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「上陸旅」#2.Prologue

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 しばらく青い海が続いた窓側から見える空の風景は

点々の様に島や陸地の地形見え始めました。

時間的に考えると

日本という惑星の領空に入った様です。

昨年、初海外旅行先として訪ねたこの惑星との出会いは

結局、自分の人生を大きく変えて

その翌年春、

金浦空港発、羽田空港行の全日空〇〇便に

単身に搭乗して

新たな冒険を始めようとしています。

気のせいか窓側の外から見える風景は

29年間慣れた

今までの自分の惑星のとは

何となく異なる感じ…

その時、何かが目に入りました。

雲か?と思った瞬間

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富士山!

写真や映画で見た富士山でした。

飛行機から富士山を見下ろすなんて…

新しい春が始まる3月の最後の日だが、

まだ真っ白の雪だらけで

雲が重なっている頂上の姿は

神秘その物でした。

新しい人生の幕を開ける今日、

今の自分の判断は正しいのか

期待感と不安感が交差します。

心が落ち着かないのは

ただの高度のせいではなさそうです。

富士山姿を見逃さないと思ってカメラシャッターを押した瞬間、

山頂から一瞬、明るい光が見えました。

「あ?」

ただの太陽の反射?

飛行機はもう速いスピードで過ぎたので

富士山はもうはるかに遠くなりました。

反射かもしれないけど、

何とか気になりました。

勝手な想像だけど、

まるで山頂で

誰かが自分にシグナルを送った…

「そんなはずはないだろう…

映画観すぎたな…」

「皆様にご案内致します。

この飛行機は間もなく、東京羽田空港に着陸致します。

シートベルトを…」

あ、

2006年の春

人生の新しい幕が

始まります。


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