」は熱が室内に入ってくる「前」に防ぐため、その効果は歴然です。南や西に大きな窓がある人はぜひ、検討してみてください。

もうひとつが、窓や玄関ドアの断熱です。現状の日本の住まいは、窓や玄関ドアなどの開口部から、熱が外に逃げていってしまっています。前回、ご紹介したとおり、今年度は国や自治体の補助金制度も利用できます。「冷房がイマイチ冷えない」「エアコンで電気代が高い」とお困りなら、今年、ぜひ内窓のリフォームをおすすめしたいと思います。

インプラス」と「スタイルシェード

幸せな場所であるはずの「住まい」「家庭」で夏の熱中症、冬のヒートショックといった、命にも関わる事故が起きてしまうのは、住環境に携わるものとして非常に残念ですし、無念に感じています。
 
もっと住まいの遮熱や断熱について知ってもらい、健康で快適な暮らしでライフスタイルをより豊かにしてほしい。
そのために微力ではありますが、これからもみなさまに情報をお届けしたいと思っています!
 
次回は「今、気になる節電事情[後編]〜内窓でどのくらい節電、省エネできるの?~」についてお届けする予定です。
 
更新は7月26日(火)16時を予定しています。もし良かったらフォローしてお待ちいただけたら嬉しいです!

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